アルバム最後の曲は「男の純情」です。
https://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCP-32206.html
昭和11年日活映画「魂」の主題歌として作られました。佐藤惣之助さん作詞、古賀政男さん作曲。創唱は藤山一郎さんです。
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/17306/
この曲はこれまで驚くほど多岐に渡るジャンルの歌手の方々によってカバーされてきました。演歌の大御所の方々から、石原裕次郎さん、ボニージャックスの皆さん、女優の梶芽衣子さんも!
発表されてから90年近く経っていますが、単なる懐メロになっていないのは、どこか哀調を帯びたメロディーラインが日本人の心の琴線に触れるのでしょうか。それとも「男の純情」というテーマが今でも多くの人の共感を呼ぶのでしょうか。
創唱者の藤山一郎さんはクラシックのクルーン唱法で歌われていますが、演歌の皆さんは思いっきり演歌調で歌われていますね。
Kiinaも目いっぱいコブシを回して歌っています。私はKiinaの声の「金もいらなきゃ 名もいらぬ」の節回しが特に好きです。
ボニー・ジャックスさんのカバーは意外でした。梶芽衣子さんは「怨み節」のドスの効いた歌い方ではなく、気っ風のいい姐さん風のカラッとした節回しで、これも魅力的でした。
「どんな風に歌ってもいいよ」という懐の深さがこの曲にはあるような気がします。
Kiinaはオリジナル+名曲カバーで構成されたアルバムを33枚(かな?)出しましたが、その中でもこの「演歌名曲コレクション3〜白雲の城」は、収録されたカバー曲が突出して演歌歌手としてのKiinaの才能と力量を見せつける内容になっていたと思います。
一曲一曲が、みんな違ってみんないい。
聴いていると、この若い歌い手の前に広がったキラキラした未来が見えるようです。