アルバム・カバー曲3曲めは、藤田まことさんの「てなもんや三度笠」です。Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/221012/
「てなもんや三度笠」。1964年放送開始の大阪ABCホールでの公開収録ということですから、東京なら「ドリフの全員集合」と同じ形式ということでしょうか。
藤田まことさんのあんかけの時次郎と白木みのるさんの珍念さんのコンビ、財津一郎さんや京唄子さん…お芝居の内容はほとんど覚えていませんが、個性的な出演者の方々のお顔は微かに記憶にあります。
藤田さんは元々歌手志望でいらしたので、YouTubeで聴いてみるととてもお上手で味のある歌声ですね。
Kiinaは当然「てなもんや三度笠」を知らなかったと思いますが、明るくてちょっとコミカルな股旅演歌として気持ちよく歌っています。
Kiinaの股旅ものはどれを聴いても絶品です。
曲の途中に「お控えなすって」「お控えなさんせ」というセリフが入っています。やくざの切る仁義の口上ですね。
無宿人がその土地の顔役に挨拶する際に、目下の方から挨拶(自己紹介)をするのが慣わしなので、「自分が先に自己紹介するので、あなたは控えて聞いていてください」という意味なのかと思います。
「お控えなすって」「いえ、そちらさんからお控えなすって」「いえいえそちらさんこそお控えなすって」というやりとりを形式的に3回ぐらい繰り返してから「それでは」と「手前生国と発しますは…」と自己紹介を始めます。この口上ががきちんと言えないと、半端ものとして馬鹿にされたようです。
何という映画だったか、この仁義の切り方を詳細に撮影したヤクザ映画を観たことがありました。
藤田さんも財津さんも白木みのるさんも、「てなもんや三度笠」の主だった方々は皆さんあちらへ旅立たれてしまいました。