自分たちの街の
ひとでは、なかったんだ
それで、かえって
褒めてくれたのかな
とにかく、自分たちが
当たり前に、思っていた
自分に、とっては
いや、友だちも
みんな、きっと
当たり前に
思っていたんだ
でも、この街は
新興住宅地で
海辺の砂丘にあるから
きっと、昔は
ひとなど住んでいない
松林や、花畑の野原が
ただ、広がっていた
それだけだったのだろう
でも、やがて
この住宅地が
どんどん、広がっていくと
その新しい街には
やっぱり、とても
凄く、新しくて
美しい名前が
つけられていったんだ
きっと、新しく住む
親たち、おとなたち
自分や友だち、子どもたち
その未来
その美しい夢
そのかけがえのない夢の
名前だったんだろう
きっと、そうして
夢を、込めて
街は
造られていったんだろう
そんな夢の名前が
溢れている
そんな街に
なっていったんだろう
でも、他の街のひとの
先生に、言われて
自分も、みんなも
子どもたちは、みんな
改めて、気づいたんだ
親たち、おとなたち
その夢
託された
自分、友だち
子どもたち
…自分は、あの
おとなたちの夢を
少しは、代わって
生きて来れたんだろうか…