それを消費者の皆様や畳店の皆様(業界)にも伝えたいと思います。
今、国産畳は危機に瀕しております。
昨年の震災の影響から国産畳表は今まで経験した事の無い価格の高騰、品不足が続いております。
しかし、国産畳表の価格はこういった値段が本来の価格で無いといけないという意見もあります。
(中国産が安いため、必然的に国産畳表も安値になり、それにより作付けを止めてしまう農家さんが多くなってしまった為)
国産畳表の95%以上を生産しているのが熊本県(八代、宇城地区)です。
平成元年には5,000軒以上あったイグサ農家さんも今年は600軒を下回り、9割以上の農家さんが辞めております。
全国で8,000軒以上あった農家さんも今では700軒を下回っています。
昔畳表は広島・岡山が有名でしたが、今ではイグサ(畳表)の作付けは殆んど無く、国産畳表の最高級品を作っている広島(備後表)の農家さんは今年2軒だそうです。
最近流行りの琉球畳(カヤツリ草、七島表)に至っては99%が中国産です。
昨年実演を頼まれたジャパンホームショーでお会いした琉球表(大分県)の生産者の方に話を伺うと今では5軒の生産農家さんのみだそうです。
福岡の生産農家さんも約30軒だそうです。
昔、当たり前に有った物が凄いスピードで無くなっています。
ワラ畳に関してもそうです。
国産畳表の減少の要因として生活様式の変化(和室が少なくなり畳の需要が減った)中国産畳表(安価)の台頭、生産者の高齢化・後継者不足による廃業(1年間を鰍ッ生産する畳表ですが自然の農産物で天候などに左右され、大変な労力にも収入が伴わない為、作付けを止めたり、跡を継がない)が挙げられます。
生産をするには生活できるだけの収入が伴わないともちろん誰もやらないと思います。
少しでも安く値段だけで競争しては畳業界にも先がありません。
本来、日本にしかない畳ですが、なぜ中国産の畳表があるのか?
最初は商社が日本のイグサの苗を送り、栽狽ウせ畳表を織り、こちらに輸入し利益を得る為に始めた事なのです。
全国で出回る畳表の年間出荷枚数が約1,200万畳といわれ、そのうち約300万畳が国産畳表です。
今では全国で出回っている約8割が中国産なのです。
中国産の畳表、全てが悪いとは言いません。
ただ、畳屋なら国産畳を推奨して頂きたいのです。
今は価格競争だけに走り、安いチラシを作り、目先の利益だけを追求している素人業者や中には国産畳表を軽視する畳店もいる事は否めません。
それが続く以上、この先10年、国産畳表を扱える畳屋も限られてくるかもしれません。
もしそうなった場合、畳がどの家庭でも気軽に出来る物でなく、高値の文化財などになってしまったら、この業界は本当に終わりです。
中堅の畳職人である我々には非常に脅威で恐いものです。
どんなにイグサ農家さんや副資材料屋さん、ワラ畳などを作る製畳屋さんが頑張って良いものを作っても最終的に一般消費者に接する畳店がお客様に伝えない限り、支えて頂いている業界の方の努力が報われません。
ですので我々【畳屋】が国産畳表やワラ畳などをなるべく使い、金額に見合った品物、仕事をきちんとし、お客様にも品物の違いを説明し、国産の畳に拘る。
それが【畳屋】の責任、務めだと思います。
そして畳屋も消費者の皆様に喜ばれるよう品物に見合った価格設定をしなければなりません。
今はお客様(消費者)の方も安全安心な国産畳を求める事が普通です。
当店でお世話になる方で中国産を指定するお客様は居りません。
また、説明すれば大抵のお客様が中級以上の品物を選んで頂けます。
素人業者のように国産を使ったから高値を取るでは、信用も無くしますし、益々この業界が悪い方向に進んでしまいます。
畳は日本の文化です。
いつまでも皆が使用できる畳であるよう、畳業界がお客様に国産畳の良さを伝えていく事がこの業界に携わる全ての関係者の未来にも繫がるがるものと思います。
消費者の皆様も《国産の畳で》との御注文を引き続き宜しくお願い申し上げます。
当店も出来る限り、お客様に喜んで頂ける品物、価格、仕事に努力していきたいと思っております。
コメント一覧
畳刺 父ちゃん
TTMクラブ 浜田賢司
畳刺 父ちゃん
畳刺 父ちゃん
aoyagitatamiten
hei-soda
畳刺 父ちゃん
畳刺 父ちゃん
sugitatami
畳職人でございます。
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