扶揺(フーヤオ)…ヤン・ミー
長孫無極(ちょうそんむきょく)/軒轅旻(けんえんびん)…イーサン・ルアン
宗越(そうえつ)…ライ・イー
長孫迥(ちょうそんけい)…ワン・ジンソン
「民を救う聖女」
仏蓮聖女は「皇宮に入るのは難しいわ。しかも皇帝に謁見するなんて。五州を統率する天権は警備が厳重。皇太子が帰った今、部外者ならなおさら入れない」と扶揺に話す。「皆が噂する皇太子とはどんな人なの?」と扶揺が尋ねる。仏蓮聖女は「10歳で優れた文章を書き、千里先に矢を射った。12歳で単独で南戎へ行き、南北の部族の対立を調停し邛葉族の紛争も解消。15歳で五州の作物の収穫を保った」と言う。思わず笑った扶揺が「そんなにすごい人が?昔話でも聞かないわ」と返す。
「無極は人ではないの」と言う仏蓮聖女。神なのよ、と。また笑ってしまった扶揺は「ごめんなさい」と謝ると「神様の話は置いておいて、どうすれば城内へ入れるか私に教えてくれる?」と聞く。仏蓮聖女は「私も用があり、近々天権へ行くの。1つは牧霊山にある疫病に効く羽木の葉のため。もう1つは大切なことで。あなたとは年も近いし縁を感じる。数日待ってくれたら私があなたを皇宮へ連れて行くわ」と話す。
仏蓮聖女は皇太子である無極の帰りを心待ちにしていた。
寝床で休んでいた扶揺の元に巧霊が駆けてくる。「大変です。お嬢様が病に倒れました」と言う巧霊。驚いた扶揺は急いで仏蓮聖女に会いに行く。
「あなたを呼んだりして申し訳ないけど、大切なことをどうしてもあなたに託したくて」と扶揺に言う仏蓮聖女。仏蓮聖女は「実を言うと天権に行くのは五州に関わる重要なことのため。でも今の私は行くことができない。この間あなたに話した皇太子のことを覚えてる?」と聞く。扶揺が「ええ」とうなずくと、仏蓮聖女は「無極皇太子は私の許婚なの」と話す。「お嬢様は璇璣国の二公主。幼い時に無極皇太子と婚約を」と言う巧霊。
仏蓮聖女は「このたびの訪問は、国事の他、婚礼についての用もあるの。皇太子と私は離れていても文で気持ちを伝え合い、いつも思い合っていた。私は必ず皇太子に嫁ぐと誓い、皇太子も私を娶ると言った」と話す。お嬢様は必ず良くなり、また皇太子と一緒になれると励ます扶揺。しかし多くの人を治療し、この病をよく知っている仏蓮聖女は「私はきっと…」と涙を流す。それでも巧霊は「お嬢様は良くなります」と言う。
仏蓮聖女は「私が助かるとしても婚礼のことは延ばせない」と巧霊に腰牌を出させ扶揺に渡す。「私の身分を証明する紫鳳腰牌。私の名義で天権皇宮へ行ってほしいの。私に代わり皇太子と皇帝に謁見して」と頼む仏蓮聖女。なりすますことなんてできないと扶揺は言う。しかし泣きながら「お願い」と言う仏蓮聖女の頼みを断りきれない。
発つ支度をしながら「どうして仏蓮さんは扶揺さんにこんなことを?」と聞く小七。扶揺は「天権は今、重大な危機に直面していて、共に議論しようと各国の使節を呼んだそう。仏蓮さんは璇璣代表。行かなければ罰せられ、婚約もなくなる」と話す。小七は「でも、なりすましたりして大丈夫?」と心配する。「誰かを傷つけるわけでもない。皇帝には訳を話すわ」と言う扶揺。戦北野の汚名もすすげるかも、と。
天権の街に扶揺たちは着く。立派な天権皇宮を見て驚く2人。
扶揺たちは人だかりを見つけ近づく。そこには徐来に泣きながら頭を下げている女子が。疫病の弟のために牧霊山で羽木の葉を摘んだ女子。しかし羽木は皇室の象徴で勝手には摘めなかった。女子が斬られそうになり「大勢で1人の女子を囲んで恥ずかしくない?」と徐来に言う扶揺。そこに天権国の大皇子・長孫平戎(翊王)が来る。「これは女英雄か」と言う長孫平戎。
徐来が「やれ」と言い、兵たちが扶揺を襲う。扶揺は兵と闘い、その最中に紫鳳腰牌を落としてしまう。扶揺が兵たちの持っていた剣を投げ、帯が落ちる長孫平戎。長孫平戎は怒り「殺せ」と命じる。その時「やめろ」と言う声がする。その声の主は長孫平戎の叔父である徳王だった。
紫鳳腰牌を拾い「大皇子、まずは帯を締めろ。五州の聖女の前で恥ずかしい姿を見せるな」と言う徳王。徳王から差し出された紫鳳腰牌を扶揺は受け取る。急いでそばに来た長孫平戎が「もしやこの方は?」と徳王に尋ね、徳王は「璇璣王族でなければ、どうしてこの紫鳳腰牌を?」と言う。大皇子だと知らず失礼を、と詫びた扶揺は「ただ、そのその女子をお許しください。家族のために葉を摘んだのです。天権は五州の民を思うべきでは?」と頼む。
徳王は「それは誤解です。民への疫病の影響を心配し、大皇子は厳しく取り調べを。羽木の葉を民に配ろうと、宮中でも考えていました。ちょうど今、持っています」と言って、長孫平戎に出させようとする。長孫平戎が渋り「もうすぐ皇太子が帰ってくる。皇帝も皆の無事と健康を願っている。陛下に代わり善行を」と言う徳王。長孫平戎は笑顔で羽木の葉を先ほどの女子に渡す。
徳王は「璇璣王女が天権へ来ると知り、宿は準備しました」と扶揺に言う。扶揺は「お構いなく」と言って、その場を後にする。
扶揺たちは太淵国にも支店があった五八同城集で、滞在先があるか尋ねる。店主が調べ「璇璣からのお客様ですね?」と言う。「知ってるの?」と聞く扶揺。店主は「聞いています。先日、あるお方がも天権で最もよい宿を予約され、璇璣から来客だと言ってました。馬も準備されています」と言う。扶揺が「誰が?」と尋ねると、店主は「大皇子の賓客ですから、もちろん大皇子が」と答える。扶揺は断り、歩き出す。
「大皇子は状況を見てうまく動くな」と言う小七。扶揺は「機嫌を取りに来るのは悪人。それに乗ってはだめ」と話す。この道は大皇子に買収されているため、行くところに困る扶揺たち。その時、偶然、宗越と会う。
扶揺(仏蓮聖女)を見失ったと知り、長孫平戎は「仏蓮聖女は璇璣国の二公主。宝はすべて璇璣にある。璇璣の支持があれば皇太子の座も思うままだ。なのに、お前たちは」と配下に激怒する。「殿下が聖女に近づけるよう、すぐに宿を探します」と言う徐来。
食事代や宿代の代わりに宗越の使用人として働くことになる扶揺たち。宗越から紙に書かれた薬草を集めるように言われるが、最後の2種類は上陽宮にしかなかった。
上陽宮の正門には大勢の兵がいた。正門から入るのは無理だと考えた扶揺は、他の薬草を小七に任せ、自分1人で上陽宮に入ることにする。
塀を乗り越え上陽宮の庭に入った扶揺。見つけた薬草を袋の中に入れていたが、琴の音色に導かれて足が向かう。その曲は扶揺にとって聴き慣れた曲だった。
弾いていた男の背中を扶揺が陰から見ていると、兵が来て「聖女は天権に着きましたが、誰も滞在先を知りません」と報告する。
兵が下がり、弾いていた男が顔を横に向ける。その男が軒轅旻だと分かり、怒りがこみ上げて来る扶揺。
扶揺は軒轅旻の所へ行き「嘘つき」と言う。扶揺を見た軒轅旻は驚き「捜しに来たな。元気か?」と聞く。「私の物を返して」と扶揺が言う。軒轅旻は扶揺の元へ行き、強く抱きしめる。「ずっと君のことを考えていた。片時も忘れず」と言う軒轅旻。複雑な気持ちのまま、扶揺は軒轅旻から離れる。「この嘘つき。いつも嘘ばかり。一体あなたは誰?まあ、いいわ。物を返して」と扶揺は言う。軒轅旻は自分の身につけていた五色石を扶揺に差し出す。扶揺が取ろうとすると渡さず「玄霊真葉は?」と軒轅旻が言う。扶揺は首にかけていた玄霊真葉を渡し、五色石を受け取ると去ろうとする。
扶揺の腕をつかみ「久しぶりだぞ。話はないのか?」と軒轅旻が言う。「嘘つきに話したいことなんてない。何か悪巧みがあって、ここにいるのね」と返す扶揺。軒轅旻は笑い「私は天権の皇太子」と言う。扶揺が「あなたが天権の皇太子?」と聞き返すと「…の幕僚。元昭詡だ」と言う軒轅旻。扶揺が「まただますのね。本当ならば皇太子に会わせて」と言う。
軒轅旻が「なぜだ」と言い、扶揺は「天権へ来る途中、皆が言ってたの。無極皇太子はとても賢く、この世に並ぶ者はいないと。そんな人がいる?」と話す。「いるさ。太淵での行動は皇太子の命令だった」と言う軒轅旻。扶揺が「皇太子もろくな人でないわ」と言うと、軒轅旻は「天権で皇太子の悪口をいうと、あとが怖いぞ」と注意する。
軒轅旻は扶揺を妓楼へ連れて行く。酒を飲みながら「あなたは、この妓楼によく来てるの?」と扶揺が聞く。軒轅旻は笑い「やきもちか?」と言う。しばらく軒轅旻と見つめあったあと「まさか」と言う扶揺。
扶揺が「なぜ五色石を盗んだの?」と聞く。軒轅旻は「再会するため」と答える。「この嘘つき。嘘つきに話ても仕方ないわ」と言って扶揺が立つ。酔ってふらついている扶揺を支える軒轅旻。
扶揺が「約束よ、もう何も言わずに去らないで」と言う。軒轅旻は「約束する」と言って口づけしようとする。しかし「嘘つき!」と言って扶揺が軒轅旻から離れてしまう。「何だよ」と言って扶揺を連れて歩き始める軒轅旻。扶揺は立ち止まると、自分から軒轅旻に口づけする。
妓楼にいた徳王の元に長孫平戎が会いに来る。長孫平戎は「皇太子は長年不在で皇帝は体が弱く、朝廷のことはほぼ叔父上と私で担ってきました。今になって皇太子に譲るなど叔父上はできますか」と言う。しかし徳王は長孫平戎の話に興味を示さない。それでも「私の計画が危ぶまれたら私のほうへついてください」と頼む長孫平戎。徳王は「不満を私に話すべきではない。朝廷の事はもう私に関係ない。お前の話も私は聞いてないことにする」と返す。
長孫平戎は「あの時の狩り場でのことを忘れたのですか?」と脅すように言う。そして「ご存じのとおり無極は叔父上を目障りだと。無極が皇帝になれば叔父上を許さないでしょう」と話す長孫平戎。徳王は笑い「大皇子が来るとは知らず、良いお茶も用意せず失礼だった。屋敷に戻り美味しいお茶を持ってこよう。十分にもてなしたい。翊王よ」と言う。「どうぞお構いなく」と言って長孫平戎は部屋を出て行く。
「私のことを許せないのは無極ではなく、あいつだろう」とつぶやく徳王。
朝議で段潼が「皇太子が不在のため、今日のことは翊王に任せようではないか」と言う。しかしこれは妥当ではないのでは?」と言う長孫平戎。段潼は「ご存じのとおり翊王は南戎へ向かった時、将兵たちに凱旋後の褒賞を約束している。大軍が帰り、すでに数日が経つ。2度上奏しているが皇太子が帰ったら支給すると言い逃れを。これ以上は待てません」と話す。「もっともだ。しかし出征の統帥者は平戎殿下。殿下が自ら褒賞を承認しては何か疑いをもたれるのでは?」と言う雷元山。
段潼は「功績に対し褒美を与えるのは当たり前のこと。何が疑わしい?これ以上延ばすと疑いの噂が出ますぞ」と言う。「兵は血戦し命と引き換えに南戎を平穏に収めた。褒賞をもらって当然だ。皇太子が同意しないなら皇帝に聞くんだ」と言う長孫平戎。
その様子を別の場所で無極に見せていた皇帝は「皆が捜している時に、お前は美人と一緒だったのか。色ごとには積極的だな」と言う。「こ存じで」と言う無極。皇帝は「お前の道理を聞きたい」と言う。今日は内廷が平戎の軍に褒賞を与える日だ、人の心を取り込む絶好の機会、だがお前はわざと逃げた、その役を平戎に譲った、なぜだ?、と。
部屋に入った徳王が歌い始める。そこに別の場所から皇后が入って来。皇后は屏風越しに「徳王が歌うのは虞水調」と言う。「いらっしゃるとは知らず、失礼しました」と詫びる徳王。皇后は「虞水調の歌は男が晩年に幼なじみを思い起こす物語。このような古い歌を一人で歌うと、さらに寂しさが増す。無極が帰ってきました」と話す。徳王は「承知です」と答える。「平戎は度量が狭く、他人が差し出るのを許せない。いずれにせよ無極こそが私の産んだ子。徳王に思いがあるなら少し指摘を」と頼む皇后。
徳王は「優秀な皇太子が帝位を継げば人々も喜びます。この私でもお役に立てれば」と言う。屏風から姿を現した皇后は「無極に代わり、徳王に感謝いたします」と話す。
「私はまだ用がございますので」と言って徳王が部屋を出て行こうとする。その背中に向かい「徳王はまだ晩年でない。虞水調はあまり歌わない方がいいわ」と言う皇后。
「兄上の兵の手柄なら兄上が褒賞を与えればいい」と無極は皇帝に言う。皇帝は笑い「兄と奪い合いたくないのか?それたも悪事に関わりたくない?またはこの大軍は平戎が育てた腹心だから使いたくないのか?」と聞く。「すべてです」と答える無極。うなずいた皇帝は「自分の考えを持つのはいい」と言う。
「太淵の話を」と言う皇帝。無極は「父上のおかげで私は太淵の力を弱めました。ご存知でしょう。私は太淵国王になりました。太淵は戦が収まり、しばらくは平穏なはず」と話す。皇帝は「よし、実によくやった。お前は穹蒼で10年学び、兵士を使わず太淵を弱めた。私と政権を分担する時が来た」と言う。「はい」と答える無極。そこに「陛下、皇后が陛下と皇太子を宴席へお招きです」と宦官が伝えに来る。
無極が「どうしましょう」と尋ねる。「今、皇太子が」と宦官に答える皇帝。
皇帝は「私は年を取り気力が萎えた。朝廷の重要なことは臣下に任せ、平戎と徳王にも多くのことを分担している。お前は皇太子であるが、朝廷には土台がない。分かってるな。国家と政権と王権の争いは食うか食われるかだ。息子よ、お前はまだ若い。何事にもよく配慮しろ」と話す。無極は「父上は養生を。残りのことは私が」と言い、皇帝はうなずく。
皇帝が「行け」と言って、無極はその場を後にする。
扶揺は言いにくそうに「元昭詡は幼い頃から無極皇太子と一緒なの?」と宗越に尋ねる。「うん」と言う宗越。扶揺は「年は大体26歳?」と聞く。また宗越は「うん」と言う。「ねえ」と扶揺が言っても宗越が「うん」と言い「少しは話してよ」と不機嫌になる扶揺。宗越は「聞きたいのは皇太子の話?元昭詡の話?」と言う。扶揺は恥ずかしそうに俯く。
それぞれ別の場所から歩いて来た無極と徳王。徳王が挨拶をするが、無極は何も言わず歩いて行ってしまう。
ーつづくー
扶揺たちが宗越と会えて良かった。
宗越が上陽宮に行かせたのも、わざとだよね!?(๑>◡<๑)
扶揺も軒轅旻と再会できて嬉しそう(*´艸`*)
五色石が戻ったのも良かったかな?
扶揺から口づけされて、目を見開く軒轅旻の姿が面白かった(≧▽≦)
江楓が出てこないね…。
あの時、亡くなってしまったのかな?(*´Д`*)
それとも怪我をしてどこかで休んでいるのかな?
あんなに仲が良かった?のに軒轅旻も何も言わないし(;д;)
徳王も謎な人…。
扶揺はまだ軒轅旻が皇太子=無極だと分かってないので、扶揺といる時は軒轅旻のままにしました。
元昭詡と名乗ったけど、それも、すぐに嘘だと気づかれそうだから( ̄▼ ̄|||)
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