凄く、好きだった
そんな日には、海岸も良い
冬には、風が冷た過ぎるけど
春や秋には、ちょうど良い
遊泳禁止の海には
人影もない
サーフィンなんて
まだまだな時代だ
いつも、家から見下ろしている
防砂林を目指す
緩やかな海岸段丘
降りて行き、今度は上る
海辺の国道を渡ると
防砂林、松林
意外と、深い
でも、抜けると
その先には、砂山
上って、降りる
今の狭い砂浜じゃない
砂山のてっぺんまで
息を切らせる
やっと、上り切ると
太平洋
故郷の湾は
太平洋に、広がって行く
そして、太平洋
波は、いつも荒い
波打ち際は、遥か彼方
その遥か彼方
水平線は、霞んでいる
境のない海と空
降り注ぐ日差し
海は、空の蒼を映して
空は、海の蒼を映す
大海原
砂山から
下って行く砂丘
砂浜、その先
ここは、湾の真ん中
波は、荒い
激しい波の音
波打ち際迄、下りて行く
波は、むくむく盛り上がり
崩れて、激しく咆哮
波飛沫、潮の臭い
空を、仰いでみる
何にもないな
雲が浮かんでるけど
真っ蒼な空
降り注いで来る日差し
眩んだ目を細めて
振り仰いでいる空
真っ蒼
何にもない
美しいけど
いのちなど寄せ付けない
何にもない
真っ蒼
大空
大海原
波の咆哮