アルバム・カバー曲5曲めは「恋人よ」です。Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=DB-gFY2klLw
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/256293/
1980年に発表された五輪真弓さんの代表曲かつ大ヒット曲ですね。
「少女」でデビューされた頃の五輪さんはとても印象的でした。長い黒髪で、とてもお若いのに落ち着いた声でピアノの弾き語りをされていました。
あの頃はフォークシンガーにジャンル分けされていたように思いますが、「さよならだけは言わないで」の頃からもっと幅広いリスナーを獲得していかれました。
「恋人よ」は、日本の歌謡曲風でもありシャンソン風でもあり、そんな狭い国境やジャンルを超えた歌になっていますね。
だからこそ、淡谷のり子さんや美空ひばりさんもカバーしたいと思われたのでしょう。
Kiinaの「恋人よ」は伊戸先生のアレンジです。基本は五輪さんの原曲を踏襲していると思います。
五輪さんの歌声には、どこか感情をストレートには出さない抑制された印象がありますが、Kiinaはもっとストレートに今まさに恋を失おうとする悲しさをぶつけているように思います。
Kiinaはきっとこの歌がとても好きで(カバー・コレクションにも収録しています)どんな風に歌いたいか具体的なイメージを持っていたのでしょうね。
アルバムがリリースされた後も、少なくとも私が参加した通常コンサートでは歌わずに、国際フォーラムのスペシャルコンサートのために大事に取っておいていました。
バイオリンの音色とともに登場したKiinaの、紫のフリルと羽根をたっぷり使ったパンタロンスーツとツバの大きな帽子。
最初に見た時、私の持っていた「アンナ・カレーニナ」のイメージと重なりました。
この「紫貴婦人」の衣装ですが、マスコミには写真掲載NGにしていましたね。コンサート翌日のどのスポーツ紙にも、その後の週刊誌、カラオケ誌にも紫衣装だけ載っていません。内部向け〜FC会報には載っていますが。
衣装も曲の一部と考えるKiinaにとっては、「恋人よ」を歌うにはどうしてもこの衣装でなくてはならなかったのだと思いますが、やはり中性的、というよりむしろ女性的な方向に傾いた衣装を広く公開するのは危険という意見がスタッフ内にはあったのでしょうね。この衣装であれこれ取り沙汰されることは本人のプラスにならないと判断されたのかもしれません。
Kiinaご自身は、この時のパンタロンを「中途半端だった」とお話ししていたように思います。
本当はドレスで「恋人よ」を歌いたかったのでしょうけれど、2018年の時点ではやはりまだ時期尚早でした。