来なくなった
時間を、追っても
行かなくなった
そんなおまえの
生きている、この景色は
まるで、澱んでいる
でも、ふと気づくと
時間は、やっぱり
静かに、澱むことなく
さらさらと、流れている
更に、こうして
無為に、立ち尽くした
そう思っていたおまえも
知らず、その時間の
流れに、身を委ねている
そして、その
時間には、澱みはなく
ただ静かで、緩やかで
虚ろなおまえは
ただ、揺蕩うようだ
今は、そんな時間も
息つくも間もなかった
あの頃のおまえには
追っても、追いつけない
激しい奔流で
でも、時として
澱んでしまえば
おまえは、囚われて
ただ、虚しく
足掻くしかなかった…
いまのおまえは
このリビングのソファに
ぼんやりと
ただ、寝そべっている
ガラス戸から、差し込む
日差しは、少し弱い
身近には、なんにも
音はない
遠くに、ひとの喊声
そうだな、こんな時でも
やっぱり、音もなく
時間は、ただ
流れているんだろう…