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氷川きよしについて ★ by とねりこ

Kiinaの歌声を味わい尽くす♬〜71「ああ上野駅」

「男気」7曲目からはカバー曲です。

井沢八郎さんの「ああ上野駅」(オリジナルのタイトルは「あゝ上野駅」)

https://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCP-32465.html

歌詞は歌ネットより。

https://www.uta-net.com/song/54863/

 

井沢八郎さんの代表曲ですが、私はなぜかリアルタイムで聴いた覚えがないのです。

昭和39年リリースだそうですから我が家にもテレビはあったはずですが、私の中で井沢八郎さんと言えば「北海の満月」。ですので「あゝ上野駅」の記憶は後付けです。

 

Kiinaはこの曲とは縁が深いですね。

2007年の「思い出のメロディー」では、この年に亡くなられた井沢さんの追悼としてKiinaが「あゝ上野駅」を歌いましたね。

 

20201月に放送された「歌碑の旅」でKiinaは「あゝ上野駅」の舞台になった上野駅周辺を訪ねました。

ノンフィクション作家の澤宮優さんに昭和2030年代の集団就職の実態をお聞きし、実際に集団就職を体験された方たちからもお話しをしていただきました。

 

澤宮さんが上梓された「集団就職」というルポを読ませていただきましたが、澤宮さんが熊本県のご出身で主に九州方面から大阪への就職の実態でしたので、東北出身の私には知らないことも多かったです。

 

「ああ上野駅」は、私の中ではKiinaと重なります。

就職列車と飛行機と、上京の手段は違えど「何かを成すまでは故郷に帰らない。帰れない」という不退転の思い。

就職した子どもたちは家の貧しさから進学を諦め、1516で自立を余儀なくされました。Kiinaも親戚の方から東京での生活を始めるのに必要なお金を用立てもらったと聞いています。

水森先生のお弟子さんの中には毎月飛行機でレッスンに通った人もいたようですが、Kiinaはまったくの自活。退路を絶っての上京でした。

 

大好きなお母さまから離れての東京暮らしに、どれほどの覚悟が要ったことでしょう。

今になって思えば、「東京に出ていく」こと「歌手になる」ことは、Kiinaにとって単なる就職ではなく、Kiinaが自分のアイデンティティを確立するため、Kiinaが自分自身を認めてあげるための唯一の手段だったようにも思います。

 

「ああ上野駅」は東北方面から東京へ来た少年少女たちがテーマですが、集団就職というものがなくなった今でも愛されているのは、生まれ故郷を離れて頑張って生きてきた沢山の名もない人たちが同じ思いを持って聴ける歌だったからでしょう。

そのひとりがKiinaその人だったと思うのです。

 

上野駅のそばのお店で、集団就職の経験をお話ししてくださった方が、当時故郷のお母さまから届いたというお手紙を今も大切にしていると見せてくださいましたね。

羽田からモノレールに乗ったKiinaがお母さまから渡された手紙を読んで号泣したエピソードと重なりました。

 

「あゝ上野駅」の回は「歌碑の旅」の中でも秀逸だったと思います。

この放送の後、Kiinaと澤宮さんがお話しをされた喫茶店や上野駅の歌碑を訪ねて回りました。恒例行事です(*^_^*)

 

ところで、今年は「歌碑をめぐる旅」の放送も、長良の「夜桜演歌まつり」もありませんでしたね。「夜桜」はまだ3箇所ぐらい残っていたと思いましたが。

どちらの企画もKiinaなしでは成立しないということでしょうか。

コメント一覧

蘆花
「ああ、上野駅」で思い出しました。
いつだったか、歌番組の生放送で、細川さんが歌われ、途中から大粒の涙を流しながら歌われました。その時思いました。細川さんのような大物でも、故郷を離れる時の気持ちを思い出されて泣かれるなんてkiiちゃんと同じなんだと、感動したことを思い出しました。
藪つばき
おはようございます~。
「ああ、上野駅」昭和39年のリリースとなれば、中学生の頃なので(歳がバレますね)良く耳にしたなぁと思い出します。
とねりこさんの詳しい解説で歌の背景が手に取るように解ってきます。
思い出のメロディーで歌った時の映像も、ぼんやりとではありますが思い出します。kiinaさんの歌はもちろん、セリフのところも感情たっぷりで胸に迫ってきたなぁと…。
3番の歌詞で「ホームの時計を見つめていたら、母の笑顔になってきた」の部分、想像するだけで涙が出てきます。
せり
おはようございます。この歌は不朽の名作ですね。その時代時代によって状況はかわりますが故郷を離れてゆく人たちの思いは普遍なんですよね。kiinaの離郷とも重なりますね
。シャイな少年がただ一つの武器ともいうべき歌声を携えて見知らぬ世界に飛び込んで行った時にはその後に待ち受ける運命をkiinaもファンも知る由もありません。ファンもkiinaの離郷時のエピソードはよく耳にしました、kiinaもこの歌を歌うたびにそのころのご自分が重なったんではないでしょうか。
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