多摩爺の「時のつれづれ(水無月の31)」
ヒューマンエラーの捉え方
デジタル化担当大臣が記者会見し、マイナンバーシステムへの、個人口座登録について、
本人ではない家族の名義が13万件登録されていると発表した。
この発表を受けて・・・ 野党やメディアは、マイナンバーカードシステム全体の不備として、
蜂の巣を突いたように大騒ぎし・・・ こぞって、政府を攻め立て始めた。
ちょっとまってくれ。
これはこれで大問題であるし、そのことはしっかりしてほしいと思うが、
だからといって・・・ これが原因で、とんでもない件数の誤支給が行われたわけではないし、
制度的な問題や、システム的な問題があって、このような事象が起こったわけでもない。
そりゃそうだろう。
マイナンバーカードと個人口座の紐付けは、本人が暗証番号を入力してシステムにログインし、
自らの意思をもって、故意に・・・ 本人とは違う口座名義を登録しているのである。
これによって、事件や事故が起こり、多額の公金が誤った口座に流出したなら大問題だが、
そんなことがあったという話しは・・・ 聞こえてこない。
別に政府の肩を持つつもりはないが、
13万の誤投入があったということに過剰反応し、ヒューマンエラーを盛りすぎてはないだろうか?
他人の名義が登録できること自体は、ハッキリ言ってシステム設計上の落とし穴に嵌まったと思うが、
きっと、そこには、登録する本人が、わざわざ他人の名義を登録することはないという性善説と、
システム内で、本人と口座名義が照合されてなかった(できなかった)との不備が重なったものだが、
実際の公金振り込みに関しては、本人と口座名義が違っているとストップがかかるとのことだから、
誤登録した方は、公金の振り込みや還付が遅れるだけで・・・ その他の影響があるとは思えない。
メディアは挙って、誤登録があったとは言うものの・・・ 誤登録を行ったのは、
パスワードを入力して、システムにアクセスした本人であり、名義人以外の第三者ではない。
子どもや家族の口座を、家族の誰か一人に集約することはNGだとの周知や広報が、
甘いと言えば、確かにその通りだが、
だからといって、家族の誰かに集約しても構わないとは・・・ どこにも書いてない。
なにが言いたいのかと言えば、周知や広報が親切でなかったことは事実なんだろうが、
家族とはいえ、他人名義の口座に振り込まれると、本人が勝手に解釈して誤登録しただけである。
さらに・・・ 誤振り込みがあったわけじゃないので、本人名義の口座に変更すれば良いだけで、
誤登録という、ヒューマンエラーはあったが、
誤振り込みという、あってはならないシステムエラーがあったわけではない。
13万件も誤登録があったという・・・ 件数だけにフォーカスすれば、
ドキッとしてしまうが、それは誤登録した本人への振り込みや還付が遅れるだけであって、
キツい言い方になって、大変申し訳ないと思うが、
本人と家族以外は・・・ 誰も困らないし、誰にも迷惑はかからない。
また、健康保険証とマイナカードシステムとの紐付けでも、誤登録がけっこう出ているが、
これもまた、登録時にログアウトしないまま登録したことから、
他人(ログアウトしてない人)の紐付けデータを上書きしてしまった、
ヒューマンエラーだということも分かっている。
ここで一つ気になるのは、紐付けデータを登録するに当たって、
本人がカード情報を読み込ませ、パスワードを入力してシステムにログインすることになってるが、
本来ならカードを読み込み、パスワードを入力して、システムにログインした時点で、
本人専用の登録画面に切り替わっているはずで、
入力した情報が、前の人のデータを上書きするということが・・・ 私には理解できない。
早い話が、ログアウトされてなくても、次の人がログインすれば、
前の人のデータが、システムに正常に処理されているかどうかまではわからないが、
普通に考えれば新たにカードを読み込ませ、パスワードを入力した時点で、
本人の画面になってるはずで、前の人の画面を引きずっていることは考えられない。
よって、勝手な推測をすれば・・・ 前の人が入力を完了した後、
自動的に切り替わった初期画面に向かって、カードの読み込みと、パスワードを入力することなく、
いきなり、紐付け作業を始めたのではないかと思っている。
とはいえ・・・ これもまた、ヒューマンエラーである。
まずは、スマートフォンにマイナポータルのアプリをダウンロードし、
マイナンバーカードを読み込ませ、パスワードを入力して、自分の紐付け情報を確認することである。
専用の機器がなくても簡単にできるので、まずは自分の情報を確認することをお薦めしたい。
1日でも早く・・・ 誤登録の修正をすべきだが、
その上で、マイナ保険証の本格運用が来年の秋というのであれば、
本格運用されるまでは、マイナ保険証を初めて使うときに限り、
現行の健康保険証を忘れずに持っていけば良いだけであり、対処策が全くないわけではない。
野党やメディアは・・・ 拙速にものごとを進めすぎており、
一旦立ち止まるべきであるとしているが・・・ ならば問いたい。
私が最も気になり、残念で堪らないのは・・・ この国は、1年という時間の猶予がありながら、
ヒューマンエラーに対処できないぐらい、パワーに欠けた情けない国なのか?
一から全てを作り直さなきゃ、どうしようもできないような、システムエラーならいざしらず、
紐付けミスといった、極めてイージーなヒューマンエラーである。
この国の国力というか、地力というか
民度を含めたヒューマンパワーが・・・ その程度のものなら致し方ないが、
1年も先のことに、いまからギブアップせねばならないのかと思うと、
さすがに、それはないんじゃないかと思うが・・・ 如何なものだろうか?
メディアと野党が不安を煽ると、この国の国民はいとも簡単に誘引され、
残念ながら、自ら考えることを止め、あっという間に同調圧力に屈してしまう。
それで良いんだろうか?
この期に及んで、政府に信頼がないからという観念論で物申すコメンテーターもいる。
とはいえ、現実をみてみれば、足を引っ張ってるのは政府(制度やシステム)ではなく、
データベースの構築時に起こっている、自治体や健保組合での登録ミスや、
さらには口座情報を都合良く解釈して、自分で自分の首を締めてしまったヒューマンエラーである。
個人的にはマイナ保険証は大賛成で、
マイナンバーをキーにして、各クリニックにある診察、診療に関わる記録(カルテ)が、
ネットワークによって一元化されれば、全国の医師が同じ情報を見て対応することができるし、
クリニックの先生が、煩わしい紹介状を総合病院の先生に向けて書く手間も省けるだろう。
情報共有と、迅速な対応が必須の医療の分野においては、
普通に考えれば、なんの違和感もない当たり前のことが、
ようやく、ホントにようやく・・・ 当たり前になるのではなかろうか?
主管する官庁の報告によれば、紐付けのほとんどはキチンと登録されており、
こういった例えが適切かどうかは、個々人の判断になるが、
誤って登録されたのは13万件の口座情報を除けば、その他は驚くほどの数値ではなく、
13万件にしても、これが他人に迷惑をかけることも、現時点では考えられない。
そのように捉えれば、誤登録の修正に1年をかけても無理なら、いったい何日が必要なんだろうか?
メディアや野党は、一旦立ち止まるなんて曖昧にことは言わず、まずそれを示すべきであって、
それを示すことなく、イタズラに不安を煽るのは、
IT化が進む世界から、遅れを取っても良いということになるが、
もしそれが目的だったら・・・ あまりにも残念だし、情けないにも程がある。
私が楽観的なのかもしれないが、来夏になっても、環境が落ち着いてなければ、
マイナ保険証の本格的な運用を、もう半年延ばせば良いだけである。
誤登録の原因が、ヒューマンエラーであると分かったんだから・・・ あとは時間が解決してくれる。
別に政府の肩を持ちたいわけじゃないが、
ヒューマンエラーの多さに不満があるのは・・・ 尤もだと思うが、
一方で目標とすべき時期を決め、それに向けて仕事を進めるのもまた当然のことである。
そう捉えれば・・・ ヒューマンエラーが多すぎると、騒ぎ立てるよりも、
1年も時間があるにも拘わらず、対処できないと思い込み、不安視することの方が、
むしろ大問題だと思うが・・・ 如何なものだろうか?
最も気をつけなきゃならないことは、
野党やメディアなどの、言葉巧みな誘因によって・・・ 思考が病んでしまい、
健全な判断が出来なくなってしまうことではなかろうか?
追伸
いささか講釈が過ぎてしまったが、記したことは、あくまでも個人的な思いであって、
本件について議論するつもりはないので、コメントについてはご容赦願いたい。
さて、記事更新に牛歩です。
以上
参考にしていただき、ありがとうございました。
気になる点は、次の2つです。分けて考えた方が良い気がします。
①銀行口座の紐付けは誰が入力したのか?
僕の場合は役所に出かけて入力は全て係員にお願いしました。なので、入力後の内容を自分で確認して終了です。
間違いがあったとすれば自分自身でミスを発見できなかったのが原因だと思います。
しかし、無知な僕の様な人はチェックはいい加減で再度見直しはしていません。
初めて知ったのがマイナポータルです。このシステムは初耳です。
もしも、大々的に拡散していればほぼ問題がなかったかと思われます。
②保険証の紐づけは個人が全くタッチしていない。ですから個人で防御及びチェックは物理的に無理です。
では、誰が入力したのか?この点が不明瞭で分かり難い。直接の責任所在は誰か?
想像すると、役所➡保険組合、このような状態での個人情報はどう対処したのか?
もしもデーターを渡し、保険組合に委託したとすれば個人情報は保険組合に流出です。
或いは、サイトにアクセスする権限を組合に委託したのであれば個人情報は民間に流れた?
ここで問題なのは個人情報の管理は万全か?一般庶民が考えるのは、やはり民間よりお役所の信頼性が高いと思われる?
なので、民間に丸投げが正しかったのかどうかだと思います。また、他に方法がなかったか?
入力ミスは当然に発生しますがそれをどう回避する仕組みがあったのか?これが脆弱?
何れにしても、誤入力があったのは事実ですからこれをいかに迅速に修正するか?
要は、修正は誰がやるか?ダブルチェックはどうするのかを明確に公表しないとどこに問題があって誰に責任があるのかを明らかにしないと意味不明です。
しかしです、「単なる入力ミス」ですから難しく考える必要もありません。ミスが無ければ問題とならないことですから、これだけ日本人は仕事に対しての劣化が起きているのか?
これは大問題です。昔人間からすると、呆気にとられて笑うしかないのが情けないと思います。
この程度の仕事が出来ない様では安心して前に進めない。要は、人材育成が全く出来ていないのは残念です。他国ではどう対処しているのか?この勉強不足は許せない気がします。
コメントを頂戴しありがとうございました。
ヒューマンエラーは、ないに越したことはありませんが、それをなくすことは不可能だと思っています。
とはいえ、自らそれを確認できることができるのに、確認しないのも如何なものかと思っています。
この国の国民は、いつのころからか、なにかにつけて政治が悪いのひと言で片付け、他責にすることで自己満足するようになりました。
仰ってる、この国の劣化とは、そのことではないでしょうか?
自分のことは自分でする。
小さいときに言われていたことが、いつしか忘れ去れれてしまい、
子どもと高齢者を除けば、自分のことは自分で守れるのに、それすら放棄しているように思えます。
仰ってるとおり・・・ 人材の育成(教育)が肝要だと思います。