「哀愁の湖」を入れたアルバム「演歌名曲コレクション9〜哀愁の湖〜」がリリースされたのは、2008年の暮れも押し詰まった12月10日でした。シングルの「哀愁の湖」のリリースが10月と、1年後半の勝負曲としては異例の遅さだったのが影響したのでしょう。
なのでジャケットのKiinaも冬の装いですね。
https://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCP-35275.html
オリジナル曲の1曲目は表題曲の「哀愁の湖」、2曲めは「霧笛」です。
Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=jP8lEFC3t5I
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/74183/
「今の幸せ失くすなと…」
あ、そうか。
相手は人妻だったから、無理に冷たい言葉で別れてきたのかな?
さすがかず翼先生の詞の世界で、無駄のない言葉の中にきちんとまとまったストーリーが見えてきます。
そしてKiinaの歌も、サビで思い切り悲しみを歌い上げたあとの、語りかけるような「うらんでいるかい…」がとても沁みます。
Kiinaご自身も「年齢を重ねてきて、段々とこういう歌も唄えるようになってきました」とお話ししているとおり、男の哀愁が無理なく伝わってくる一曲です。
もっと評価されて良い曲だと思います。
ところで、「霧笛」という言葉はそれ自体が既に詩になっているようなところがあって、「霧笛」で検索すると、ありとあらゆる霧笛の歌がヒットします。
Kiinaにも「東京霧笛」と「霧笛の波止場」がありますね。
私の知っている中での究極の霧笛の歌は、アマリア・ロドリゲスのファドをちあきなおみさんが日本語でカバーした「霧笛(難船)」です。
男と別れる最後の夜、女は「今までありがとう。乾杯しましょう」と微笑む。
そして…
「あなた許して グラスの毒は私の愛」と。
歌詞にはないけれど、このあと女も毒を煽ったのでしょう。
何度聴いても、話の展開にドキドキします。
今のKiinaの歌声で姿で、こんな深い情念の歌も聴いてみたいなと思います。