かんたは
こっちの家のこに、なって
しあわせな、こいぬだった
それが、不幸のビーグルに
なってしまったんだ
はっきり、言えないけど
(あの奥さんのせい)
確かに、あの奥さんは
茶髪、まっちょの
中年おばさんだから
見た目、元ヤンって
感じなんだけどね
ご主人のお巡りさんに
不良少女で、補導されて
知り合って、結婚なんて
そんな馬鹿な事は
無いはずだけど
ちょっと、想像しちゃったりして
でも、確かに奥さんも
かんたが、こいぬの頃は
凄く、可愛がっていた
だけど、お孫さんが出来て
かんたは、お払い箱状態
それで、かんたは
すっかり、寂しい
そんないぬに
なってしまったんだ
でも、やがて
いつもいないご主人が
かんたを、自由にしてやろうと
あちこち、庭を塞いで
かんたの鎖を
外してやったんだ
庭で、かんたは
放し飼いに
して貰ったんだ
多分、最初に
奥さんが、かんたを
庭に、放り出した時
ご主人は
可哀想だな、と
思ったんだろうな
押し出しの強そうな
奥さんと、違って
お巡りさんのご主人は
結構、温厚そうだからね
それで、かんたは
庭を、自由には
走り回れるようになったんだ
玄関先の駐車場から
庭を一周して
家の建物の反対側
角地の駐車場
実は、この家
息子さんのクルマ用に
敷地に、駐車場を
もう一か所、掘り込んでしまった
多分、不法
だった気が、する
まあ、お巡りさんも
色々あるんだよな
ただ、我が家に、別に
害がある訳じゃないし
どうでも、良い
とにかく、奥さんに
ネグレクトされたかんたは
庭じゅうを
無闇に、うろちょろ
するしか、ないみたいだった
ただ、庭を
大きく耕した
家庭菜園に
うっかり、踏み込めば
奥さんから
「かんっ💢」鬼の怒声だ
だから、仕方がない
かんたは、やがて
日がな一日
息子さん用の
角地の駐車場で
過ごすように
なってしまった
と、言うのも
当然、角地だから
住宅街の裏道でも
近所の人たちが
頻繁に、通るんだ
それで、みんな
かんちゃん、かんちゃんって
奥さんの怒声のおかげで
教えて貰わなくても
近所は、みんな
かんたの名前を
よく知っている
奥さんに
冷たくされてることも
だから、みんな
かんちゃん、撫で撫で
かんちゃんも
きゅんっ、きゅんっ
ぺろって、「あら、可愛い❣️」
そんな、感じだった
それで、我が家も
おばさんは
「かんちゃん❣️」って感じ
でも、ちびとの関係は
もっと、特別
その頃には
我が家のいぬは
もう、一匹だけ
あのしろい、ヤギみたいな
あの、一応、いぬは
もう、地縛霊に、なっていた
それで、かんたなんだけど
一応、それなりに
ビーグルらしい、おとこのこ
で、ちびは、おとなの
おんなと言うより
ただの、おばさん
なんだけど
意外と、🥰❤️
ちびが、お散歩で
通り掛かると
かんたが、駆け寄ってきて
駐車場の、アルミ柵から
鼻を、突き出す
ブチュッ❣️💋❤️
みたいな
あれっ❓ちびちゃん⁉️
淫交罪、大丈夫かなぁ…
あっ、もう
かんたも、おとなだもんな
でも、ちょっと不潔❓
おばさんと、若者って
それって、どうなの…
