縛り上げた祖珽に「先刻、朕が申したことを覚えておろうな。八つ裂きだ。その前にお前の両目をえぐり出してやろうか」と言う宇文邕。祖珽は震える声で慈悲を請う。宇文邕は解毒薬のことを聞くが、祖珽は解毒薬など持っていなかった。必ずや拵えると言う祖珽に「朕は手を下さぬ」と宇文邕が言い、蘭陵王が入って来る。
「後はおぬしにまかせよう」と言う宇文邕。蘭陵王は「国を乱し、民を苦しめた罰だ」と言い、祖珽を斬ってしまう。
幕舎を出て行こうとする宇文邕を止めた蘭陵王は「雪舞と会わずに行くのか」と聞く。宇文邕は振り向かずに「おぬしが会ってやれ」と返す。蘭陵王は宇文邕の肩を手を強く握り先に出て行く。その途端、苦しみ出す宇文邕。
眠らされていた雪舞が目を覚ます。側には楊士深が立っていた。体を起こした雪舞は、一緒に捕まっていた宇文邕を心配する。「無事です。殿下が見送りに」とつい言ってしまう楊士深。「殿下?ずっと気になっていたのよ。隠し事があるわね。話して、どういうこと?」と問い詰める雪舞。楊士深は言葉を詰まらせる。
仮面の義士は雪舞の寝ていた場所へ行くが、雪舞の姿はどこにもない。楊士深の名を呼ぶ仮面の義士の背後から「いないわ。帰ってもらったの」と言う雪舞の声が聞こえて来る。「何と呼べばいいのかしら?仮面の義士?あるいは命の恩人?それとも…殿下?」と言う雪舞。「1年よ。会えなくなってしまってから1年。何ゆえ私に顔を見せようとしてくれなかっの?」と雪舞は言う。目の前にいるあなたを"殿下"と呼ぶ夢、数え切れぬほど見た、いつも泣きながら目を覚ましたと。
「私に顔を見せて」と言い、雪舞は仮面の義士の元へ歩いて行く。雪舞が仮面の紐に手を持っていくと、その手を止めるように義士は自分の手を添える。その義士の手をそっと自分の手から離し、雪舞は仮面の紐をほどく。仮面が地面に落ち、ゆっくり雪舞は義士の前へ。涙を流す蘭陵王。「夢じゃない、あなたなのね」と涙を流す雪舞に「さよう。そばにいた。君に気付かれぬよう、陰ながら見守っていた」と言い、蘭陵王は雪舞を抱き締める。
「君を抱き締めたい。それだけが願いだった。ありがとう。苦しみに耐え、平安を生んでくれた」と言う蘭陵王。雪舞は「そんなこと言わないで。お礼なんて。私こそ謝らなきゃ。たった一人で別れの苦しみに耐えたのでしょう?私たちを守るために。あなたは独りぼっちで姿を隠していた。ねえ、約束して。これからは一緒に立ち向かうって。もう私を一人にしないで」と言う。雪舞を見ながら蘭陵王は約束し、再び雪舞を抱き締める。そんな二人を宇文邕が見ていた。
宇文邕が立ち去るのを見て、雪舞は蘭陵王にここで待つように言うと宇文邕を追いかける。
「阿怪」と呼び止める雪舞。立ち止まった宇文邕に「お別れを言いに来たの?」と聞く。背を向けたまま「朕の役目はもはやここまでだ。よかったな、蘭陵王が生きていた」そう言うと、宇文邕は笑顔を作り雪舞に振り向く。「朕も嬉しいぞ」と言う宇文邕。雪舞は宇文邕の前まで行くと「ありがとう。誠に感謝してる」と言う。「想いはかなわなかった。なれど、そなたの友として、朕は多くの喜びを得た。誠だ。心より幸せを感じた」と言う宇文邕。そんな宇文邕が突然苦しみだす。
心配する雪舞に「構うでない」と言い、宇文邕は気を失っている間に祖珽にひどく殴られたようだとごまかす。宇文邕は「もう行かねば」と言うが、その前に手を握ってほしいと雪舞に頼む。「かつて朕は暗闇の中にいた。なれどあの村でそなたの手が温もりを教えてくれた」と。雪舞は宇文邕の左手を両手で握る。「朕を阿怪として覚えていてくれ」と言う宇文邕。雪舞は笑顔でうなずく。
雪舞から手を離し「思い詰めるな。永の別れではないぞ。またいつか、そなたと会える日が来るだろう。息災でな」と言い、宇文邕は行ってしまう。
雪舞の横に来た蘭陵王は、雪舞の肩を抱き「得難き友だ」と一緒に見送る。
馬に乗り宮殿に戻る途中"雪舞。朕の想いは高長恭にも劣らぬぞ。そなたのためなら命を捨てても惜しくはない。願わくば高長恭よりも早くそなたに出会いたかった"と思う宇文邕。そして宇文邕は吐血をし「飲まされたのは猛毒であったか」と苦しそうに言う。
雪舞と蘭陵王は手をつなぎながら雪舞の住む家に戻ってくる。「夢みたい。あなたにまた会えて、あなたの手をもう一度握れるなんて。今、気付いたわ。指の節がこんなに硬いのね。もう二度と離しはしない」と言う雪舞。蘭陵王は「君の手は柔らかかったが、今では荒れてしまった」とすまなそうに言う。雪舞は「これは母の誇りよ」と言うが。すいぶんと苦労をかけた言う蘭陵王。雪舞は首を横に振ると「大好きなあなたの手の温もりで癒されたわ。殿下。これら何が起きても、私の手の温もりも忘れないで。ずっと覚えてて」と言う。蘭陵王はうなずく。そこに平安を抱いたおばさまが来る。
おばさまは蘭陵王だと気付かず、おののいてしまう。慌てて雪舞が「殿下よ。生きていたの」と伝える。おばさまは雪舞に平安を渡し、離ればなれだった家族が一つになれたと涙を流しながら天に感謝する。
雪舞は蘭陵王に平安を抱かせる。平安の顔を見ながら「母親似だな」と嬉しそうに言う蘭陵王。
村の皆に知らせてくると言うおばさまを、雪舞は急いで止める。殿下は死を賜った時に高長恭のの人生を捨てた、これからは一人の父として生きる、それに私たちもうすぐ斉に帰ると。おばさまは危ない斉になど行かず、ここで暮らせばいいと言うが、殿下は仮面の義士で妻として共に行きたいと雪舞は話す。
おばさまが行き、平安をあやす蘭陵王の姿に雪舞は涙が溢れて来る。
幾月か前に作ったばかりの地図を見ながら、宇文邕は「この地図を認めはせぬぞ」と宇文神挙に話す。惜しいことにこの地図には目障りな文字が書かれていると。「その文字とは?」と神挙が聞くと、宇文邕は"斉"を指差す。
「機は熟した。兵を挙げて斉を滅ぼす」と言う宇文邕。「今こそ北方の統一を果たそうぞ」と。神挙はひざまずき「覇業、必ずや相成りましょう」と言う。その時、宇文邕が苦しみだす。宇文邕は神挙にすぐさま戦の準備にかかるよう言い、侍医は一人で来させるよう命じる。
宇文邕が飲まされた薬は特殊なものだった。毒はすでに五臓六腑へ達し、解毒薬を調合することもできないのではと案じていると侍医は話す。「余命はどれほどだ」と聞く宇文邕に、長くとも三年と答える侍医。宇文邕は侍医が下がった後、地図を見ながら"三年。わずか三年の間に天下を統一せねばならぬとは。よかろう。かくなる上は雪舞を失った胸の痛みすら三年耐えれば消えてなくなるということよ"と思う。
阿史那皇后はこの一ヵ月、水しか口にしていなかった。弱った阿史那皇后の元に宇文邕が来る。宇文邕は阿史那皇后の好きな鶏の吸物を持ってきていた。それを宇文邕の手から皇后の口へ運ぶ。優しい宇文邕に、楊雪舞への嫉妬にかられるあまり刺客を仕向けるという罪を犯した「許してくださいますか」と涙を流す皇后。宇文邕は「済んだことだ。今日から朕とそなたで歩んでまいろう」と言う。皇后はその言葉に喜び感謝する。しかし、皇后が寄り添おうとすると、よける宇文邕。そして宇文邕は「父君の突厥王に文を書いてほしい」と言う。こたびの戦では中立を守ってくださるよう切に願うと書いてほしいと。
「やはりお許しくださらぬのですね。戻られてすぐさま済の国を攻めるとおっしゃるのは、楊雪舞がお心を動かしたゆえでしょう?」と言う皇后。それには答えず、宇文邕はただちに文をしたためるように言う。そして「心得るがよい。朕の思いは天下統一のみ。いかなる恋情も捨てる」と言う宇文邕。「夫婦の情けすらないとおっしゃるのですか?」と皇后が言うと、宇文邕はこれより一切朕の心情に訴えてはならぬ、演じればいいのだ、皇帝と皇后が互いを敬う芝居をな、と言い行こうとする。そんな宇文邕を呼び止める皇后。
陛下に嫁いだその日より自らの思いを封じ込めてきた、陛下と周の国に尽くそうとただ一心に、妻として夫に尽くすものと信じてた、教えてくれた将棋も陛下の考え通りに駒を進めてきたが、今になって陛下が指す手はいつでも楊雪舞のためのものだと思い知らされた、私はどのようについてまいればよいのでしょうか、と皇后は涙を流しながら言う。振り向かなかった宇文邕も涙を流していた。その涙を悟られないように「突厥王への文を、明日、しかと用意せよ」と宇文邕は言う。
部屋を出た後、宇文邕は流した涙を拭く。そして「皇后を侍医に診せよ。よいか。朕の体のこと皇后に知らせてはならぬ」と宇文神挙に言う宇文邕。"朕は雪舞と蘭陵王の生き方からあることを学んだ。人は時として相手を深く愛すればこそ、やるせないほどの無情を貫かねばならぬものなのだ。今、そなたに冷たく接しておけば、三年が過ぎ朕の命が尽きたとしても強く生きていけるであろう"と宇文邕は思う。
宮中で物乞いの格好をする高緯。高緯は鄭児に「いっそ何もかも手放してやろうと思った。ところが手放そうにも朕はもとより物乞い同然。何ひとつ持っておらなんだ」と言う。「総てをなくそうとも私がおりますわ」と鄭児が言うと「小憐(鄭児)?そなたは、まだ朕のものか?」と言う高緯。鄭児はいつまでも陛下のそばにいると言う。そして「お薬がまだでございましょう?」と言い、鄭児は高緯に薬を差し出す。その薬を飲み「朕はな、小憐がくれるものなら喜んで飲むぞ。そなたがおればそれでよいのだ」と言い、疲れたと鄭児の膝枕で横になる。
祖珽の率いた部隊から副将が戻ってくる。仮面の賊に捕らえられ、祖珽は蘭陵王によって斬られたと鄭児に報告する副将。「蘭陵王?」と鄭児は驚く。
蘭陵王と雪舞は、平安と一緒に蘭陵王が母と過ごした家で暮らし始めていた。蘭陵王は平安が愛しくてたまらない。
雪舞は一度は盗まれた布で蘭陵王の衣を作っていた。あなたのことを思い出しながら衣を縫ったと話す雪舞。そして後ろから蘭陵王を抱き締め「認めたくないけれど、かように今があるのも馮小憐のおかげね。あの人に命を助けられて、あなたは戻ってきてくれた。ここにこうして立って、衣を着てくれている」と雪舞は言う。
雪舞のほうを向き「怒らぬのか。今頃現れて命拾いをしておきながら危険に飛び込むことを」と蘭陵王は聞く。雪舞は「たとえ軍神・蘭陵王であろうと、仮面の義士であろうと、あなたは民のために戦う人よ。いつでも命を捨てる覚悟で一人旅立つあなたに、私は総て承知で仮面を手渡すの」と答える。蘭陵王は雪舞を抱き締める。
武平7年。宇文邕の親征軍による斉への進攻が始まる。
宇文邕は楊堅の"短期決戦を制しうる戦略は、敵の不意をついた北方からの奇襲"という策が自分の策と一致していると言い、北からの奇襲で平陽と晋陽の二城を落とし、鄴に攻め込むことを決める。「三度の決戦にて斉を滅ぼす」と告げる宇文邕。
ーつづくー
蘭陵王と雪舞が再会できてよかった"(ノ_・、)"
ようやく抱く事が出来て、蘭陵王も平安が可愛くて仕方ない感じ。
雪舞の買った布で衣が作れたのも嬉しい。
でも…小馬ちゃんがやっぱり悲しくて(TωT)
小馬ちゃん………(;_;)
もう、もう何を言っていいのか分からない。
小馬ちゃんのしていることが総て切ない。
阿史那皇后を突き放すのも優しさだなんて(;△;)
祖珽ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ(*`ω´*)
解毒薬もない毒を飲ませるなんて、何て事をなんて事をしてくれたんだ!!!
きーーーーーーーっヾ(`Д´*)ノ
そしてそして、あの方が再びの登場です。
おヒゲさんもお似合いでした~(*⌒ー⌒*)
立派でしたね。
ここから最終話まで登場するのかな?
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だけど小馬!皇后様にあの態度は良くないよ・・・蘭陵王には腹にパンチしてまで諭してたのに、自分も同じ事をやっているよ・・・。あれも優しさと言えば優しさかもしれないけど、ちゃんと真実を話して共に闘った方が絶対相手にとっても良いのに・・・皇后様は聡明だから毒の事は決して外部には漏らさないだろうし、あんな風に大切に想う人を傷つけちゃ駄目でしょ・・・。
しかしこのドラマって「強く愛する人たち」のお話だなあ、と思います。
蘭陵王と雪舞同士は勿論、宇文ヨウは雪舞を、テイジは蘭陵王を、高緯はテイジを、皇后様は宇文ヨウを強く愛している。
片思いが多いですけど(両思いは主人公二人だけかな)皆どうにもならないくらい相手が好きですね。
あのテイジですら、蘭陵王と一緒にいられるなら、皇后の位も捨て5年でも10年でも20年でも愛してくれるのを待つと言う。
あの高緯ですら、テイジになら殺されてもいいと思う。
テイジも高緯もどーしょーもない人たちですけど、自分が好きな相手への気持ちは本物なんでしょうね。
優し過ぎる(;_;)毒の件も誰にも言わないなんて…
3年って~ちょっとビックリそんな毒があるなんて~毎日飲まされるわけじゃないのに?
1回で?血を吐いているのに??とちょっとね…ツッコミたかったかな(^_^;)
高緯…あれは何??もう皇帝ではないね~立ち直れないって事ですか~
雪舞が蘭陵王の背中からてをまわして抱き合うのが良かった~
蘭陵王、無精髭似合ってる~結構こういう顔好きかも(≧∇≦)
平安のベッド、ゆりかごになってたんだ~
子馬ちゃん、天下統一って言ってたね…戦うんだよね~
心配!
あっ!皇后がちょっと可哀想だったかも~子馬ちゃん、それはちょっと違うよ~
うささん、こちらもありがとうございます。
でも!!子馬ちゃんが…(TT)
再会を喜ぶ二人を天幕の外から見てる姿はあまりにも可哀想で…
雪舞との別れの時も手ではなく雪舞を抱きしめたかったのでは(;△;)
祖テイの毒のことは結局、蘭陵王も雪舞も知らないままなのかな?
解毒剤がない上、余命3年…
皇后への態度は私も毒のこと言ってもいいんじゃと思ったけど、愛もないしこの選択になるのかな…(ToT)
あんな高緯が皇帝の斉を周が攻める。
歴史通りになるのかな?
蘭陵王と雪舞、宇文ヨウ。みんなの運命はどうなるのか…
今から続きを見ます(*^^*)
なにがって?
素敵な人ばっかじゃーん!
蘭陵王、大好きです。その表情、、笑顔も涙を流す姿も素敵。途中、ふんずけてやろうかって時もありましたが、見た目で許してました。
そこへ宇文YO やってくれます。男らしい。いや、人間として、尊敬してしまいます。
最初のころ、蘭陵王より宇文YO が好評だったと聞いて、???と思っていましたが、今はうなずけます。
そして、、、、。
神挙さま、、、、。雪舞が毒をあおった時は、何て嫌なヤツと思いましたが、平安が生まれた時のあの笑顔。ツボにはまりました。
もうあと少し、、、、(;_;)/~~~寂しいです。
雪舞も最終的には助けられないかもしれないけど
恩人がピンチの時なら何か手立てを講じてくれたのでは・・・
宇文ヨウも男のプライドとかで相談できなかったのかナ
せっかく会えた蘭陵王との再会に水を差したくなかったのかナ・・・
いずれにせよ、誰にとっても大切な周の皇帝陛下なので
もう少し自分自身の身を大事に、延命できる手立てを考えて欲しかった
なんだか毒のまわりが早くて、吐血して体調悪いし、顔色もなんだか悪く感じます
3年もつの?ホントに心配です
子馬ちゃん、愛しているからこそ雪舞を蘭陵王に再びかえしたんだよね。前と違って雪舞とは手を握り友として別れを告げたのは良かったよね。でも毒のことを相談したら、蘭陵王から手下に毒薬や解毒薬をききだせかもしれないのに。
蘭陵王がずーっと平安を抱っこしてる、それを雪舞が見ている、、本当に大人になって、母になって、短い間に苦労して再会できてよかった!この二人は老夫婦のような絆を感じます。この髪型もお髭もよいけどもう少しだけ髪をまとめて欲しいなぁ~
と思いながら、四爺にあっさり切らせるなんて、
本当に大丈夫でしょうか???
小馬ちゃんも主役の二人から
学んだことがあるのでしょうけれど、
そもそもが優しい役柄なのですよね。
今回と言えば、あの方がステキ過ぎました。
黒い鎧でしたが、あのきらりとした目と
凛々しい口元に目が釘付けでした。
眼福、眼福♪