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日記、日々の想い 

少年は、おとなになり、罪を償う

少年は、贖えない罪を
犯してしまった
それは、いたいけなこいぬを
拾って、でも
捨てたからだ
どう、言い訳をしても
拾っただけで
守ったあげたつもり
その気になっていたんだ
ただ、また捨てたとすれば
それは、こいぬを
そのいのちを、ただ弄んだ
そう言うことでしかない
そう気づいたから
そう、思い知ったから
どうせおまえは
あのこいぬの
あの子の、あのちっぽけな
いのちさえも
守ってあげられなかった
どうしようもなく、無力な
ほんのつまらない
そんな奴だから
そんな奴らしく
もっと、薄汚く
小狡く、悪党らしく
罪を、重ねようと
思っていたのかも知れない
小さないのちなど
いくらでも、踏みにじって
でも、少年も
やがて、おとなになる
結婚して、子どもも
出来たかも知れない
そして、子どもは
普通、捨てられたこいぬが
道端で、泣いていれば
拾うものだ
きっと、そのいのちを
守れるのは
自分だけだと、思って
例えば、その子どもが
こいぬを、家に
連れ帰ったとする
「この子が、あの空き地で
 泣いていたんだ
 ぼくが、守ってあげないと
 きっと、死んじゃう
 だから、ぼくは
 連れて来たんだ
 飼って良いよね」
こいぬを捨てた少年は
そうして、罪を償う
そんな機会を、与えられる
そうなのかも知れない
もちろん、あの
捨ててしまったあの子の
いのちを、取り戻すことなど
出来る筈も、ないけど…

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