アルバム・カバー曲3曲めは、竜鉄也さん「奥飛騨慕情」です。Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=zML7HUygCH8
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/130717/
この曲は「ダンシング・オールナイト」と同じく1980年に発売されていますが、人気に火がついたのは翌年になってからでした。1981年の日本有線大賞受賞、紅白歌合戦初出場、オリコン年間ランキング2位(1位は「ルビーの指環」)という記録が残っています。
この歌の30年前に近江俊郎さんでヒットした「湯の町エレジー」にとてもシチュエーションが似ていますね。愛した女性を温泉の町に訪ねてゆく、でも結ばれないという。
そして覚えやすいメロディー。カラオケで誰もが歌えたのでしょう。美空ひばりさんや加山雄三さんもアルバムに収録していらっしゃいます。
竜さんご本人を含め淡々と歌う方の多いなかで、Kiinaのカバーは群を抜いて〜泥臭いほどに〜感情を込めて丁寧に歌っていますね。
何人かのカバーを聴いた中で「あゝ奥飛騨に 雨がふる」の「あめ」をはっきりとファルセットで歌っているのはKiinaだけだったと思います。
「演歌の曲はより演歌らしく」を心がけたようにも感じました。
本題からはズレますが。
この歌がヒットした時に、郡上八幡出身の同年代の同僚が「でもあの人(竜鉄也さん)、飛騨じゃなくて美濃の出身なんだよな」と呟いていて、「若い人でも同じ岐阜県内で飛騨か美濃かって意識するんだなぁ」と思ったものでした。
同じ年に仕事で秋田県のとある組織の偉い人の取材に連れて行かれて、というのもあまりにその方の訛りが強くて何と言っているのか分からないので通訳代わりに同行させられたのですが、上司が「この人は秋田県出身なんですよ」と紹介すると、件の会長さん「どこ?」、私「○○郡です」。
「あそこは秋田じゃない!」(明治維新前は南部藩領でした)
あまりに電光石火でバッサリ切り捨てられたので、上司が二の句を告げなかったという、そんな思い出があって、「奥飛騨慕情」と聞くとまず最初に「竜鉄也さんは美濃の人」と浮かんでしまうのです。