シングルCD「櫻」(2012年2月8日発売)とアルバム「演歌名曲コレクション16〜櫻〜」(6月13日発売)の間で、Kiinaの人生を変える重大な事件が起こりました。
5月3日(日本時間)のハワイでの長良じゅん会長の急逝です。享年74歳。今にして思えば、「まだ」74歳の若さでいらしたんですね。偶然にも今日訃報が伝えられた谷村新司さんも74歳でいらっしゃいました。
私たちファンもショックでしたが、Kiinaの衝撃はいかばかりだったでしょう。
Kiinaを見出し、「氷川きよし」と名付けて卓抜したプロデュース力とあらゆる人脈を駆使してスターに育ててくださった大恩人。
デビューから10年で演歌のスターとしての地歩は固まった。これから先のKiinaをどんな方向へ向けて育てていくおつもりだったのか。設計図も戦略も全て長良会長おひとりの構想の中にだけあって、周囲の誰にも分かりません。
Kiinaは羅針盤のないまま大海に投げ出された船になってしまいました。
Kiinaはアルバムインタビューで1曲めの「櫻」について、「発売した当時よりも、この歌に対する思いが日に日に大きくなってきました。長良会長の体はもうないけれど、心は自分の心の中に永遠に生きています」と気丈に応えていました。
会長とKiinaの間の絆を知る人は、「櫻」を歌うKiinaの中に長良会長への追慕の思いも感じ取るようになっていたと思います。
会長のご逝去から11年。「氷川きよし」というブランドを脱ぎ去った本当の自分とは何か。何のために、誰のために歌うのか。人に指し示された道でもファンに求められた姿でもない、迷いながら苦しみながら自分自身で出した答えに向かって、Kiinaはこれから歩き出そうとしています。
それは、もしかしたら長良会長の描いていらした設計図とは違ってしまったかもしれない。でもKiina本人が出した答えが世界で唯一の正しい答えなのだと思います。
私はそれについて行くだけです。