「大井追っかけ音次郎〜青春編〜」、「北荒野」から「花の渡り鳥」「浅草人情」「箱根八里の半次郎」と続き、7曲目が三波春夫さんの名曲「雪の渡り鳥」でした。
https://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCP-31460.html
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/57629/
股旅ものや時代ものの演歌に登場する人物には、大きく分けて3種類あるように思います。
ひとつは、「箱根八里の半次郎」や「大井追っかけ音次郎」のように、その曲のためにオリジナルで創作された人物。
もうひとつは、「番場の忠太郎」や「一本刀土俵入り」のような原作ものの中の登場人物。
もうひとつは「大利根無情」の平手造酒や「旅姿三人男」の清水次郎長一家のように実在した人物です。
「雪の渡り鳥」は長谷川伸さんの同名の戯曲が原作ですが、このタイトルや主人公の名前から取った「鯉名の銀平」のタイトルで、無声映画時代から何度も映像化されていたようです。戦前からの長い間、多くの人に愛されたストーリーだったんでしょうね。
Kiinaは長良会長のオーディションを受けた時にこの曲を思いっきり大きな声で歌ったんでしたね。そして、病床にあった三波さんが「氷川君なら」と特別にレコーディングを許可してしてくださったと(亡くなられたのは2001年4月14日です)。
このアルバムでも、Kiinaは伸び伸びと自信を持って歌っていますね。
特に「帰る瀬もない」から「伊豆の下田の」の流れの部分は惚れ惚れします。声は若いけれど、細部まで本当に上手です。
創唱者の三波春夫さんの歌い方は、たとえヤクザを主人公にしていても背筋がピンと伸びて常に品格を失いません。
今回、色々な歌手の方の「雪の渡り鳥」を聴いてみましたが、どなたとは言いませんが、なまじ歌唱力に自信のある人が上手さに任せて歌うと、その品格の面が見劣りしてしまうように感じられました。
Kiinaがカバーした股旅物の中でも、特に「雪の渡り鳥」は聴いていて気持ちの良い一曲です。
余談ですが、作曲された陸奥明さんは菅原都々子さんのお父様。作詞の清水みのるさんとは「月がとっても青いから」と同じコンビなんですね。
陸奥明さんのお名前から、「思い出のメロディー」の時の可愛らしい菅原都々子さんとKiinaの優しいエスコートを思い出していました。
「雪の渡り鳥」からは話がだいぶ遠いところへ行ってしまいましたね(笑)