よく、あの子を捨てた
そんな話を、繰り返し
時々だけど、書いている
どうして、そうなるかな
もう、あの子を捨てたのは
遥かな昔で
おまえの子どもの頃
今のおまえは
もう、老いさらばえている
あれから、色々
他人に傷つけられ
いや、それ以上に
他人を傷つけて
他人波に、揉まれて
いや、他人波のひとりとして
きっと、他人をもみしだいた
そんな果ての
様々な痛みの果てに
あの子が、またいて
おまえは、思い返す
あの時、あの子を捨てた
あの時の痛みなど
ちっとも、たいした痛みじゃない
しろやちびも
きっと、あの子の生まれ変わり
だから、贖罪も果たした
そう、思い直そうとする
その度、その思い直しの果て
必ず、また
あの子と、捨てたことの痛み
その事が、よみがえる
何でだろうな
いや、分かってはいる
多分ね
おまえが、初めて
おまえが、しっかり
こころを通い合わせた
その筈のいのちを
捨てた罪
きっと、何度も繰り返した
おまえの冷血を、決めた
その罪の深い闇
その罪を、初めて犯した
いや、その罪に
初めて気づいた時
そうだったからだ