アルバム「新・演歌名曲コレクション-さすらい慕情-」がリリースされてすぐの2015年7月28日・29日、舞浜アンフィシアターでファンクラブ限定「KIYOSHI special concert2015〜KIYOSHI'S SUMMER〜」がおこなわれました。当初29日昼夜の2回公演の予定が希望者が殺到し前日の28日を追加、3公演で6500人を動員しました。
私は29日の昼夜に参加しましたが、アンフィシアターのKiina、何か別の人格が憑依したかのように弾けていました。2年前のポップスコンサートの比ではありません。今まで地中深くに溜めこんでいたマグマが一気に爆発したかのよう。
MCで「こちらの方が素の自分に近い」と打ち明けていました。本当は衣装ももっと思い切ったものにしたかったでしょうね。やはり「きよしくんはそんな服着ちゃダメ!」と思っているファンもいることへの配慮が働いてしまうのでしょう。
とにかくKiinaが心の底から歌を楽しんでいる、もっと言えば誰かのために歌うのではなく、まずは自分が歌いたいと思う歌を存分に楽しんでいる、その姿が嬉しくてたまりませんでした。
揺るぎない歌唱力で大胆に緻密に次々と繰り出される歌の中で初めて披露されたのが、木根尚人さんに作っていただいた「hug」でした。
Kiinaと木根さんとの親交は私には初耳でしたし、TM NETWORKというJ-POPの先端にいたグループとKiinaの取り合わせも不思議な感じがしましたが、木根さんとは2年前から交流があり「平和と慈愛を伝えたい。演歌では伝え切れないものを」とKiinaからお願いしたのだそうです。
初めて聴いた「hug」は、歌詞もメロディーも優しさと温かさと愛に溢れていて、とても素敵でした。FCイベントの中で披露された曲だったのでリリースの予定はないとのこと。こんな素晴らしい曲を、この場に居合わせた6500人だけのものにするのは勿体ない!すぐにコロムビアにもリリースの要望を出しました。
Kiinaは折々にコンサートの中で歌ってくれましたが、のちに2019年11月リリースの「大丈夫/最上の船頭」G・H・Iタイプの中に正式に収録されました。Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=j0No_g5vnQ4
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/277351/
本来はもっと後「大丈夫/最上の船頭」の時にご紹介すべきなのでしょうが、この舞浜でKiinaが歌ってくれた「hug」がやはり強く印象に残っているので、今回取り上げさせていただきました。
「碧し」と同じように、誰よりもKiinaご自身が辛い時苦しい時にこの歌で慰められ力をもらったのではなかったのかなと、そんな気がするのです。
もうひとつ、忘れられない記憶があります。
駅のホームに降り立った時、私の母ぐらいのご年配の方がおひとりで立ってらっしゃいました。この日の舞浜駅に80歳を超えていると思われる女性が立っていたら、それはKiinaのところへ行くとしか考えられません。お声をかけるとやはりそうでした。
静岡から新幹線でいらしたそうで、「息子が心配して『一緒に行く』と言ってくれたんだけれど、新幹線の中ではきよしくんのことだけ考えていたいから、断ったんです」
現地に着いたらきよ友さんたちがいらっしゃるとおっしゃったので、そこまでご一緒することにしました。
私はそんな風に純粋にきよしくん・Kiinaのことを思っているだろうかと、時々舞浜駅でのことを思い出すのです。