暑い日は続きますが、秋も感じられるようになりました。
お月見というイベントが好きで、
秋が近づくと夏が終わる寂しさもありますが同時にわくわくもします。
今日は、七宝釉薬の秘密について。
よく、絵の具で塗っているのか?
と思われますが、
実はクリスタルガラスを砂状にしたものをのせていっております。
釉薬をさす といいます。
塗るというよりは乗せていくイメージです。
こうしてゴリゴリと細かくしていきます。
この粉砕するときの音がとても好きで。
シャリシャリとゴリゴリの間の音なのですが、おすすめの音です。笑
なにが大変かというと、
この釉薬をつくる作業。
もはや化学。
水彩絵の具のように混ぜることができたらとても楽なのですが、
ガラスの粒なのでそうはいかず、
たくさんの手間をかけないと完成しません。
グラデーション状にのせたいときは、
白・ちょっとピンクな白・少しピンクな白・ピンク・ちょっと濃いピンク・割と濃いピンク・ほぼ赤・赤
といったかたちで、上記7色を作ってから
色を載せ分けていくことでグラデーションにみせます。
この富士山のグラデなんかそうです。
白から赤に向かってグラデーションになっていますが、
7色を置き分けてグラデにみせているのです。
すべてがこのようなかたちで、
たくさんの絵の具作りからはじまります。
この目に見えない部分、実は手間がかかる部分が工芸にはとても多く、
きっと七宝に限らずほかの皆さんもそうかと思います。
材料準備、道具作り、環境整備から始まるのが、
見えない部分であり一番手間や技術が出るところな気がしています。
(わたしはまだまだ勉強中です)
そしてこの準備部分は、地味なんですよねー!!
はたから見ると違いがわからなかったり、
なんのためのものかよくわからなかったり。
たまにですが、
「七宝ってつまり、乗せて焼くだけでしょ?」
と言われることがあります。
それは、本当にかいつまんだ一部だということを言いたい・・・
でも、「こんな苦労して作ったんだよ!!」って言うのも野暮なのか?と、
なんて返答しようか迷うときもありますが、
でもやはり、工程ごとの面白さ、準備部分の興味深さもあるので、
少しづつ小出しに説明させていただいたり、
こうしてSNSに書かせていただいたりします。
手間が多ければいいってものでもありませんが、
面白みはそこかしこにあるので、
楽しんでいただけたらいいなあ♪ と思います。