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日記、日々の想い 

しろのごはん

 しろのごはんは、来たばかりは、もちろんベビーフード。やがて、歯替わりもして、ドッグフードなのだが。まあ,ビーフジャーキーや、煮干しも買ってあげた。これは、晩年迄、大好物になった。
 ただ、問題は、最初室内で、飼い始めた頃から、あった。息子たちが、食卓から、しろが欲しそうな肉類などをあげてしまうのだ。自分は、ハウツー本も、読んでいたので、ドッグフードに限ることと、食卓の食べ物は、あげないことは、きちんと守っていた。しかし、子どもたちのすることに、あまり細かく注意するのも、嫌だったので、子どもたちの食事分けは、あまり注意しなかった。少し位は、良いだろうと。
 妻とは、もちろん、夫婦で、犬の飼い方を、話し合っていたし、ハウツー本を、回し読みしていたから、お互いに、考え方は、共有していると思っていた。しかし、ごはんは、結局、妻が、しろにあげる役割になった。まあ、自分が、仕事に疲れ切っていることを理由にして、家事全般に物臭だったことが、原因。今更、反省。とにかく、妻は、しろのはごはんには、悪戦苦闘していたのだ。
 妻も、子どもたちのごはん分けには、あまり注意は、していなかった。自分と同じで、あまり細かいことを、気にする子どもにしたくない気持ちは、あったと思う。それでなくても、結構父親は、放任だから、母親の彼女自身が、まず叱らなければならなかったことがある。普通よりは、ちょっとやんちゃな息子たちを、すべて注意していたら、キリがなくなると言うことが、あっただろう。だから、息子たちのごはん分けくらいは、好きにさせたと言うことだったと思う。
 しかし、その息子たちのごはん分けを、注意しなかった妻、もちろん父親の自分も含めてだが、そのことが、妻のしろのごはんやりの悪戦苦闘の原因に、なってしまった。息子たちが、しろの欲しそうにする鳥唐とか、焼肉とかを、少しあげちゃうもんだから、しろは、すっかり美食家に、なってしまった。ドッグフードなどを出されても、食べる訳が無い。
 妻は、あれこれ考えていた。好物のジャーキーや、煮干しを、ドッグフードに混ぜる。チーズを細かく刻んで、混ぜたりしていた。すると、その好物だけを、拾い出して、食べてしまう。ドッグフードは、残したまま。色々、犬の缶詰の餌なども買ってきた。そんなのは、ジューシーな感じだし、喜んで、一瞬でパクリ。犬食い。でも、ドライなドッグフードは、なかなか手を、嫌、口を付けない。
 そうなると、結局、空腹の満たされていないしろは、人間様の食事タイムになると、食卓に近寄ってきて、子どもにねだる。挙句は、食卓に、前脚を掛けて、子どもの食べ物に、食いつこうとさえ、し始めた。さすがに、子どもも、怒って、叱るが、それが、以前書いた事件になってしまった。しろが、並外れたジャンプ力で、瞬時に、食卓に、飛び乗ってしまったのだ。例えば、食卓に前脚を掛けて、駆け上がったとか、ではなかった。跳び上がって、そのまま、食卓に、四本足で、どんと、着地していた。唖然。
 座卓ではない。椅子を使って食べる普通の高さの食卓だ。食卓の上の食器、料理を、踏みつけ、蹴散らしていた。その体格で、その運動能力。もう、室内での飼育は、諦めるしかなかった。このくらいの犬を、室内で飼おうとしたのは、無謀過ぎたのだ。言い訳をすれば、雑種の貰った犬で、父親が不明だったから、成犬になった時のサイズが分からなかったと言うことが、あった。ただ、いずれにしろ、しろのごはんやりの無節操が、この時点で、急に庭に出さなくてはならなくなった原因で、その後の貼り紙トラブルの原因の引き金に、なってしまったことは、否めなかった。
 しろを、庭に下ろしてからも、妻の、しろのごはんやりの苦闘は、続いた。とにかく、基本は、ドッグフードに、好物のビーフジャーキー、煮干し、細切れチーズを、混ぜるのだが。敵、いやしろもさるものだが、妻も、色々考えていた。ジャーキーや煮干し、チーズを、ただ混ぜる、かき混ぜるのでは無い。丹念に、交互に載せるように、混ぜていた。しろが、選ぼうとしても、うっかりドライフードも食べてしまうように。その甲斐あって、しろは、ドライフードも、かなり完食する様になっていった。
 でも、やはり、人間が弱い。室内で、飼っていた犬だから、時として、家に上がろうとする。隙を狙っている。そうなると、妻や子どもたちは、可愛くて負けることがある。父親は、厳しい。ただ、家族が入れてしまったものを、追い出せとも言えない。リビングの、しろの大好きなソファで、抱き合っていたりする訳だが。そうなると、これ食べる?とか、やっている。自分も、それにめくじら立てる程、鬼になれない。そんなちょっとしたことで、またしろは、ドライフードを食べなくなる。良く混ざっていて、好物が、拾い出せなければ、もう、食べない。弱い飼い主に、ぶりぶりぶりっ子して、ひぃ〜っ、ひぃ〜っ、泣いて。せがめば、結局、あれこれ、こっそり、ごちそうを、くれるのが分かっていた。はっきり言って、すき焼き、牛肉とか。弱い、お母さんが。役に立たない夫と、言うことを聞かない息子たちの間で、唯一甘えて、すりすりしてくれるしろには、太刀打ち出来なかったのだろう。
 YouTubeの動画検索などで、発見したのだが、大型犬を室内で、初期の我が家のような境い目の無い飼い方をしているお宅もあるようだ。そうなれば、犬は、もちろん、人間様の食事にも、口を突っ込む。大混乱。それで、家庭生活が、成り立っていれば、それで良いのだろうが。一応、ハウツー本によれば、そんな飼い方が、一番愚かな、犬の飼い方。犬と飼い主の末永い幸せな共生の為にも、犬と飼い主の間には、しっかりとした区分けをしておかなければならない。それと、犬のごはんも、ドライなドッグフードが、理想。コストも掛からないし、余計な添加物もなく、犬の健康にも良い。下手に、調味料を使った人間の食べ物を食べて、犬に変な嗜好が付かない方が良いそうです。ハウツー本によれば。我が家は、その通りには、まったく出来ませんでしたが。
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