通り一遍の、良識とやらの
教えのごたくを
投げ掛けられたとして
怒りや、憎しみを
ただ、我慢してきた
それしか出来なかった
自分には、とても
怒りや憎しみの
負の感情を、正の感情へと
切り替えるような
器用な芸当など
到底、出来ないから
こころのうちで
なんとか、抑え込み
力づく、揉み潰して
どうにか、消え去ってくれと
願うことしか
出来なかったんだ
とにかく、良識とやらに
ただ、従うとなれば
際限なく、湧き上がる
怒りや憎しみを
ただ、抑えるしかなくて
ひたすら、抑え込んで
揉み潰すようにして
消え去ってくれれば良い
そんな努力を、するしか
自分には、出来ないのだから
ただ、そうなると
湧き上がってきて
止めどもない
怒りや、憎しみを
抑え込み、揉み潰し
消え去ることを、願う時には
まだ、怒りや憎しみは
消え去ることもないまま
こころの中で
血塗れの刃と変わり
こころのうちを、傷つけ
傷だらけにして
こころ、そのものを
切り裂き、切り刻む
そんな暴走は
止めどなく、続くんだ
ただ、自分は
こころが、切り刻まれたら
そのこころが
怒りや憎しみに、塗れて
その怒りや憎しみ、そのものに
生まれ変わろうとする
その時を、目の前にすれば
そのすべてを、吹っ切り
怒りや、憎しみだけを
ただ、そのままに
吐き出していたんだ
でも、それを相手に
ぶつけて、叩きつけて
さすがに、随分
返り討ちの痛い思いを
何度も、繰り返して
もちろん、そこまで
愚かでもないから
愚かでもないから
多少は、生き残りの
ずる賢い知恵も、覚えた
そんな時には
かえって、すっかり
意識を、凍りつかせて
その凍ったままに
冷静に、酷薄に
陰湿に、執拗に
怒り、憎しみを
じわじわと、吐き出す
そんな術も身につけて
そうすることで
怒りや、憎しみの
対象を、遠ざける
いや、排除する
そうなれば
怒りや、憎しみを
すべてを、吐き尽くさなくても
残った怒りや、憎しみを
抑え込み、揉み潰す
すると、自然と
何もかもが
ただ、消え失せていたんだ
きっと、そんな風で
ここまで
生きてこれたのかな…