嬉しかった、凄く
だって、昔
あんな馬鹿にしていた
些細な、つまらない
下世話で、愚かしい
思い込みで、くだらないと
思い上がりで、していたことだ
例えば、営業職の
営業成績とか
ただの、もの売り
でも、そうじゃなかったんだよな
これで、まだ
会社に、居場所があるとか
来期の賞与金が良いとか
そんな程度のことだけど
でも、それは
我が家で、待っている
妻とか、子どもたちとか
最近は、まっしろな
こいぬ迄、いるんだ
それで、我が家に帰れば
みんなが、みんな
こいぬまで、混じって
大騒動なんだけど
結局は、みんな
口を、開けて
待っているんだ
つばめの巣の
何羽もの、子どもたちみたいにね
それで、おまえは
今は、おとうさんで
妻も、子どもたちも
こいぬも、もちろん
養わなければ、ならない
だから、それだから
おまえが、汗水垂らす
そして、なんとか
つましいかも知れない
糧を、得ること
それは、もう
馬鹿馬鹿しい
そんなことなんかじゃない
なによりも、どんなことより
掛け替えのない
ことに、なったんだ
そうだったのだと、思っている…