「演歌名曲コレクション6〜一剣〜」のラストを飾るのは、真山一郎さんの名曲「刃傷松の廊下」です。
https://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COZA-216-7.html
Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=cCsXClgczrA
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/54988/
ひと世代前ならおそらく日本人の誰もが知っていた、いわゆる赤穂事件の一番有名なシーンを歌とセリフで見事に4分足らずに凝縮して再現してみせた、名曲ですね。
この曲のセリフは2箇所あります。
最初は梶川さんの「おのおのがた!」。次が浅野さんの「お離しくだされ梶川殿」から始まる長台詞です。人気のこの曲を様々な歌自慢の方々カバーされていますが、どちらのセリフも(わたし的に)完璧と思える方は少ないです。
藤圭子さんは、歌もセリフも素晴らしかったです。
時代劇に何の興味もなかったKiinaがよく頑張ってこの曲を歌ったと思います。声も重厚に響かせているし、セリフも立派です。
特に最後の浅野内匠頭の「梶川どの〜〜〜」の悲痛な叫びは、梶川さんに羽交締めにされたKiina=浅野さんが目に見えるようです。
贅沢を言わせていただければ、Kiinaの「刃傷松の廊下」は、ライブで西さんの前口上付きで聴きたいです。
毎回コンサートでこの曲を聴く時は、まず西さんの名人芸で唸らされて、そこからすんなり「Kiinaの忠臣蔵」の世界に入りこむことが出来ましたから。
この年のスペシャルコンサート、私はFCのエントリーが全滅で、まだファン初心者だったものですから何の手も打てずに参加を見送りDVDで観ました。
そうしたら「松の廊下」は西さんではなく、プロの講談師の方の前口上ではありませんか((((;゚Д゚)))))))
演出的にその方が歌の格が上がると判断されたのでしょうか。
私は西さんの前口上が聴きたかった!西さんの見事な前口上を映像に残していただきたかった!
この年のクリコンDVDを観るたびに、そこだけが残念でなりません。
ところで、日本人の大好きな「忠臣蔵」ですが、事件発生から500年経った今でも事の真相は謎で、浅野さん側、吉良さん側双方の立場から様々なお芝居や小説が生まれていますが、切りつけ事件のもう一人の主人公である梶川与惣兵衛さんのことは忘れられがちです。
私はKiinaの「梶川どの〜〜〜」のセリフがあまりに良かったので「梶川さんてどんな人?」とお人柄に興味が湧き、少し調べました。
梶川さんは旗本で、この日の行事の実務に当たっていました。
どうやら大変実直でまめなお人柄の方だったようで、この時の事件も梶川さんの書いた日記が詳細の根拠とされているようです。
梶川さんは浅野さんを押し留めた手柄で500石を加増されたそうですが、四十七士贔屓の世間からは色々言われたことでしょうね。
ご自分の任務を誠実に遂行しただけなのに(逆に手をこまねいていたら、取り潰しになっていたかも)、何代も後の子孫まで同僚に皮肉を言われたと、本にはありました。
様々な事情で討ち入りに参加しなかった旧赤穂藩の武士たちも、末代に至るまで肩身を狭くして世を生きたとか。
何だかなぁと思いますね。