メルパルクホールでのポップスコンサートに先立つ9月19日、2012年第2弾シングル「最後と決めた女だから」がリリースされました。
「夜霧のエアポート」をカップリングにしたAタイプとhttps://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCA-16662.html
「哀傷歌」をカップリングにしたBタイプです。https://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCA-16663.html
どちらのジャケ写も「ザ・演歌歌手」といったビジュアルですね(笑)。ヘアスタイルのせいかな?
Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=a77h1uuUVKc
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/134968/
ファンクラブ会報Vol.46にKiinaからの解説がありましたが、この曲は長良会長がご生前に鶴岡先生に作曲を依頼してくださって、鶴岡先生のデモテープ(恐らくメロディーのみ)も直接聴いてくださっていたそうです。
9月22日には大阪・千里セルシー(ここももうありませんね)、23日には東京・池袋のサンシャインシティでリリースイベントが行われました。
池袋には鶴岡先生も足を運んでくださいました。Kiinaのレコーディングにも立ち会ってくださって、「他人事のように明るく歌ってください」とおっしゃったそうです。「感情が入り過ぎないように。歌手が出過ぎると、聴いている方は引いてしまう」と。
鶴岡先生の歌われたデモテープをいただいていなかったので、一から自分で歌の世界を作り上げていくのがとても難しかったと、会報で解説していました。
愛する女性が置き手紙だけを残して去ってしまったけれど、いつまでも待っているよと。
いかにも演歌らしい演歌ですね。前作の「櫻」が重いテーマの作品だったので、敢えてカラオケ受けする仕上がりを目指したような気がします。
久々に近田春夫さんが「考えるヒット」でこの曲について論評されていました。
曰く「声に男っぽさが加わって、凄みのようなものが出てきた」「氷川きよしの魅力であるアイドルと本格歌手のタイプという二面生のバランスが変わって、より"大人びた風景がさまになる"声になってきた」
こう書かれた後、近田春夫さんは「いまひとつ息が合わない感じもあって、氷川きよしがちょっと苦労している風にも見受けられる」と感想を述べられていました。
それは近田さんの直感だったのでしょうが、ひょっとしたら核心を突いていたのかもしれません。鶴岡先生は何かで「アルバム収録曲のつもりで書いたらシングル曲になっていたので驚いた」とおっしゃっていたように記憶しています。
それでもしみじみ味わってみると、やはりしっかり「氷川節」になっていますね。
鶴岡先生のアドバイスで、努めて「他人事のように」を心がけて歌ったのかもしれませんが、「また来る春をしあわせを 信じて強く生きようよ」がとても力強くて、ここにKiinaの思いが込められているように感じました。
演歌のジャンルの中で毎年2枚のシングルをコンスタントにリリース出来るのはKiinaだけで、年の後半に華やかな曲を出してレコード大賞や紅白に臨むというパターンが続いていましたが、この年は最初から「櫻」を勝負曲にする予定だったような気がします。