こうして、痛い
あの子を捨てた
その罪の記憶が
痛いだけではない
あの子を諦め切れない
そんなおまえは
その翌日に、また
取り返しのつかない罪の
上塗りをした
最初から、拭えない
そんな罪だったけど
その罪を、翌日も繰り返して
罪にどっぷり浸かった
おまえ
おまえに捨てられて
置き去りにされた
こいぬの悲痛な泣き声は
こいぬたちの泣き声になり
おまえの一生に
纏わりついたのだろうか
いや、違う
もちろん、分かっている
おまえは、ただ罪で
いつも、罪を犯して
贖おうとして
また、それが罪になる
いや、誤魔化そうとして
分かっていて
また、罪を犯す
そんな事を、繰り返す
繰り返して、生きている
生きて来た
その記憶を
あのこいぬたちの
泣き声に象徴させて
悔やんでいる
と言う事の程でもない
ぼんやり
痛い
時々、うずく