扶揺(フーヤオ)…ヤン・ミー
長孫無極(ちょうそんむきょく)…イーサン・ルアン
江楓(こうふう)… ガオ・ハンユー
長孫迥(ちょうそんけい)/皇帝…ワン・ジンソン
「誅殺の命」
扶揺は「無極はよく分かっています。この世の多くは正否ではなく利害が優先される。だから無極の決定に口は出せません」と皇后に話す。これまではあなた方が正否を決めて来た、本人の願いや痛みも無視して無極を望むままに磨き上げた、無極は冷静で責任感のある人、あの人の決定には考えがあるはず、ですから私は口出ししないと。それでも「今度ばかりは誤ってはならないの」と言う皇后。扶揺は理由を聞くが皇后は言うことができない。「無極が道を誤っても私が共に歩みます。必要なのは策士でなく同志。ですから、すみません」と言って、扶揺はその場を後にする。
扶揺が部屋を出ると無極が立っていた。「いつここへ?」と扶揺が聞くと「すべて聞いた。ありがとう」と言う無極。扶揺が「早く母上にご挨拶を」と言い、無極は頷いて部屋に入って行く。
無極に会い「あなたが砂漠で死んだなど信じなかった。我が生涯、宮中の奥にあってあなただけが唯一の心の支え。あなたが死んだら宮中のつらい年月に何の意味があろう」と涙を流す皇后。無極は「ご心配かけた罪をお許しください」と詫びる。皇后が「こたびの帰還では宮中に長くいておくれだね」と聞く。「朝廷で雑事が多く、あまり顔を出せません」と言う無極。徳王のせいだと思った皇后は「陛下が…」と言いかけるが、無極は「朝廷の問題です。どうか、お気になさらぬよう」とさえぎってしまう。
「もし私がお願いしたら…」と言う皇后。しかし無極は「言ってはならぬことと言わなくてよいことがある。私は分をわきまえています」と言う。
「皇太子の自分を忘れず、国を重んじます。謀反を懲らす決意は決して揺るぎません」と言う無極。皇后は「ならば、もしも…徳王が…。あの方が…、あの方こそお前の…」と真実を話そうとする。だが陛下の使いで韓林が清神湯を持って来たため話すことができない。
無極や韓林が部屋から出て行き「菩薩様、私の罪の深さゆえか。お願いです。私の無極を出陣させないで」と皇后は泣き崩れる。
徳王は長孫平戎と会う。1刻も待たされた平戎は「我が8万の兵は命を懸け支援に来た。叔父上が私を軽んじ面子を失わせる気なら、私は途中で兵を戻し叔父上を討つこともできる。忘れるな。退路は断たれているのだ」と言う。笑った徳王は「それは言いすぎだ。退路を断たれた者は多いぞ。翊王もその1人であろう」と返す。「何?」と言う平戎に「お主の軍を軽んじてはせぬ。だが開戦を前にして8万の軍はすでに6万しか残っておらん。ずいぶん減ったな」と言う徳王。平戎は「ならば私を縛って人質にし、皇城に撤兵を迫るか」と言い返す。
頷いた徳王は「いざという時には、それも妙案かもな」と言う。しかし「今のお主には人質の価値もない。お節は無極殺害を謀り、やつが守る女も傷つけた。その無極がお主を救うため兵を退くと?まして、あの皇帝は気にかけているのは己一人だ」と言う徳王。平戎が「無極が恨むのは私一人だと?最も恨むのは、あなただ。皇后のこと、誰も知らぬと思うな。宮中はあなたが思うより風通しがいい。叔父上に申し上げる。慈悲は禁物ですぞ」と言う。
徳王は「挙兵を決めた時、慈悲の心など捨てた。確かに清嵐殿の方のための挙兵だったが、戦場でもしも皇太子の兵と出会ったなら決して手加減などせぬ」と話す。「勇ましい言葉だが本当に無極を殺せば皇后に恨まれる」と言う平戎。徳王は「恨むがよい。私と共におればいつか忘れる日も来よう。食うか食われるかの時、選択肢は常に1つだ」と言う。平戎は徳王の覚悟を聞き「叔父上に従おう」と返す。「よろしい。ならば宮中の細工も出番がきたな」と言う徳王。
仏前で祈っていた皇后は部屋に入ってきた黒装束の男たちに連れ去られてしまう。その皇后がいた場所に軒轅暁が座るが、軒轅暁も別の男たちによって意識を失わされ運ばれて行く。
「どうも奇妙だ」と無極が扶揺に話す。ここ数年、徳王は慎重に国事全般をそつなくこなし過失もない、十分な勝算もなくなぜ謀反を?と。そんな話の最中、皇后がいなくなったという知らせが。「まさか誘拐?」と言う江楓。無極は「私が行く」と言って歩き出すが、意識を失って倒れてしまう。
無極は天機上師に呼び出され罰を受けていた。苦しみながら「少しだけ時間を」と言う無極。しかし天機上師は時間がないと許さない。「まだ引き延ばすならお前は五州に災いを呼ぶ。私情のため掟を乱し、人命を省みぬ。お前は長孫迦と同じだ」と言う天機上師。無極は、天権の危機が去れば必ずここに戻り罰を受けます、と頼む。
無極の手当てをした扶揺が部屋から出てくる。心配する江楓に「皇后様は?賊は何人いたの?」と聞く扶揺。江楓は「2組とか…。別々に潜入し、同時に行動を」と言う。
訓練され、土地勘もあり、正確に皇后をさらったことから、扶揺は宮中の者の犯行だと考える。「一体、誰が」と扶揺が言うと「うかつには言えませんが、しかし…」と躊躇する江楓。扶揺が「徳王ね」と言う。江楓は「隠密の報告では賊が北に向けて脱出したと。江北には反乱軍の陣が。皇后を人質に殿下に降伏を迫るのでは」と話す。
扶揺が人目を気にしながら歩いていると、後ろから布を口元に当てられ眠らされてしまう。
無極は徳王の元へ行こうとする。しかし江楓が、動けば相手の思うつぼ、徳王の目的は殿下一人、皇后や扶揺さんは殺しません、と必死に止める。そこに韓林が「殿下が至急、お会いしたいと」と伝えに来る。
無極が陛下と会う。陛下は無極をそばへ呼び「長孫迦の反乱は予見していた。平戎が風見鶏とも知っていた。だが、まさか皇后に手を出すとは思わなかった。無極、兵は集まったか」と言う。「今夜か遅くとも明朝」と答える無極。皇帝は「信じられるのはお前だけだ。お前がいれば私が今、世を去っても野辺の送りは息子に頼める」と話す。そして「お前だけが頼りだ。あの年、御狩り場で徳王の矢がお前を射そうになった。今になって悟った。逃れ得ぬ宿命だ。お前と徳王、生き残るは1人」と言う皇帝。
無極は「生死は運命なれど、ご安心ください。私も今、死ぬ気はない」と言う。頷いた皇帝は無極に剣を渡す。持っていけ、出陣せよ、朕に代わりて長孫迦を誅せと。「逆賊はこれを誅すべし。大義を全うします。しかし…」と言う無極。皇帝は「母が心配なのであろう?長い年月が経った。もう、お前に真実を教えてもよかろう」と言う。そして、当時、徳王と皇后は確かに誰もがうらやむ2人だった、私もお前の母を愛していたがあの2人は相思相愛で私が奪うことはできなかった、と話す皇帝。
「しかし母の心に徳王がいたのなら、一体、なぜ…」と無極が言う。皇帝は「そうとも。私も最初はいぶかった。清旖はなぜ入宮したのかと。私は考えた。皇后の玉座も皇后の威厳も、確実に己一人のものとなる。望まぬ者がおろうか。かくして、お前の母は入宮し多くを手にした。人は何かを得れば、さらに多くを望む。あの頃、私は日夜政務に忙しく皇后は冷遇されていると不満を感じた。そして昔の徳王との愛情を思い出した。徳王はお前の母の自分への信頼につけ込み、皇后を利用した。密かに私に毒を盛ったのだ」と言って咳き込む。
「幸い、私は命を永らえた。だが私の体は、もはや政務には堪えられぬ。朝議に出ることもできず、煉丹炉で毎日薬を煎じ、体内の毒を抑えるのが精一杯なのだ。当時のお前は穹蒼の修行から帰らず、平戎では大任に堪えぬ。誰にも話せず、仕方なく私は無知を装った。皇后を恨むでない。私愛した女であり、お前を生み育てた母だからだ。過ちを許してやるのだ。だが、お前の叔父・長孫迦は決して許さぬ。どうすべきか分かるな」と話す皇帝。無極は「分かっております」と言う。皇帝がいかなる手段を用いても、お前がその手でやつを殺せと告げる。「ご命令に従います」と言って無極は部屋を出て行く。
配下が連れてきた皇后に会いに行った徳王。しかし、それは皇后ではなく、妻・軒轅暁だった。軒轅暁に短剣で襲われた徳王は驚く。「阿融か?」と言う徳王。軒轅暁は徳王の頬を叩き「私の名を覚えておったか。私があなたの妻であることも。幼名で呼んでいいのはあなただけ。だが、それも終わりだ」と泣きながら言う。徳王はこれまで行方の分からなかった軒轅暁の体を心配する。「死を免れた私に息災かと聞くか」と言う軒轅暁。
軒轅暁は皇后の居場所は殺されても教えないと言う。「殺すものか。お前は私の妻だ」と言う徳王。軒轅暁は「妻?私を妻と思ったことがあって?いいや、ありはしない。始めから、あなたの愛情は嘘だった。その心に私の居場所はなかった。あなたにとって私は身代わりで隠れみの。利用するための、ばかな女」と言う。徳王は「確かにお前との婚姻は太淵を籠絡するためもあった。だが、お前を粗末にしたことはない。しかるべき地位も十分な恩寵もお前に与えたはず。お前自身が捨てたのだ」と話す。
「私が捨てた?あの時、私が漣と出ていった。それは、あの女と醜聞のせいと?知らないのね。あの時、何があったのか。漣に何が起こったか。私がどうやって生き延びたか」と言う軒轅暁。徳王が何があったか聞くが、軒轅暁は「今さらどうしようもない。私は刺客。失敗した以上、どうしようと構わぬ」と言う。
無極は反乱軍が女性を捕らえ、徳王の命で厚遇されていると知る。江楓が「皇后様では?」と言う。
さらう相手を間違えたと知り、平戎が徳王の元へ来る。徳王が「宮中の手先はお主の配下。計画を知るのは我らのみ。なのに、なぜ手違いが?」と聞く。疑われ「私を信じぬなら、なぜ同盟した」と言う平戎。密告などしていないと。徳王が「誰が情報を漏らしたかなど、どうでもよい。失敗した以上、宮中に再び潜入はできぬ。出陣しかないか。勝てば救出の道もある。負ければすべてご破算だ」と言う。
劉家軍8万は未着で、糧秣も不足していた。平戎は「今、出陣すれば自殺行為だ」と言う。しかし「お主の意見など無用。出陣せぬとも天権の軍は向かってきておる。お主に留まれとは言わぬ。好きにしろ」と言う徳王。徳王に「出ていけ」と怒鳴られ、平戎は怒って出て行く。
外にいた徐来に「荷物をまとめろ。ここを去る」と平戎は言う。
意識の戻った扶揺は、鎖でつながれている自分に驚く。目の前で同じように鎖でつながれていた皇后が「ここは天権の極秘の密室。我らを拘束しているのは、この100年誰にも解けぬ禁錮の鎖。ここに閉じ込めれば逃げられぬと思っている。生かすも殺すも、残るも滅ぶも、あの方の一存。我らのことは誰にも知られまい」と話す。「徳王は君子に見えたけど、こんなに卑怯とは。皇后にまで」と言う扶揺。皇后は「誰が捕らえたか分からぬか?分からぬのだな。このすべてを背後で操る者は誰か。徳王など、あの方の相手にもならぬ」と言う。
ーつづくー
「無極が道を誤っても私が共に歩みます」という扶揺の言葉がよかった(*´艸`*)
無極を信じてるから言える言葉だよね。
聞いていた無極も嬉しかったと思う。
皇后にとってはつらいと思うけど…(;д;)
軒轅暁って以前は危ない人に見えたのに、今回の登場では全然違う!!
しかも、お顔も別人みたい(๑°⌓°๑)
恨みのために刺客になってほしくなかったな。
囚われてしまった扶揺と皇后。
捕らえた人は、もちろんあの人…。(ㅎωㅎ*)
うむむむむむ。
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長孫無極(ちょうそんむきょく)…イーサン・ルアン
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扶揺は「無極はよく分かっています。この世の多くは正否ではなく利害が優先される。だから無極の決定に口は出せません」と皇后に話す。これまではあなた方が正否を決めて来た、本人の願いや痛みも無視して無極を望むままに磨き上げた、無極は冷静で責任感のある人、あの人の決定には考えがあるはず、ですから私は口出ししないと。それでも「今度ばかりは誤ってはならないの」と言う皇后。扶揺は理由を聞くが皇后は言うことができない。「無極が道を誤っても私が共に歩みます。必要なのは策士でなく同志。ですから、すみません」と言って、扶揺はその場を後にする。
扶揺が部屋を出ると無極が立っていた。「いつここへ?」と扶揺が聞くと「すべて聞いた。ありがとう」と言う無極。扶揺が「早く母上にご挨拶を」と言い、無極は頷いて部屋に入って行く。
無極に会い「あなたが砂漠で死んだなど信じなかった。我が生涯、宮中の奥にあってあなただけが唯一の心の支え。あなたが死んだら宮中のつらい年月に何の意味があろう」と涙を流す皇后。無極は「ご心配かけた罪をお許しください」と詫びる。皇后が「こたびの帰還では宮中に長くいておくれだね」と聞く。「朝廷で雑事が多く、あまり顔を出せません」と言う無極。徳王のせいだと思った皇后は「陛下が…」と言いかけるが、無極は「朝廷の問題です。どうか、お気になさらぬよう」とさえぎってしまう。
「もし私がお願いしたら…」と言う皇后。しかし無極は「言ってはならぬことと言わなくてよいことがある。私は分をわきまえています」と言う。
「皇太子の自分を忘れず、国を重んじます。謀反を懲らす決意は決して揺るぎません」と言う無極。皇后は「ならば、もしも…徳王が…。あの方が…、あの方こそお前の…」と真実を話そうとする。だが陛下の使いで韓林が清神湯を持って来たため話すことができない。
無極や韓林が部屋から出て行き「菩薩様、私の罪の深さゆえか。お願いです。私の無極を出陣させないで」と皇后は泣き崩れる。
徳王は長孫平戎と会う。1刻も待たされた平戎は「我が8万の兵は命を懸け支援に来た。叔父上が私を軽んじ面子を失わせる気なら、私は途中で兵を戻し叔父上を討つこともできる。忘れるな。退路は断たれているのだ」と言う。笑った徳王は「それは言いすぎだ。退路を断たれた者は多いぞ。翊王もその1人であろう」と返す。「何?」と言う平戎に「お主の軍を軽んじてはせぬ。だが開戦を前にして8万の軍はすでに6万しか残っておらん。ずいぶん減ったな」と言う徳王。平戎は「ならば私を縛って人質にし、皇城に撤兵を迫るか」と言い返す。
頷いた徳王は「いざという時には、それも妙案かもな」と言う。しかし「今のお主には人質の価値もない。お節は無極殺害を謀り、やつが守る女も傷つけた。その無極がお主を救うため兵を退くと?まして、あの皇帝は気にかけているのは己一人だ」と言う徳王。平戎が「無極が恨むのは私一人だと?最も恨むのは、あなただ。皇后のこと、誰も知らぬと思うな。宮中はあなたが思うより風通しがいい。叔父上に申し上げる。慈悲は禁物ですぞ」と言う。
徳王は「挙兵を決めた時、慈悲の心など捨てた。確かに清嵐殿の方のための挙兵だったが、戦場でもしも皇太子の兵と出会ったなら決して手加減などせぬ」と話す。「勇ましい言葉だが本当に無極を殺せば皇后に恨まれる」と言う平戎。徳王は「恨むがよい。私と共におればいつか忘れる日も来よう。食うか食われるかの時、選択肢は常に1つだ」と言う。平戎は徳王の覚悟を聞き「叔父上に従おう」と返す。「よろしい。ならば宮中の細工も出番がきたな」と言う徳王。
仏前で祈っていた皇后は部屋に入ってきた黒装束の男たちに連れ去られてしまう。その皇后がいた場所に軒轅暁が座るが、軒轅暁も別の男たちによって意識を失わされ運ばれて行く。
「どうも奇妙だ」と無極が扶揺に話す。ここ数年、徳王は慎重に国事全般をそつなくこなし過失もない、十分な勝算もなくなぜ謀反を?と。そんな話の最中、皇后がいなくなったという知らせが。「まさか誘拐?」と言う江楓。無極は「私が行く」と言って歩き出すが、意識を失って倒れてしまう。
無極は天機上師に呼び出され罰を受けていた。苦しみながら「少しだけ時間を」と言う無極。しかし天機上師は時間がないと許さない。「まだ引き延ばすならお前は五州に災いを呼ぶ。私情のため掟を乱し、人命を省みぬ。お前は長孫迦と同じだ」と言う天機上師。無極は、天権の危機が去れば必ずここに戻り罰を受けます、と頼む。
無極の手当てをした扶揺が部屋から出てくる。心配する江楓に「皇后様は?賊は何人いたの?」と聞く扶揺。江楓は「2組とか…。別々に潜入し、同時に行動を」と言う。
訓練され、土地勘もあり、正確に皇后をさらったことから、扶揺は宮中の者の犯行だと考える。「一体、誰が」と扶揺が言うと「うかつには言えませんが、しかし…」と躊躇する江楓。扶揺が「徳王ね」と言う。江楓は「隠密の報告では賊が北に向けて脱出したと。江北には反乱軍の陣が。皇后を人質に殿下に降伏を迫るのでは」と話す。
扶揺が人目を気にしながら歩いていると、後ろから布を口元に当てられ眠らされてしまう。
無極は徳王の元へ行こうとする。しかし江楓が、動けば相手の思うつぼ、徳王の目的は殿下一人、皇后や扶揺さんは殺しません、と必死に止める。そこに韓林が「殿下が至急、お会いしたいと」と伝えに来る。
無極が陛下と会う。陛下は無極をそばへ呼び「長孫迦の反乱は予見していた。平戎が風見鶏とも知っていた。だが、まさか皇后に手を出すとは思わなかった。無極、兵は集まったか」と言う。「今夜か遅くとも明朝」と答える無極。皇帝は「信じられるのはお前だけだ。お前がいれば私が今、世を去っても野辺の送りは息子に頼める」と話す。そして「お前だけが頼りだ。あの年、御狩り場で徳王の矢がお前を射そうになった。今になって悟った。逃れ得ぬ宿命だ。お前と徳王、生き残るは1人」と言う皇帝。
無極は「生死は運命なれど、ご安心ください。私も今、死ぬ気はない」と言う。頷いた皇帝は無極に剣を渡す。持っていけ、出陣せよ、朕に代わりて長孫迦を誅せと。「逆賊はこれを誅すべし。大義を全うします。しかし…」と言う無極。皇帝は「母が心配なのであろう?長い年月が経った。もう、お前に真実を教えてもよかろう」と言う。そして、当時、徳王と皇后は確かに誰もがうらやむ2人だった、私もお前の母を愛していたがあの2人は相思相愛で私が奪うことはできなかった、と話す皇帝。
「しかし母の心に徳王がいたのなら、一体、なぜ…」と無極が言う。皇帝は「そうとも。私も最初はいぶかった。清旖はなぜ入宮したのかと。私は考えた。皇后の玉座も皇后の威厳も、確実に己一人のものとなる。望まぬ者がおろうか。かくして、お前の母は入宮し多くを手にした。人は何かを得れば、さらに多くを望む。あの頃、私は日夜政務に忙しく皇后は冷遇されていると不満を感じた。そして昔の徳王との愛情を思い出した。徳王はお前の母の自分への信頼につけ込み、皇后を利用した。密かに私に毒を盛ったのだ」と言って咳き込む。
「幸い、私は命を永らえた。だが私の体は、もはや政務には堪えられぬ。朝議に出ることもできず、煉丹炉で毎日薬を煎じ、体内の毒を抑えるのが精一杯なのだ。当時のお前は穹蒼の修行から帰らず、平戎では大任に堪えぬ。誰にも話せず、仕方なく私は無知を装った。皇后を恨むでない。私愛した女であり、お前を生み育てた母だからだ。過ちを許してやるのだ。だが、お前の叔父・長孫迦は決して許さぬ。どうすべきか分かるな」と話す皇帝。無極は「分かっております」と言う。皇帝がいかなる手段を用いても、お前がその手でやつを殺せと告げる。「ご命令に従います」と言って無極は部屋を出て行く。
配下が連れてきた皇后に会いに行った徳王。しかし、それは皇后ではなく、妻・軒轅暁だった。軒轅暁に短剣で襲われた徳王は驚く。「阿融か?」と言う徳王。軒轅暁は徳王の頬を叩き「私の名を覚えておったか。私があなたの妻であることも。幼名で呼んでいいのはあなただけ。だが、それも終わりだ」と泣きながら言う。徳王はこれまで行方の分からなかった軒轅暁の体を心配する。「死を免れた私に息災かと聞くか」と言う軒轅暁。
軒轅暁は皇后の居場所は殺されても教えないと言う。「殺すものか。お前は私の妻だ」と言う徳王。軒轅暁は「妻?私を妻と思ったことがあって?いいや、ありはしない。始めから、あなたの愛情は嘘だった。その心に私の居場所はなかった。あなたにとって私は身代わりで隠れみの。利用するための、ばかな女」と言う。徳王は「確かにお前との婚姻は太淵を籠絡するためもあった。だが、お前を粗末にしたことはない。しかるべき地位も十分な恩寵もお前に与えたはず。お前自身が捨てたのだ」と話す。
「私が捨てた?あの時、私が漣と出ていった。それは、あの女と醜聞のせいと?知らないのね。あの時、何があったのか。漣に何が起こったか。私がどうやって生き延びたか」と言う軒轅暁。徳王が何があったか聞くが、軒轅暁は「今さらどうしようもない。私は刺客。失敗した以上、どうしようと構わぬ」と言う。
無極は反乱軍が女性を捕らえ、徳王の命で厚遇されていると知る。江楓が「皇后様では?」と言う。
さらう相手を間違えたと知り、平戎が徳王の元へ来る。徳王が「宮中の手先はお主の配下。計画を知るのは我らのみ。なのに、なぜ手違いが?」と聞く。疑われ「私を信じぬなら、なぜ同盟した」と言う平戎。密告などしていないと。徳王が「誰が情報を漏らしたかなど、どうでもよい。失敗した以上、宮中に再び潜入はできぬ。出陣しかないか。勝てば救出の道もある。負ければすべてご破算だ」と言う。
劉家軍8万は未着で、糧秣も不足していた。平戎は「今、出陣すれば自殺行為だ」と言う。しかし「お主の意見など無用。出陣せぬとも天権の軍は向かってきておる。お主に留まれとは言わぬ。好きにしろ」と言う徳王。徳王に「出ていけ」と怒鳴られ、平戎は怒って出て行く。
外にいた徐来に「荷物をまとめろ。ここを去る」と平戎は言う。
意識の戻った扶揺は、鎖でつながれている自分に驚く。目の前で同じように鎖でつながれていた皇后が「ここは天権の極秘の密室。我らを拘束しているのは、この100年誰にも解けぬ禁錮の鎖。ここに閉じ込めれば逃げられぬと思っている。生かすも殺すも、残るも滅ぶも、あの方の一存。我らのことは誰にも知られまい」と話す。「徳王は君子に見えたけど、こんなに卑怯とは。皇后にまで」と言う扶揺。皇后は「誰が捕らえたか分からぬか?分からぬのだな。このすべてを背後で操る者は誰か。徳王など、あの方の相手にもならぬ」と言う。
ーつづくー
「無極が道を誤っても私が共に歩みます」という扶揺の言葉がよかった(*´艸`*)
無極を信じてるから言える言葉だよね。
聞いていた無極も嬉しかったと思う。
皇后にとってはつらいと思うけど…(;д;)
軒轅暁って以前は危ない人に見えたのに、今回の登場では全然違う!!
しかも、お顔も別人みたい(๑°⌓°๑)
恨みのために刺客になってほしくなかったな。
囚われてしまった扶揺と皇后。
捕らえた人は、もちろんあの人…。(ㅎωㅎ*)
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