🐕
あたしは、ひとりで、
空き地で、泣いていた
前の飼い主さんは、
抱いてくれていたけど、
この空き地に、
段ボールを置くと、
あたしを、
箱に下ろした
使い捨てのブラスチックに、
少しのごはんと、少しの水
ちょっと、アタマを、
撫でてくれたけど、
ちょっと、悲しい顔を、
してくれたけど…
そのまま、振り向いて、
走って行ってしまう
あたしは、泣いたけど、
きゅんっ、きゅんって、
振り向いてくれない
まだ、寒い、
風が強い
春のまだ浅い、
そんな晴れた日だった
きゅんっきゅんって、
一生懸命、
泣いているのに、
飼い主さんは、
戻って来ない
お母さんもいない
ぬくぬく、あったかい
喧嘩していた、
兄妹たち😽もいなくて、😽
とっても寒い
あたしは、
もっとおっきく、
きゅんっきゅんって、
声を張り上げたけど、
とっても、強い風が、
がき消してしまう
いっぱい、いっぱい、
泣いているのに、
かき消されてしまう
おっきな空き地に、
あたしは、ずっと、
ひとり…
どのくらいの時間が、
経ったのかな
ひとの声が、
近づいてくる
あっ、飼い主さんだ❗️
でも、たくさんの声…❓
見上げると、
見たこともない、
お兄ちゃんや、
お姉ちゃんたちだっ⁉️
あたしは、
凄く怖くなって、
もう枯れていた泣き声だけど、
振り絞って
ちっちゃくだけど、
きゅんっきゅんっ、
泣いてしまった
消えそうな声で…
お兄ちゃんが、ひとり
あたしを、
少し、撫でてくれる
箱に手を入れて、
あたしに、指を、
差し伸べてくれた
お兄ちゃんの指先、
あったかい
風が寒いけど、
お兄ちゃんの指先
あったかくて、
あたしは、少し、
ぺろっぺろって
そしたら、お兄ちゃんが、
あたしを、抱き上げてくれた
あったかい、
お兄ちゃんの、ほっぺた
そしたら、
他のお兄ちゃんや、お姉ちゃんが、
みんな寄って来て、
みんな、少しずつ、
撫でてくれる
みんな、少しずつ、
あったかい
風は、やっぱり、
凄く、冷たいけど、
お兄ちゃんやお姉ちゃんたちの、
その指先が、
みんな、少しずつ、
あったかくて、
あたしは、もう大丈夫
寂しくないし、
凄く、あったかい
だって、お兄ちゃんが、
凄く、強く、
あたしを、
抱きしめて、
くれるているから…
😽