海辺の高台にあって
でも、平野の真ん中
南には、広く
太平洋を、望んでいて
でも、振り返ると
故郷の街を
抱いているかのように
翼を，広げて
故郷の霊山が
見下ろしていた
朝日は、住宅街の
家々の屋根の、狭間から
上ってくるけど
夕日は
故郷の川を越えて
故郷の里山の
その山並みに、沈んで行く
その山間からは
日本一の山だって
顔を、出している
でも、あの故郷の海は
湾の真ん中で
波が、凄く荒い
そして、直ぐに
深くなってしまうんだ
だから、遊泳禁止だった
日本一人気のある
海水浴場ばかりの，あの湾の
真ん中にあるのに
唯一、夏場には
取り残されてしまう
だけど…
でも、海岸道路は
休みの日には
都会からのクルマが
溢れかえるんだ
そうすると
人々も、溢れた…
泳ぎ自慢の同級生は
小学生でも
あの沖合いの
波浪観測塔迄
泳ぐんだぜって、威張っていた
海水浴場のある海岸に
溢れていた人々は、
やがて、どんどんと
あの遊泳禁止の海岸にも
いっぱいに、なってしまう
そんな時、きっと
凄く自慢気に
見せつけるように
泳ぎ切ったんだろうか
ガキ大将のあいつは
誰よりも、目立ちたがり屋で
でも，本当に真っ黒で
誰よりも，逞しかった
…今もきっと、そうだよな
嫌、それは無い…
あいつは、もう
ずっと前に，交通事故で
亡くなってしまったって
もう，とっくに亡くなった
母から聞いた
風の便りだった
もう、遠い昔だ…
