11月14日(月)
タイとは自由という意味です・・・タイ好きなら何度も聞いた言葉だ。タイでは、この「自由」いうのが曲者で、極めて難解。哲学的な課題なのだ。そして、学校内に住んでみると、より公私の区別がつけにくい。「自由」って何?どこまでが「自由」? タイの学校では、先生は昔と変わらずきちんとした服装をしなければならない。生徒へのけじめと共に、教育者である自分への戒めである。じゃ、学校のど真ん中に住んだなら、どこまでが先生?? 人は24時間先生ではいられない・・・という理由で、授業がない時や宿舎に帰った後、そして土日は比較的自由な服装で過ごすことに決めた(自分のポリシーで線引きすることがタイで生きるコツ!)。子供も寮住まいなので、公私の区別はないのは同じ。お互いに様子を見ながら暮らしている。
私の住まいは学校のど真ん中、元々は客用の宿舎で、私自身もずいぶん前に、この家でシャワーや着替えをさせてもらったことがある。たぶん数十年は経っているだろう。古いが住みやすい家で学校に感謝している。思ったより物が揃っているので、新生活にあたってありがたい限りである。
※名前はリオン!
隣は校長先生の家。広くてプライバシーが守られた造りになっている。大型犬を飼っていて、ワンちゃんの顔を見るのが楽しみ!
家から突き当りにはタイ舞踊の先生の大教室と教員控室。日本タイクラブで毎年訪れるこの福祉教育校で、儀式とパーティの最後には、決まってほろ酔いでラムウォン(タイの盆踊り)を踊る。タイ舞踊の先生は踊りの指導をかって出たり、オジサマ会員とパートナになって踊ってくれたり・・・往年のアイドルに似た風貌で、何かと世話になっている。
3年お会いしてなかったのだが、「今は毎日犬連れで出勤してるのよ。この子は2歳、名前はレーレー、毎日一緒に学校に来ているもんね~」ということ。以前のタイで、土曜日の子連れ出勤は何度も目にしたが、毎日のワンちゃん連れ出勤・・・これも「自由」である。仕事をきちんとしていたなら「自由」の線引きは自分で決める。服装には厳しいが犬連れ出勤は問題ない・・・これがタイなんだよね~🐶🐕
校長先生の大型犬と舞踊の先生のレーレーは友犬のようで、鼻をつける挨拶をしていた。オス同士で時々遊びで戦っている。リオンは心得たものでレーレーを強く噛んだりしない。リオンは繋がれているが、レーレーは校内を自由に歩き回っている。小型犬は何かと自由だ。
二匹が戦っている横で、舞踊の先生が歌って踊って、戦いを囃すのを聞いて笑ったり、子供達で犬番をかって出ている子と「ワンピース」の話をしたり・・・犬を通じて人と仲良くなれるのは、どこでも同じみたい。
しかし、しかし、この国では絶対に厳格に「ダメなものはダメ」でもある。私は様々な理由で、無償無給で働くことにした。当初、ビザの段階でもう驚いた。曰く「学校で働くなら、無給有給に関わらず、教育ビザ(Bビザという)と労働許可証が必要」というのだった。教育ビザ交付のためには、教員免許状は当然だが、警察からも「犯罪履歴証明書」を貰わなければならない。総領事館の文書には「無犯罪証明書」と説明がある。つまり、一度でも罪を犯したら、たとえボランティアでも教壇に立つことはできない制度なのである。
この制度は非常勤講師の犯罪履歴が求められない日本でも、採用条件に加えたらいいと思う。そうすれば、同一教員による小中学校での犯罪は防げるだろう。
自由の線引きが違う日本とタイ。人間が本能的の求める自由とは何か・・・それを見つめるチャンスである。
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