アルバム・カバー曲6曲めは配信リリースで取り上げた「碧し」でしたので、後半のカバー曲を。1曲めは森進一さんの「北の螢」です。Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=_jFa7Z3hzoE
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/239193/
この曲は五社英雄監督の映画「北の螢」の主題歌として作られた歌でした。明治時代の北海道の集治監(刑務所)を舞台に、刑務官と囚人、女たちの織りなすドロドロの愛憎劇。
正直なところ、私は五社監督の作品は推し並べて苦手で(「鬼龍院花子の生涯」も含めて)、この映画自体も作品の出来としての評価はイマイチだったようですが、森さんの歌う「北の螢」は、こう言ってはなんですが映画そのものより遥かに完成度の高い傑作だと思っています。
映画とは完全に切り離されたストーリーとして、女の情念の凄まじさを一匹の儚い螢に凝縮して表現して見せたのは、さすがは阿久先生、さすがは三木先生、さすがは森さんならではの力技であると。
ということで、Kiinaの「北の螢」は、とても頑張って恋の激情を歌ってはいるけれど、この時点ではKiinaはまだ心底からのたうち回ってはいないかな?というのが私の印象です。
まだどこかに感情をストレートに表現することに対して遠慮があるのかな?と。
MVや2020年の国フォのステージで私たちに見せてくれた「枯葉」の、あの血を吐くようなパフォーマンスでもう一度「北の螢」を聴いてみたいなぁと思います。
Kiinaの歌唱が充分に素晴らしいからこその私の更なる欲望です。
Kiinaは来週発売の「昭和歌謡史」に「北の螢」を選んでいますね。