今のおまえは、その時間に
生きている
そのことが、ちょっと
気になる
きっと、昔のおまえは
毎日、もっと
忙しなく生きていて
時間は、追われるもので
気にするものではない
そんな時もあった
そんな時の時間は
怒涛のような奔流で
揉みしだかれながら
でも、その流れに
呑みこまれないように
或いは、その流れに
追いすがり、足掻き
取り残されないように
でも、時として
流れは、突然に
流れることを、止めたり
逆流でも、するかのように
おまえを、捕らえて
時間の深みに
引き摺り込もうと
したりもしたかも、知れない
だから、時間は
激しく流れれているのに
止めどなく、おまえに
襲いかかり、のし掛かり
その向かう先は、確かにあって
おまえを、置いてきぼりに
したりもするのに
常に、繰り返し繰り返し
おまえを、翻弄し尽くしていた
おまえは、いつもいつも
時間が、もっと
欲しくて欲しくて
おまえの時間が、きっと必ず
儚くて、短いと思っていたのに
時々には、もう
時間は、要らないと
思うことさえ、あった
でも、今のおまえには
その生きている時間は
緩やかに、穏やかに
流れていく
ただ、ふと気づくと
その流れの行く末
その流れの途絶える
その虚無の崖は
みるみると、迫っているのだ