ひざまずこうとする雪舞を止め「仰々しい挨拶はおやめなさい。皇太后などという呼び方もよしてちょうだい。他人行儀だわ」と笑いながら話す皇太后。なぜ福に成り済ましたのか蘭陵王が聞くと「おばあ様は力を貸して下さったのだ。なにしろ軍神を称される兄上も女子の扱いとなると実に頼りない。ゆえに指揮官が欠かせぬという次第だ」と横から高延宗が言う。高延宗が皇太后を屋敷に入れ、雪舞と引き合わせたことが分かり「では、おぬしが側室を迎える折も、おばあ様を招いてご指示を賜ろう」と言う蘭陵王。高延宗は「やめてくれ。おばあ様を悩ませるのも大概にせねば。兄上と違って側室の数が多いゆえ」と言い笑いを誘う。
蘭陵王と高延宗に菓子を取りに行かせ、皇太后は雪舞と二人きりになる。雪舞を椅子に座らせ「私が見込んだとおり、あなたは粛(蘭陵王)と苦難を共にして、危うい所から救い出してくれた。おかげで長年の憂いをようやく手放せるわ」と言う皇太后。雪舞が「憂いとおっしゃるのは?」と聞くと、皇太后は周りの諸国との戦ではなく、宮中における一族の諍いだと言う。
今まで多くの英雄を見てきたと言う皇太后は、皇太子は度量が狭い、粛のように才も徳もある君主とは到底並び立たぬと話す。自分の目の黒いうちは粛を守ってやれるが、なれどいつか自分がいなくなり、皇太子も即位するはず、その後のことを案じていると。そして「あなたに望みを託すわ。その時が訪れたら何としても粛のことを守ってちょうだい。どうもあの子は愚直にすぎる。国は我が家と言うなど、皇太子が許すはずもない」と言う皇太后。
雪舞は「ご安心を。私の力などわずかなもの。なれど命に代えても殿下をお守りします」と言う。しかし皇太后は命を差し出すことはない、このまま粛のそばにいてほしいと話す。二人で幸せに暮らす事が願いだと。心から殿下にお仕えすると雪舞が言い、喜んだ皇太后は急いで婚儀の支度にかかるように言う。
雪舞は「お母様の衣を返すわ。先だって屋敷を出る前に破れたところを繕っておいたの」と蘭陵王に衣を手渡す。「母がここにいれば、君との婚儀を心から喜んだろう」と寂しそうに言う蘭陵王。蘭陵王は雪舞のおばあ様にも、居所を捜し吉報を知らせなければと話すが、雪舞は首を横に振り「白山村はよそへ移ったの。おばあさまも世を避けているし、たぶん捜しても見つからないわ」と言う。
雪舞の悲しい気持ちが分かり、蘭陵王は雪舞の肩を抱き寄せる。「何もかもあまりにも急だった。おばあ様が現れて、殿下も危なかった。私はどちらか一人を選ぶしかなかったの。今でもさようにしたことが正しいか分からないのに、いきなり妃となるなんて」と言う雪舞。おばあ様は私たちが結ばれるべきではないと、と話す雪舞に、蘭陵王は「一生かけて証しを立ててみせる。必ず添い遂げると」と言う。そして明日あるものを雪舞に見せたいと。
翌日。蘭陵王が連れて行った場所にはたくさんの柳の綿が舞っていた。「柳絮(りゅうじょ)を見せたいがゆえに、ここに連れて来たの?」と聞く雪舞。蘭陵王は留まるという字も"りゅう"と読むと話し「君は総てを捨てて留まってくれた。私も一生涯、かなう限り君の側に」と言い口づけをしようとする。しかし、その時、子供の泣き声が。
雪舞は子供に駆け寄り話かける。そして、子供がお腹を空かせていると分かり、一緒食べに行こうと誘う。二人が行きそうになり、蘭陵王は慌てて止めると「これで何か食べなさい」と子供に金子を渡し一人で向かわせる。雪舞は「あんな大金を渡すなんて。盗られたらどうするのよ」と子供を心配し怒り出す。「君には困ったものだ。ちっとも学んでおらぬ。眠り薬を飲まされたのも子供がきっかけであったろ」と言い返す蘭陵王。
それとこれとは別、それに殿下がいれば守ってくれるでしょう、と雪舞は言う。それを聞き「当然のことのような口ぶりだな」と言う蘭陵王。「嫌だとおっしゃるのね。よいわ。自分のことは自分で守ります」と雪舞は言うと子供を追いかける。
街に来た雪舞は、大の男が文句ばかり並べ立てて、と怒っていた。それでも、なぜ蘭陵王が追いかけてこないのかが気になる。しかし雪舞には気づかれないよう、蘭陵王はつけてきていた。
ふと顔を向けた先に蘭陵王が金子を渡した子供がいることに気づく雪舞。さっき渡した金子をどうしたか雪舞が聞くと、隠してあると答える子供。「どこへ?」と言う雪舞の手を子供は引き「こっちだよ」と歩き出す。素直について行った雪舞だが、その途中、隠れていた男に首もとを殴られ意識を失ってしまう。
空き家で雪舞が意識を取り戻すと、側には宇文邕が立っていた。まさか周に?と思った雪舞だったが、宇文邕は斉の国だと言う。
私はこの国の王妃よ、大声で叫べばすぐに大勢の兵士が助けに来ると言う雪舞。そして命が惜しいなら今すぐ周の国に帰りなさいと言うと雪舞は出て行こうとする。その腕をつかみ、雪舞を止める宇文邕。
蘭陵王は陰から二人の様子をうかがっていた。
兄である先帝は貞という名の一人娘を朕に託した、その子が病に伏せっておる、かつてそなたは阿怪のことを救ってくれた、貞も救ってほしいと言う宇文邕。宇文邕は頭を下げ「朕は周の君主。人に頭は下げぬ。雪舞。そなたは朕が初めて頭を下げた相手だ」と言う。困った雪舞だったが、医術に長けているわけでもなく、侍医にもなす術がないのなら周に連れて行っても無駄骨に終わってしまうと断る。それを聞いた宇文邕は短剣を取り出す。
自分の首に短剣を向け「貞は朕の命だ。このまま帰り、あの子の死を待つならば朕はいっそこの場で自害しやる。なれど朕の最後に立ち会った女子が斉の王妃だと知られれば、我が国から斉の国に対していかなる報復があろう」と言う宇文邕。そして宇文邕はたとえ貞が助からなくても、あの子の枕辺にいてほしいと言う。天女が阿怪を救った話を聞いた貞は、自分を救えるのは天女だけだと信じていると。
「約束する。ひと月、ひと月だけでよい。貞が回復せずともそたを責めはせぬ。朕が責任をもって斉に帰そう」と宇文邕は懇願する。さらに来る見返りとして斉の捕虜を解き放ってもいいと言う宇文邕。迷っていた雪舞は心を決め「よいわ。行きましょう」と言う。
雪舞は蘭陵王が案じるから一度帰らせてほしいと言うが、貞の容体は一刻を争うと宇文邕は帰らせてくれない。せめて人をやって知らせてほしいと雪舞は頼む。
雪舞たちの話を聞いていた蘭陵王は、覆面をした周兵に見つかってしまう。蘭陵王は宇文邕に気づかれないよう周兵を倒し、その兵服に着替える。
宇文邕が雪舞を連れ周に戻る。
さっそく雪舞は普段飲ませている薬のことを聞く。そして貞の体を見た雪舞は、自分が幼い頃に患った病と似ていることに気づく。まずは脾臓と腎臓を強くする事に。薬を変え、日々の暮らしや食べるものも見直したほうがいいと言う雪舞。
貞が目を覚まし、宇文邕に「小馬ちゃん」と言う。宇文邕はこの人が天女様だと雪舞を紹介する。「小馬ちゃんのお話に出てきた阿怪と仲直りした?」と貞は聞く。雪舞は答えることができない。
身の回りに置いたものが知らぬうちに病を引き起こすかもしれないと、雪舞は貞の部屋にある香炉や花、線香やロウソク、敷物などを片付けさせる。布団も絹の物にし、日もさえぎることに。
苦い薬を飲ませる事も発疹につける薬も雪舞の扱いが上手く、貞は笑い声をあげる。それを見る宇文邕の頬が緩む。
大冢宰府。
宇文護は腹心たちを呼び、宇文邕の動きを聞く。何ゆえか政をせず、軍事にも関心を示さないと話す李安。日がな一日、宮殿にこもっていると。「私にはお見通しだ」と言い、宇文護は玉兎に酒を持ってこさせる。宇文邕の寄越した女にざわめく腹心たち。
「賢明なる諸君がこの女子を疑うのも無理はない。なれど今や玉兎は、我がものとなった」と宇文護は言う。玉兎も、我が部族はあの者に滅ぼされ、皆様にも増して恨んでいると話す。
「玉兎は私に忠誠を誓った。宇文邕は内通者だと思い込んでおるがな。目下、あやつが貞の病を治さんとして奔走しておることも玉兎が耳に入れてくれた」と言う宇文護。しかし信じてはいけないと李安は言う。
宇文護は自分への忠義を見るため、玉兎に飲んだら七日ごとに解毒薬を飲まなくてはいけないという毒虫酒を飲むように言う。玉兎はその毒虫酒を一気に飲み干す。宇文護は「これよりそなたは私の配下。のちほど仕事を与えよう」と話す。さらに宇文護は腹心たちにも毒虫酒を飲み忠義を見せるように言う。躊躇していた腹心たちだが、李安が飲むと他の者たちも続く。それに満足した宇文護は「諸君の忠義に応えて包まずに申そう。私は謀反を起こす」と告げる。宇文邕の息の根を止め、私が誠の君主だと群臣にしらしめると。
夜。人気のない場所で宇文神挙と玉兎は会う。宇文護が謀反を企てていると報告する玉兎。信用を得るために七日ごとに解毒薬を飲まなければいけない毒酒を玉兎が飲んだ事を知り、宇文神挙は感服する。玉兎は宇文護は事が長引くのを恐れ、宇文邕をいきなり襲うつもりかもしれないと話す。そして「明後日は宇文護の誕生日。その席で宇文護は自分が誠の君主だと群臣に知らしめるとのこと。くれぐれもご用心をと陛下にお伝えくださいませ」と言う。
雪舞は貞を湯浴みに入れる。
覆面をし、周兵に成り済ましていた蘭陵王は、警護の仕事をしていたため雪舞を見失ったいた。そして、ようやく湯浴みにいることを知る。
貞は天界から雪舞が来たと思い、どんなところか聞く。雪舞は白山村を思い出しながら、入り口には霧がかかり、中には仙人しか入れない、私たちを天へと導いてくれる五色の鳥がいる、それからとてもきびしいおばあ様がいると話す。白山村の話をしていることが分かる蘭陵王は複雑な気持ちになる。
蘭陵王がその場から離れようとした時、周兵二人に呼び止められてしまう。湯殿を覗いていたと思われる蘭陵王。仕方なく天女に惚れたと蘭陵王は嘘をつく。そんな話をしていると、湯殿から雪舞が出て来る。よりにもよって公主の湯浴みを覗いていた、と誤解する雪舞。周兵二人は覗いていたのはこいつだけだと蘭陵王を指差す。雪舞は「あなたね。ちょっと話があるわ。ついてきて」と蘭陵王だと気づかずに言う。
ーつづくー
高延宗って女好き!?(≧∇≦)ノ彡
でも、もしかしたら小翠は本当に高延宗を好きなのかも?
雪舞と蘭陵王の喧嘩も可愛い。
怒って雪舞が行ってしまえば慌てるのに~(*´ー`*人)
雪舞だって追いかけてほしかったりで。
そして周兵をやっつける蘭陵王はかっこよかった(///∇//)
小馬ちゃん、雪舞に対しては強引じゃないよね。
ちゃんと頭を下げてお願いして(*´ω`*)
無理矢理にだって連れていけたと思うのに。
貞は拠り所なんだろうな…。
宇文邕は…雪舞を手放せるかな?ひと月の約束だけど。
雪舞と一緒にいる貞がすごく楽しそう。そして二人を見ている宇文邕がすごく幸せそう。
できるならば雪舞が二人いたらいいのに。
宇文邕のそばにも雪舞を置いてあげたい。……阿史那皇后がいるけど( ̄▼ ̄|||)
二人の周兵と蘭陵王のからみも可笑しくておかしくて(≧∇≦)ノ彡
雪舞についてくるように言われた蘭陵王も楽しみっ!
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女好き~甘い言葉も言っちゃうんだろうな~
でも、なんだか許せちゃう~私も言われたい(#^.^#)
蘭陵王は、可愛い~雪舞が好きだってことがわかる~
でも、強引には出来ない、もどかしさ~
演技も凄くうまいな~って思うんだけど~
こう言う雰囲気好きですす(*^^*)
貞ちゃんは大丈夫かな?
雪舞なら治せそう、だけど~
宇文邕もいい人なんだけど~立場がね…
雪舞も一人だしーーーーー
周、何か色々内輪もめ?気になりますね~
うささん、いつもありがとうございます(^ ^)
蘭陵王と違って恋愛にも詳しいわけだ~(≧∇≦)
蘭陵王は雪舞ともっとラブラブしたいですよね~(*^▽^*)
なのに邪魔されたら子供でも・・・(^^;)
宇文ヨウまで現れて、二人の会話に一喜一憂する姿が覆面を被る前も後も面白くて~(≧∇≦)
周兵との会話も、湯殿を覗いてしまうのも、表情は見えないけど面白すぎ~(≧∇≦)
雪舞はいつ気づくかな?
ところで宇文ヨウって雪舞のことまだ女性としては見てないですよね・・・天女だし怪の時のことがあるから特別みたいな感じかなぁ?
今後はやっぱり惹かれて蘭陵王とはライバルになるのか?
いずれにしろ皇帝としての姿と雪舞の前での姿の差は惹かれるものがあります~(≧∇≦)
蘭陵王と迷っちゃう(≧∇≦)
貞の病は治るかな?
宇文後の動きも気になりますね。
蘭陵王と雪舞の関係も温かく、微笑ましいことが多いですね。ケンカした後、「なんで蘭陵王は私のことを追いかけてこないのかしら?」って・・・・・・面白い。
皇太后からのお話しに五爺に
笑いを挿していたコミカルからそれの後が・・・
いいキャラですね。
正式に認められて、四爺と雪舞がラブラブに
なるかと思いきや、横から・・・
このプロセスの、子どもより雪舞とのラブラブを
優先しようとする四爺のコミカルさは
前座だったのでしょうか(笑)
貞ちゃんのために雪舞が活躍しそうですね。
この調子でよくなってほしいです。
そして、、、
大家宰が動きだしそうですね。
渋くていい感じなのですけれど、なんだか悪だくみ
がいろいろな意味で心配です。。。