写真は、ごみ箱とわたしです。笑
作品と商品?何が違うの?
聞かれることが多いので
こちらで簡単に書かせてください♪
一言で言うなれば、
産業工芸としてのプロダクトと
美術工芸としてのプロダクトの違いかと思います。
これは工芸によって変わりますし、
場面によって変わりますが、
ハイブランドファッションブランドのプレタポルテとオートクチュール、
市販の実際に着るお洋服との違いなどと近いかもしれません。
パリコレのファッションショーの服か、
そのパリコレ服から着想を得て普段着に落とし込んだ服か。というイメージです。
(わたしの場合は。)
例えば、ガラス作家さんは、
食器としてのグラスも作るし
作品として出品するグラスも作るかと思います。
そもそも飲むためなど日用には使えない美術要素の強いガラス作品もあるでしょう。
例えば、陶芸作家さんは、
お茶碗など歴史的に日用品を作ってきた経緯があることと、
そのお茶碗に価値を持たせた歴史もあり、
同じお茶碗でも商品も作品も両方あります。
どちらも〈売っている〉という意味では、両方とも商品という言い方にもなります。
どちらも〈熱意と技術をこめて制作した〉という意味では、両方とも作品という言い方もできるかもしれません。
このへんは言葉選びの問題もあるのかもしれません。
ほかにも例えば、
竹箸や包丁など、使うことに特化した工芸もあります。
お箸は作品として並ぶことは少ないかと思います。
日用品として、使っていただくこと前提で販売されることが多いでしょう。
例えば、
おなじ凛九の伊勢型紙職人の那須さんは、着物を染める道具を作る職人です。
最終製品ですらありません。それはそれは美術品のように美しいですが、カテゴライズとしては道具です。
こうして見ると、どれも色んな価格帯や用途、
見せ方や歴史的背景があるのをわかって頂けるかと思います。
そしてそのどれもがわたしは大好きです。
そう、どれも大好きです。
作品、商品、価格帯、歴史的背景、
どれも色々ですが、その色々が優劣があるわけでなく、どれも素晴らしいのです。
ちなみに我が家の
田村七宝工芸の尾張七宝・七宝焼は、宝飾工芸です。
それは歴史的背景としても材料的にも宝飾品として発展してきた経緯があるからです。
伝統工芸展など公募展、美術館やギャラリー展示用につくる作品(パリコレ的な)もあれば、そこから商品として落とし込んだ商品としての作品もあります。企業さんとコラボレートいただき企画として作る作品もあるし、わけのわからないものも作ってみたりします。
とくに我が家の場合は作家性が強いものをつくるので、
より宝飾品としての側面が大きいです。
そして我が家の場合は、
全てにおいて「宝飾品としての歴史、素材の魅力」を前提に作品や商品を制作アウトプットしています。
が、七宝はジャンル名がごとく、そのアウトプットが幅広いので、
人様によってはお皿を作る方もいれば、カジュアルに七宝要素を使う方もいれば、
大きな作品の一部分の着色に七宝釉薬を使うかたもいます。
ただ、伝統的工芸品としてみなさんが「伝統工芸!七宝!」と言ってくださるものは、
厳密に言うと経済産業省(国)に認められている技法や工程などをふんで制作したものを指します。
ちなみにその工程を踏んで作ったものを正式には「尾張七宝」と言います。
ちなみにその工程を踏んで作ったものを正式には「尾張七宝」と言います。
我が家は七宝町でその工程を踏んで制作をしているので尾張七宝の窯元です。
基本的には尾張七宝とう呼ばれる品を作っています。
ただ、この工程を踏んでいない品もあるため、それは七宝です。
尾張七宝と呼んで良いか否か・・・は、
もうめんどうなので全部「七宝」として売っています。笑
このへんは語りだすと止まらないので・・今日は深堀りしません。
説明むつかしいな、、(´-ω-`)
そしてもうひとつ。
技量をつめこみ挑戦をした美術品としての七宝を作りアウトプットすることと、
産業として経済的にまわせるような七宝商品をアウトプットすること、
両方大事で、両方やっていく必要があるということです。わたしは両方やる。
これは、
アーティストになりたいのか?
経営者になりたいのか?
に近いかもしれません。
経済、経営の先輩がたには
「どちらか選べ。両方はむりだ」
と言われます。
ぬぬぬ!でございます。
まだなにもなし得てませんが、わたし両方やってやるぞと燃えているのです。
大切なものを守るためには、むちゃしたいのです。
長くなりましたが、
今後ともよろしくおねがいいたします!
いつかのわたし。