時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

元赤坂の憂鬱

2019年06月01日 | 時のつれづれ・水無月

多摩爺の「時のつれづれ(水無月の1)」
元赤坂の憂鬱

令和という時代が始まって早や一か月が経った。
新天皇への代替わりは、皇位継承権を持つ皇族が1人減ったということであって、
いよいよ・・・ 皇統の保持や、女性宮家の創設について、
公に議論することが避けて通れなくなった。

マスコミ各社が最近行った世論調査によれば、父方の系統に天皇がいない「女系天皇」や、
女性皇族が結婚後も皇室に残って活動する「女性宮家」の創設について7割前後の支持がある。
それはそれで良いと思うが、
一方で「女性天皇」と「女系天皇」の違いを本当に理解しているのだろうか?

申し訳ないが・・・ もう一つの世論調査を見る限り、
このアンケート結果には、大きな矛盾があると言わざる得ない。

もう一つの世論調査とは、今後の展望が見えなくなってしまった、
秋篠宮家の内親王・眞子さまのご結婚についてである。

既に一度発表された婚約のスケジュールが延期されたなか、弁護士資格を取るため、
世間の視線から逃げるようにアメリカに渡ったフィアンセ(親)の金銭貸借問題について、
多くの「女性天皇」や「女性宮家」を容認する声とは裏腹に、厳しい声が絶えないばかりか、
週刊誌やワイドショーから、格好のゴシップネタとしてカモにされている。

何故・・・ 二つのアンケート結果が矛盾しているのか?
その解は極めて明快で、「女性宮家が」容認されると、眞子さまは皇族に残り、
その夫もまた皇族となることから、
必然的に税金で皇族費が支払われ、「◯◯さま」や「◯◯殿下」との敬称でお呼びすることになる。
ようはこのことを、国民がこれを素直に受け入れることが出来るのかということじゃなかろうか。

アンケートどおりなら「問題なし。」、「親の借金だから関係ない。」ということになるが、
現実的には「それはそれ、これはこれ」といった、
もう一つのアンケート結果が屁理屈としてまかりとおり、
週刊誌やワイドショーに加えて、巷のご意見番や野次馬などが次々に声を上げ、
益々世間をざわつかせることになるだろう。

さらに・・・ ややこしくなるのは「女系・女系天皇」が容認された場合だ。
皇室典範によると、第1条に皇位は皇統に属する男系の男子が継承するとあり、
第2条には、その順位が明記されているが、
平たく言えば男系の男子で血縁関係が濃い順番になっているが、
これを男系男子の場合と、女系天皇を容認した場合に区分して皇位継承を示すと下記の通りとなる。

[男系男子の場合]
 1位 秋篠宮文仁親王  53歳 皇弟  (明仁上皇・第2男子)
 2位 〃  悠仁親王  12歳 皇甥  (秋篠宮文仁親王・第1男子)
 3位 常陸宮正仁親王  83歳 皇叔父 (昭和天皇・第2男子)
 ポイント → 常陸宮さまを最後に皇位継承は途絶えてしまう。

[男系女性(女性天皇)の場合]
 1位 敬宮愛子内親王  17歳 皇長子 (今上天皇・第1女子)
 2位 秋篠宮文仁親王  53歳 皇弟  (明仁上皇・第2男子) 
 3位  〃 眞子内親王 27歳 皇姪  (秋篠宮文仁親王・第1女子)
 4位  〃 佳子内親王 24歳 皇姪  ( 〃 文仁親王・第2女子)
 5位  〃 悠仁親王  12歳 皇甥  ( 〃 文仁親王・第1男子)
 6位 常陸宮正仁親王  83歳 皇叔父 (昭和天皇・第2男子)
 ポイント → 愛子さまが皇位を継承しても、お子様は女系となるので皇位継承は不可で、
        改めて男系男子の順で継承年齢的なことを考慮すると、
        悠仁さまが結婚されて男子が生まれない限り皇位継承は途絶えてしまう。
        三笠宮彬子さま、三笠宮瑶子さま、高円宮承子さまは、
        後継に男系男子がいないことから対象外とした。

[女系天皇の場合]
 1位 敬宮愛子内親王  17歳 皇長子 (今上天皇・第1女子)
 2位 秋篠宮文仁親王  53歳 皇弟  (明仁上皇・第2男子) 

 3位  〃 眞子内親王 27歳 皇姪  (秋篠宮文仁親王・第1女子)
 4位  〃 佳子内親王 24歳 皇姪  ( 〃 文仁親王・第2女子)
 5位  〃 悠仁親王  12歳 皇甥  ( 〃 文仁親王・第1男子)
 6位 常陸宮正仁親王  83歳 皇叔父 (昭和天皇・第2男子)
 7位 三笠宮彬子女王  37歳 皇再従妹(※1 三笠宮寛仁親王・第1女子)
 8位  〃 瑶子女王  35歳 皇再従妹(※1  〃 寛仁親王・第2女子)
 9位 高円宮承子女王  33歳 皇再従妹(※2 高円宮宣仁親王・第1女子)
  ※1 三笠宮寛仁親王は、大正天皇の第4男子・三笠宮崇仁親王の第1男子
  ※2 高円宮宣仁親王は、大正天皇の第4男子・三笠宮崇仁親王の第3男子

女性天皇の場合は、愛子さまが皇位を継承するか否かで、
歴史的に見ても事例があることから可能性は高いと思われるが、
女系天皇となると、
英国王室と同様に長子優先になり、愛子さまが結婚されてお子様が出来ると、
皇位継承順位の2位は、秋篠宮さまから愛子さまのお子様に移り、
男女の区別なく長子から順に皇位継承者となってくる。

それはそれで一つの方向性であり、議論した結果であれば納得しようがしまいが認めるべきだが、
気になるのは、愛子さまに皇位を継承できないような出来事が生じた場合や、
お子様が出来なかった場合、2位の秋篠宮さまが皇位を継承したあとは、
第3位の眞子さまが皇位を継承されることになり、金銭問題で世間を騒がせた眞子さまの夫が、
果たして国民の象徴の配偶者として相応しいか否かという、
皇族の威厳に関わる心情的な難題が再び出てくる。

個人的には、特例で愛子さまに限って女性天皇として容認し、
その後は悠仁さまのお子様に期待をかけるとともに、旧宮家のなかにいる未婚の男子を、
跡継ぎがいない現宮家(常陸宮家・三笠宮家・高円宮家)の養子に迎え、
悠仁さまに次ぐ皇位継承者として、リスク回避を行うという案では如何なものかと思っている。

もし、旧宮家からの養子を迎えるといった案が可能であれば、皇位継承の順位は、
秋篠宮さま、悠仁さまの次になることから、現在の皇位継承順位に影響を与えることもなく、
お子様が誕生すれば、現行の宮家も存続することから、女性宮家について検討する必要もなくなる。
そのうえで、現在のご公務そのものを選別して、止めたり、
大胆に減らしたりするという方向で検討する必要もあるだろう。

要するに緊急避難的な女性天皇を認めつつ、男系男子を継続する方が良い派なんだが、
その理由は、先の大戦から一つの区切りとなる100年が過ぎてないことにある。

抽象的だが、戦前までの我が国で天皇陛下は神(現人神)であり、君主であり、国民は臣下であった。
男系男子の皇統を守り、現人神のために命を落とした多くの先人がいることを踏まえると、
先の大戦を経験した方々がご存命である間は・・・ 男系男子に拘りたい。

古い奴だと思われるかも知れないが、私はギリギリまで男系男子に拘りたい。
日の丸弁当を食って飢えを凌いだ世代、
脱脂粉乳で栄養を補給した世代が逝ったころ(約30年後)には、
また新しい価値観と想像力で議論が出来るんじゃなかろうか?
無責任かもしれないが、その時代になれば私のような拘りを持つ人間も少数派になっているだろう。

官房長官のコメントによれば、
直ぐにでも「女性・女系天皇」や「女性宮家」の在り方について議論が始まるように見えたが、
おそらく秋に予定されている、天皇陛下の即位を披露する「祝賀御列の儀」が終わってから始まる。

いずれにしても「どうする。こうする。」は、憲法により政治の手のひらに置かれていることから、
一般国民は決まったことに納得し、追認するしかないのだが、
そろそろ、元赤坂を取り巻く憂鬱を、スッキリさせて欲しいと願ってやまない。

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