涙を拭き、鄭児は高緯を出迎える。「寝る折りは必ず側におる約束であったろ」と言う高緯。早く戻ろうと言う高緯に、鄭児は庭園の花を見ていたら誠によい気分になった、陛下もご一緒にと誘う。「あぁ、参ろう」と高緯は返事をする。そんな二人を蘭陵王は見つめていた。そして高緯は自分たちを見ている蘭陵王に気づく。高緯の驚いた顔にハッとし、鄭児も蘭陵王を見る。同じように気づき、驚く四喜。
蘭陵王はその場を去るが、高緯はいた場所から目が離せず「今、そこに蘭陵王の亡霊が」と青ざめる。鄭児はわざと悲鳴を上げ高緯にしがみつき、三人は腰を抜かしてしまう。「蘭陵王の亡霊が復讐に現れたのだ。読経だ。蘭陵王を成仏させよ」と怯える高緯。
蘭陵王に脅された場所にそっと戻ってきた鄭児は、床に落ちていた髪飾りを拾い「殿下、いったい幾度、私の心を傷つけるの。もう愚かなまねはしない。追い詰めてやるわ、再び私の前に現れるように」と涙を流す。
雪舞が起きると「巳の刻に陛下が御書房でお待ちとのこと」と宮女に言われる。阿史那皇后の気持ちを考え、今日は眠くて仕方がない、政の話は私ではなく大臣にと伝えてほしいと言い、雪舞はまた寝台に横になる。
眠いと報告された宇文邕は、寝殿に見舞いに行く。しかし雪舞は寝殿にはいなかった。
雪舞は貞のところにいた。「皇帝陛下がおなり」という声を聞き、雪舞はちょっとした遊びをしようと、貞と一緒に隠れてしまう。宇文邕は宮女に2人がどこにいるのか聞くが、宮女にも分からない。
阿史那皇后は宇文邕に拝謁する。立ち止まった宇文邕は面を上げるように言うが、すぐに忙しいと行ってしまう。「陛下、私のことをまだお怒りなのですか」とつぶやく阿史那皇后。
宇文神挙は「勅命です。明日、陛下と共に農地を視察なさるようにと」と雪舞に伝える。助言通りにし、収穫量は増加したが、都の外では収穫量が減っている地もある。理由を探るため、現地まで赴いてほしいと。「されど…」と雪舞は言いかけるが、公務であり、妃様の提案だと言われ、雪舞はそれ以上は何も言えない。
貼り出されたお触書を見ながら「蘭陵王はお気の毒だ。国に忠義を尽くされたというのに」と言っている民を蘭陵王は見かける。その男に声をかけ、蘭陵王が死んで王妃がどうなったか聞く蘭陵王。男は声を落としながら、皇后が王妃の命を狙ったが、周の皇帝が救い出し、連れ帰ったらしいと言う。王妃が幸せなのか?と蘭陵王が言うと、宝物みたいに扱われ、皇帝が妃に迎えたとかと答える男。男はあの世で蘭陵王が知ったら、お心を痛めるだろうと言いながら行ってしまう。蘭陵王は「心が痛むのは一時。蘭陵王はこうなることを承知の上だったゆえ」とつぶやく。
馬車から降りた雪舞は「地方官がいるはずよ。どこなの?」と御者に聞く。その時「あの沙汰は他の者に任せた」と言う声がする。その声の主は馬車の後を馬でつけてきていた宇文邕だった。「どうやら、のどかな田園を見るのが好きらしい。道中、中からずっと外を眺めていたな」と言う宇文邕。出立する時は姿も見せなかったのに今になって現れるなんて、と雪舞は怒る。「ならば宮中で会ってくれるのか」と宇文邕は少し寂しそうに言う。
宮殿に戻る、と馬車に雪舞は乗ろうとするが、朕の命なく御者が従うと思うかと宇文邕に言われてしまう。怒っている雪舞は宇文邕が乗ってきた馬に乗ろうとし、慌ててお腹に子のいる雪舞を止める宇文邕。「かように遠くまで馬車に乗せておいて、子供を気にかけているというの?」と言う雪舞。宇文邕は「気にかけているからこそ、拒まれても耐えている」と言う。いかなることをしても、そなたに会いたかったと。
「言ったはずよ。私、あなたを愛せない」と言う雪舞。宇文邕は「避けられているのが何よりもつらい」と言う。理由は分かるはず、私は鄭児が現れひどく苦しんだ、皇后様に私と同じ思いは絶対に味わってほしくない、私たちが一緒ではきっと苦しむ、駄目よ、夫婦の仲を壊す、と雪舞は話す。「勝手な思い込みだ。朕と皇后との関係はいわば兄妹。そなたがいるからといって、変わる仲ではない」と宇文邕は言う。そなたが去ったとしても、男女の愛が芽生えることはない、国のために周りの者が選び定めた皇后だと。そして「約束する。二度と愛は語らぬ。ゆえに、もう朕を避けるな」と言う宇文邕。
阿史那皇后は宇文邕が侍従もつけず、雪舞を連れ遠出したと報告で聞く。陛下が天女だけを頼るなら自分のいる必要がどこにあると激怒する阿史那皇后。「皇后に成り代わることなど、決して許したりするものか」と。
周にどれくらいの僧侶がいるか調べるよう宇文邕は命じる。必要なら還俗させ、国力の強化を図ると大臣に。そこに阿史那皇后が来る。
「今年も盂蘭盆会が近付いております。身分に関わらず、自恣僧に施しをすることで父母の恩に報いる日。盂蘭盆会は重要な仏事ゆえ、ちまたより広く僧侶となる者を募り、備えるべきかと」と言う阿史那皇后。
雪舞は素晴らしいお考えだが、周にはすでに十分な数の僧侶がいるのでは、と阿史那皇后に話す。昨日、兵役や農作から逃れるため、数多の者が僧を名乗っていた、国にとって大いなる損失だと。「まさか、盂蘭盆会を軽んじると?ならば孝行という美徳を捨てるのが国にとってよいことでも申すのか」と言う阿史那皇后。しかし宇文邕も「盂蘭盆会は考え直す必要がありそうだ」と言う。
今までは賛同なさっていたはずだと阿史那皇后は言うが、宇文邕は農作から逃れるため出家する者がおると気づいたと返す。そして、僧侶は国が養うもの、このままだと国力は衰える一方だ、朕は天女の意見に従う、僧侶を還俗させ国力の一層の強化を図る、と言う。阿史那皇后は「承知致しました」と言い、出て行く。
寝殿に戻った阿史那皇后は、仏のご加護を受けてきた国なのに陛下は正しい判断が出来なくなっていると怒りが収まらない。「天女には消えてもらう時がきた」と言う阿史那皇后。
侍医に見てもらった雪舞は、あと幾日かで子供が産まれると聞かされる。雪舞と宇文邕が喜んでいると、阿史那皇后が来る。
阿史那皇后は「子を産むには玉仏事がうってつけだわ。数奇な人生を送ってきたのでしょう?ならば子は霊験あらたかな寺院で産んでは。さすればお釈迦様のご加護が得られる」と雪舞に話す。「それは…」と躊躇する雪舞に「嫌だと言うの」と言う阿史那皇后。雪舞は慌てて「ご迷惑でないでしょうか」と言う。二人の会話を聞いていた宇文邕は、侍医の意見を聞き、雪舞は玉仏事へ行くことに。
玉仏事で過ごすことになった雪舞。宇文邕は宇文神挙に雪舞を警護させていた。
神挙は兵から僧侶の様子がおかしいと報告される。
夜。雪舞が過ごすことになった部屋の外で、世話をしていた宮女が殺される。子供が危険を雪舞に知らせるように、お腹の様子がおかしくなる雪舞。
宇文神挙は兵と一緒に僧侶たちと剣を交え始めたが、雪舞は気づかない。侍医を呼んでも来てくれないため、扉を開けた雪舞は、ようやく宮女が殺され、宇文神挙たちが僧侶と戦っていることを知る。雪舞に逃げるように言う宇文神挙。
痛いお腹を我慢し、雪舞は必死で逃げだす。そんな雪舞を一人の僧侶が追いかける。
阿史那皇后の寝殿に宇文邕が来る。「何ゆえ急にお越しになられたのでしょう」と阿史那皇后が言うと「随分と妙な事を申す。皇后の寝殿を訪れて何が悪い。もしや朕に隠し事でも?」と言う宇文邕。宇文邕は阿史那皇后に近くへ来るように言う。
自分の前まで来た阿史那皇后に、先日、雪舞から子を産んだ後はここを去り、どこかで静かに暮らしたい、と言われたと宇文邕は話す。周を離れ、もう戻らぬ覚悟のようだと。「陛下は反対なさったのでしょう?」と聞く阿史那皇后。しかし宇文邕は「許した」と答える。驚いた阿史那皇后に「朕の心は皇后そなた一人のものだ。やむなく雪舞を妃にしたが、ようやく子が産まれる。斉の刺客も諦めたはず。役目は果たした」と宇文邕は言う。
「聞かせてくれ、皇后の考えを」と宇文邕から言われ、阿史那皇后はじっと宇文邕を見つめた後「陛下の仰せに従います」と目を落とす。
必死で逃げていた雪舞は転んでしまう。僧侶に追いつかれ、剣を振り上げられる雪舞。その時、剣を持つ僧侶の手に石が飛んで来る。現れた黒衣の兵士は僧侶を倒し、立てずにいた雪舞に手を差し出す。雪舞は結髪を持った手でその手に自分の手を添え立たせてもらう。「ありがとう」と言う雪舞。人の声が聞こえ、黒衣の兵士は「ご自愛なされよ」と言うとその場から去って行く。
宇文神挙が駆けつけると、すぐに雪舞は陣痛に襲われる。急いで宇文神挙たちは安全な場所を探すことに。
運ばれてきたお茶を「陛下どうぞ」と言いながら阿史那皇后は差し出す。その茶を振り払い「一体、いつまで白を切り通すつもりだ。あくまで雪舞を許さぬのだな。皇后よ、そなたは変わった」と怒りのこもった声で言い、宇文邕は出て行きそうに。そんな宇文邕に必死にしがみつき「私が間違っておりました。今すぐ命を撤回し、天女を宮殿に迎えます。ゆえにお許しください」と訴える阿史那皇后。宇文邕は「もう遅い」と怒鳴ると、阿史那皇后の手を振り払い行ってしまう。「陛下、お待ちを。陛下」と泣き叫ぶ阿史那皇后。
雪舞はある家で出産をすることになる。家の外ではそっと現れた蘭陵王が、心配そうに見守っていた。
難産の雪舞は気を失ってしまう。そして蘭陵王の夢を見る雪舞。「ありがとう。子供のために生きてくれた。君ならできる。目覚めよ」と言う蘭陵王。うなずいた雪舞は意識を取り戻す。
ようやく生まれた子供は男の子だった。ほっとする蘭陵王。雪舞は子供の名を"平安"と名付ける。「ここまでつらいことがたくさんあったわ。幾度も涙した。多くの人が亡くなった。だけど、こうして生まれてきてくれたの。決して裕福になってほしいとは思わない。平安な人生を送ってほしい」と涙を流す雪舞。雪舞は宇文神挙たちに、私とこの子に力をかしてくれてありがとうと言う。そして雪舞は蘭陵王の玉佩を平安の胸に置く。
雪舞はふと見た窓の外に何かが置いてあることに気づく。取ってきてもらうとそれは"流星球花"だった。その花を手にした雪舞は、泣きながら平安に花を見せ「分かる?父上は誰に頼んだのかしら。もしや五色の鳥。それともこの母を励まそうとご自分で持ってきたの?」と雪舞は言う。
雪舞はなぜ僧侶が自分を殺そうとしたのか宇文神挙に聞く。神挙はおそらく皇后様の指図だと答える。それを聞いた雪舞は、静かでここは落ち着く、宮殿には戻らない、この子と二人でここに住む、と言う。これ以上、皇后様と陛下の不和を招きたくないと。
神挙殿のおかげで救われたと言う雪舞は、逃げる途中で禁衛軍の兵が現れなければ僧侶に殺されていたと話す。しかし神挙は自分は何もしていない、単独で動いていた兵はいないと言う。
禁衛軍の仮面を取った蘭陵王は"雪舞、平安よ、会うわけにはいかぬ。私は死んだ人間。これよりも陰からそっと見守ることしか出来ぬ"と思う。
宮殿に戻った神挙は、無事に雪舞が出産したことを宇文邕に話す。そして僧侶たちが"子が生まれる前に殺せ"という皇后の命を受けていたことを報告する。「仏教は殺生を禁ずる。伝令せよ。玉仏寺の僧侶を殺せ。僧侶でありながら、自ら仏の道に背いた。崇高なる仏の教えはもはや我が国には残っておらぬ。仏道を汚す僧侶などいらぬ。還俗させ農耕に従事させよ」と怒鳴る宇文邕。外で聞いていた熱心な仏教徒の皇后は「なりませぬ」と思わず飛び出してしまう。それを無視し「勅命である。殺せ」と命じる宇文邕。
阿史那皇后は宇文邕の前にひざまずき「おわびします。罰するならこの私を。我が国には寺と僧侶が必要なのです」と言う。宇文邕はしゃがむと睨みつけながら「慈悲なき冷酷な皇后よ。そなたの願いを聞くと思うか?」と言うと皇后の手をとり立たせる。そして「長き付き合い、皇后の位を奪いはせぬ。すべて与えよう。朕の心の他は。朕がそなたの願いを聞くと思うな。そなたの言葉に価値などあらぬ」と言い放ち宇文邕は行ってしまう。涙を流し立ち尽くす皇后。
斉で蘭陵王は子供が売られ、誰もが飢えている状況を目の当たりにする。「高緯よ。私との約束はどうなった」とつぶやく蘭陵王。
ーつづくー
蘭陵王の"亡霊"を見て「何て恐ろしい」って言いながら鄭児が高緯にしがみついたところが、白々しくて可笑しくて可笑しくて(≧∇≦)ノ彡
ここを何度も見ちゃった。
雪舞が無事に子供を産めてよかったヽ(;▽;)ノ
何より蘭陵王が側にいたことが嬉しい。
でも、蘭陵王はいつ雪舞の妊娠を知ったのかな?
子供がいると分かった時の蘭陵王が見たかったかも…。
宇文神挙が平安の手を触ったのが可愛くて。しかも嬉しそうに(*´艸`*)
雪舞が出産する時は、自分の子供が生まれるみたいにちょっとそわそわしていたし。
素敵な一面(*´ω`*)
阿史那皇后は可哀想だけど、やり過ぎちゃったね。
宇文邕が誰よりも好きな人を傷つけたら、やっぱり許さないよね。宇文邕の性格からして(o´д`o)=3
そして宇文邕も悲しいよね…(;_;)
大好きな雪舞に側にいることすら拒まれて…。
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蘭陵王はその場を去るが、高緯はいた場所から目が離せず「今、そこに蘭陵王の亡霊が」と青ざめる。鄭児はわざと悲鳴を上げ高緯にしがみつき、三人は腰を抜かしてしまう。「蘭陵王の亡霊が復讐に現れたのだ。読経だ。蘭陵王を成仏させよ」と怯える高緯。
蘭陵王に脅された場所にそっと戻ってきた鄭児は、床に落ちていた髪飾りを拾い「殿下、いったい幾度、私の心を傷つけるの。もう愚かなまねはしない。追い詰めてやるわ、再び私の前に現れるように」と涙を流す。
雪舞が起きると「巳の刻に陛下が御書房でお待ちとのこと」と宮女に言われる。阿史那皇后の気持ちを考え、今日は眠くて仕方がない、政の話は私ではなく大臣にと伝えてほしいと言い、雪舞はまた寝台に横になる。
眠いと報告された宇文邕は、寝殿に見舞いに行く。しかし雪舞は寝殿にはいなかった。
雪舞は貞のところにいた。「皇帝陛下がおなり」という声を聞き、雪舞はちょっとした遊びをしようと、貞と一緒に隠れてしまう。宇文邕は宮女に2人がどこにいるのか聞くが、宮女にも分からない。
阿史那皇后は宇文邕に拝謁する。立ち止まった宇文邕は面を上げるように言うが、すぐに忙しいと行ってしまう。「陛下、私のことをまだお怒りなのですか」とつぶやく阿史那皇后。
宇文神挙は「勅命です。明日、陛下と共に農地を視察なさるようにと」と雪舞に伝える。助言通りにし、収穫量は増加したが、都の外では収穫量が減っている地もある。理由を探るため、現地まで赴いてほしいと。「されど…」と雪舞は言いかけるが、公務であり、妃様の提案だと言われ、雪舞はそれ以上は何も言えない。
貼り出されたお触書を見ながら「蘭陵王はお気の毒だ。国に忠義を尽くされたというのに」と言っている民を蘭陵王は見かける。その男に声をかけ、蘭陵王が死んで王妃がどうなったか聞く蘭陵王。男は声を落としながら、皇后が王妃の命を狙ったが、周の皇帝が救い出し、連れ帰ったらしいと言う。王妃が幸せなのか?と蘭陵王が言うと、宝物みたいに扱われ、皇帝が妃に迎えたとかと答える男。男はあの世で蘭陵王が知ったら、お心を痛めるだろうと言いながら行ってしまう。蘭陵王は「心が痛むのは一時。蘭陵王はこうなることを承知の上だったゆえ」とつぶやく。
馬車から降りた雪舞は「地方官がいるはずよ。どこなの?」と御者に聞く。その時「あの沙汰は他の者に任せた」と言う声がする。その声の主は馬車の後を馬でつけてきていた宇文邕だった。「どうやら、のどかな田園を見るのが好きらしい。道中、中からずっと外を眺めていたな」と言う宇文邕。出立する時は姿も見せなかったのに今になって現れるなんて、と雪舞は怒る。「ならば宮中で会ってくれるのか」と宇文邕は少し寂しそうに言う。
宮殿に戻る、と馬車に雪舞は乗ろうとするが、朕の命なく御者が従うと思うかと宇文邕に言われてしまう。怒っている雪舞は宇文邕が乗ってきた馬に乗ろうとし、慌ててお腹に子のいる雪舞を止める宇文邕。「かように遠くまで馬車に乗せておいて、子供を気にかけているというの?」と言う雪舞。宇文邕は「気にかけているからこそ、拒まれても耐えている」と言う。いかなることをしても、そなたに会いたかったと。
「言ったはずよ。私、あなたを愛せない」と言う雪舞。宇文邕は「避けられているのが何よりもつらい」と言う。理由は分かるはず、私は鄭児が現れひどく苦しんだ、皇后様に私と同じ思いは絶対に味わってほしくない、私たちが一緒ではきっと苦しむ、駄目よ、夫婦の仲を壊す、と雪舞は話す。「勝手な思い込みだ。朕と皇后との関係はいわば兄妹。そなたがいるからといって、変わる仲ではない」と宇文邕は言う。そなたが去ったとしても、男女の愛が芽生えることはない、国のために周りの者が選び定めた皇后だと。そして「約束する。二度と愛は語らぬ。ゆえに、もう朕を避けるな」と言う宇文邕。
阿史那皇后は宇文邕が侍従もつけず、雪舞を連れ遠出したと報告で聞く。陛下が天女だけを頼るなら自分のいる必要がどこにあると激怒する阿史那皇后。「皇后に成り代わることなど、決して許したりするものか」と。
周にどれくらいの僧侶がいるか調べるよう宇文邕は命じる。必要なら還俗させ、国力の強化を図ると大臣に。そこに阿史那皇后が来る。
「今年も盂蘭盆会が近付いております。身分に関わらず、自恣僧に施しをすることで父母の恩に報いる日。盂蘭盆会は重要な仏事ゆえ、ちまたより広く僧侶となる者を募り、備えるべきかと」と言う阿史那皇后。
雪舞は素晴らしいお考えだが、周にはすでに十分な数の僧侶がいるのでは、と阿史那皇后に話す。昨日、兵役や農作から逃れるため、数多の者が僧を名乗っていた、国にとって大いなる損失だと。「まさか、盂蘭盆会を軽んじると?ならば孝行という美徳を捨てるのが国にとってよいことでも申すのか」と言う阿史那皇后。しかし宇文邕も「盂蘭盆会は考え直す必要がありそうだ」と言う。
今までは賛同なさっていたはずだと阿史那皇后は言うが、宇文邕は農作から逃れるため出家する者がおると気づいたと返す。そして、僧侶は国が養うもの、このままだと国力は衰える一方だ、朕は天女の意見に従う、僧侶を還俗させ国力の一層の強化を図る、と言う。阿史那皇后は「承知致しました」と言い、出て行く。
寝殿に戻った阿史那皇后は、仏のご加護を受けてきた国なのに陛下は正しい判断が出来なくなっていると怒りが収まらない。「天女には消えてもらう時がきた」と言う阿史那皇后。
侍医に見てもらった雪舞は、あと幾日かで子供が産まれると聞かされる。雪舞と宇文邕が喜んでいると、阿史那皇后が来る。
阿史那皇后は「子を産むには玉仏事がうってつけだわ。数奇な人生を送ってきたのでしょう?ならば子は霊験あらたかな寺院で産んでは。さすればお釈迦様のご加護が得られる」と雪舞に話す。「それは…」と躊躇する雪舞に「嫌だと言うの」と言う阿史那皇后。雪舞は慌てて「ご迷惑でないでしょうか」と言う。二人の会話を聞いていた宇文邕は、侍医の意見を聞き、雪舞は玉仏事へ行くことに。
玉仏事で過ごすことになった雪舞。宇文邕は宇文神挙に雪舞を警護させていた。
神挙は兵から僧侶の様子がおかしいと報告される。
夜。雪舞が過ごすことになった部屋の外で、世話をしていた宮女が殺される。子供が危険を雪舞に知らせるように、お腹の様子がおかしくなる雪舞。
宇文神挙は兵と一緒に僧侶たちと剣を交え始めたが、雪舞は気づかない。侍医を呼んでも来てくれないため、扉を開けた雪舞は、ようやく宮女が殺され、宇文神挙たちが僧侶と戦っていることを知る。雪舞に逃げるように言う宇文神挙。
痛いお腹を我慢し、雪舞は必死で逃げだす。そんな雪舞を一人の僧侶が追いかける。
阿史那皇后の寝殿に宇文邕が来る。「何ゆえ急にお越しになられたのでしょう」と阿史那皇后が言うと「随分と妙な事を申す。皇后の寝殿を訪れて何が悪い。もしや朕に隠し事でも?」と言う宇文邕。宇文邕は阿史那皇后に近くへ来るように言う。
自分の前まで来た阿史那皇后に、先日、雪舞から子を産んだ後はここを去り、どこかで静かに暮らしたい、と言われたと宇文邕は話す。周を離れ、もう戻らぬ覚悟のようだと。「陛下は反対なさったのでしょう?」と聞く阿史那皇后。しかし宇文邕は「許した」と答える。驚いた阿史那皇后に「朕の心は皇后そなた一人のものだ。やむなく雪舞を妃にしたが、ようやく子が産まれる。斉の刺客も諦めたはず。役目は果たした」と宇文邕は言う。
「聞かせてくれ、皇后の考えを」と宇文邕から言われ、阿史那皇后はじっと宇文邕を見つめた後「陛下の仰せに従います」と目を落とす。
必死で逃げていた雪舞は転んでしまう。僧侶に追いつかれ、剣を振り上げられる雪舞。その時、剣を持つ僧侶の手に石が飛んで来る。現れた黒衣の兵士は僧侶を倒し、立てずにいた雪舞に手を差し出す。雪舞は結髪を持った手でその手に自分の手を添え立たせてもらう。「ありがとう」と言う雪舞。人の声が聞こえ、黒衣の兵士は「ご自愛なされよ」と言うとその場から去って行く。
宇文神挙が駆けつけると、すぐに雪舞は陣痛に襲われる。急いで宇文神挙たちは安全な場所を探すことに。
運ばれてきたお茶を「陛下どうぞ」と言いながら阿史那皇后は差し出す。その茶を振り払い「一体、いつまで白を切り通すつもりだ。あくまで雪舞を許さぬのだな。皇后よ、そなたは変わった」と怒りのこもった声で言い、宇文邕は出て行きそうに。そんな宇文邕に必死にしがみつき「私が間違っておりました。今すぐ命を撤回し、天女を宮殿に迎えます。ゆえにお許しください」と訴える阿史那皇后。宇文邕は「もう遅い」と怒鳴ると、阿史那皇后の手を振り払い行ってしまう。「陛下、お待ちを。陛下」と泣き叫ぶ阿史那皇后。
雪舞はある家で出産をすることになる。家の外ではそっと現れた蘭陵王が、心配そうに見守っていた。
難産の雪舞は気を失ってしまう。そして蘭陵王の夢を見る雪舞。「ありがとう。子供のために生きてくれた。君ならできる。目覚めよ」と言う蘭陵王。うなずいた雪舞は意識を取り戻す。
ようやく生まれた子供は男の子だった。ほっとする蘭陵王。雪舞は子供の名を"平安"と名付ける。「ここまでつらいことがたくさんあったわ。幾度も涙した。多くの人が亡くなった。だけど、こうして生まれてきてくれたの。決して裕福になってほしいとは思わない。平安な人生を送ってほしい」と涙を流す雪舞。雪舞は宇文神挙たちに、私とこの子に力をかしてくれてありがとうと言う。そして雪舞は蘭陵王の玉佩を平安の胸に置く。
雪舞はふと見た窓の外に何かが置いてあることに気づく。取ってきてもらうとそれは"流星球花"だった。その花を手にした雪舞は、泣きながら平安に花を見せ「分かる?父上は誰に頼んだのかしら。もしや五色の鳥。それともこの母を励まそうとご自分で持ってきたの?」と雪舞は言う。
雪舞はなぜ僧侶が自分を殺そうとしたのか宇文神挙に聞く。神挙はおそらく皇后様の指図だと答える。それを聞いた雪舞は、静かでここは落ち着く、宮殿には戻らない、この子と二人でここに住む、と言う。これ以上、皇后様と陛下の不和を招きたくないと。
神挙殿のおかげで救われたと言う雪舞は、逃げる途中で禁衛軍の兵が現れなければ僧侶に殺されていたと話す。しかし神挙は自分は何もしていない、単独で動いていた兵はいないと言う。
禁衛軍の仮面を取った蘭陵王は"雪舞、平安よ、会うわけにはいかぬ。私は死んだ人間。これよりも陰からそっと見守ることしか出来ぬ"と思う。
宮殿に戻った神挙は、無事に雪舞が出産したことを宇文邕に話す。そして僧侶たちが"子が生まれる前に殺せ"という皇后の命を受けていたことを報告する。「仏教は殺生を禁ずる。伝令せよ。玉仏寺の僧侶を殺せ。僧侶でありながら、自ら仏の道に背いた。崇高なる仏の教えはもはや我が国には残っておらぬ。仏道を汚す僧侶などいらぬ。還俗させ農耕に従事させよ」と怒鳴る宇文邕。外で聞いていた熱心な仏教徒の皇后は「なりませぬ」と思わず飛び出してしまう。それを無視し「勅命である。殺せ」と命じる宇文邕。
阿史那皇后は宇文邕の前にひざまずき「おわびします。罰するならこの私を。我が国には寺と僧侶が必要なのです」と言う。宇文邕はしゃがむと睨みつけながら「慈悲なき冷酷な皇后よ。そなたの願いを聞くと思うか?」と言うと皇后の手をとり立たせる。そして「長き付き合い、皇后の位を奪いはせぬ。すべて与えよう。朕の心の他は。朕がそなたの願いを聞くと思うな。そなたの言葉に価値などあらぬ」と言い放ち宇文邕は行ってしまう。涙を流し立ち尽くす皇后。
斉で蘭陵王は子供が売られ、誰もが飢えている状況を目の当たりにする。「高緯よ。私との約束はどうなった」とつぶやく蘭陵王。
ーつづくー
蘭陵王の"亡霊"を見て「何て恐ろしい」って言いながら鄭児が高緯にしがみついたところが、白々しくて可笑しくて可笑しくて(≧∇≦)ノ彡
ここを何度も見ちゃった。
雪舞が無事に子供を産めてよかったヽ(;▽;)ノ
何より蘭陵王が側にいたことが嬉しい。
でも、蘭陵王はいつ雪舞の妊娠を知ったのかな?
子供がいると分かった時の蘭陵王が見たかったかも…。
宇文神挙が平安の手を触ったのが可愛くて。しかも嬉しそうに(*´艸`*)
雪舞が出産する時は、自分の子供が生まれるみたいにちょっとそわそわしていたし。
素敵な一面(*´ω`*)
阿史那皇后は可哀想だけど、やり過ぎちゃったね。
宇文邕が誰よりも好きな人を傷つけたら、やっぱり許さないよね。宇文邕の性格からして(o´д`o)=3
そして宇文邕も悲しいよね…(;_;)
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今回は雪舞の出産シーンがあると聞いたので
是非見てみたいなと期待しました。(*´∀`*)ゞ
しかし、うささんのおっしゃるとおり
「蘭陵王はいつ雪舞の妊娠を知ったのかな?」と私も思いました。
それに宇文ヨウの子とか思わなかったのかな~とか
蘭陵王なりに日数を逆算して?
雪舞のおなかの子は自分の子とか確信したのかな?等々・・
でも蘭陵王すごい!!立会い出産とまではいかなくても
近くで雪舞の苦しむ声を聞きながら一緒に苦しんであげるなんて
すごくやさしい。。。゜+。:.゜ヽ(*´∀`)ノ゜.:。+゜
ヒーヒーフー?とか出産の掛け声おしえれば!!(゜ロ゜屮)屮
やってくれそうな勢いですね?(やり過ぎ?すみません(^人^)
でも、雪舞本人は近くに蘭陵王がいるとか知らないけど・・
しかも、更にもっと雪舞の近くにいるのは神挙様だけど・・
とにかく元気な男の子が無事に生まれて良かった♪(゜▽^*)ノ⌒☆
母子ともに一応健康!!
いや、生まれる前は刺客に狙われて死にそうでしたがΣ(゜□゜
阿史那皇后様もう少し寛容なお心をお持ち下さいY(>_<、)Y ヒェェ!
八(^□^*) タノム!!
蘭陵王、いつ妊娠を知ったのか?知った時の蘭陵王も確かに見たかったような~
でも、そばで見守っていて、手にも力が入っていて一緒に頑張ってるって感じが良かった!
神挙様がおそばで(*^^*)そうなのちょっと顔が緩みましたよね~
可愛い\(^o^)/やっぱり神挙様、素敵です~
阿史那皇后がほんとやり過ぎましたよね~子供には罪は無いのに!
あれはダメ、僧侶もあんなことするなんて(*`へ´*)
雪舞はもう帰るの嫌ですよね~何を言われても帰れないよ!
貞が可愛いそうかな~雪舞がいなくなったら…
子馬ちゃんが一番可哀想だけど( ; ; )( ; ; )
まだ終わって欲しくないですよね~( ; ; )
うささん、ありがとうございます。
今まで、高長恭さまの指先ばかりたくさん拝見していたので新鮮でした。
士深さまもそろそろ登場してくれないかしら??
雪部無事に生まれて良かったね。やはり宇文邕は、疑ってたんですね。でも、あそこで蘭陵王がこなければ、、、。
神挙さんの笑顔が、赤ちゃんをみて、手をふれて、素敵でした。この人笑うことあるんだ!と思いました。蘭陵王によく似てって、、蘭陵王は尊敬されているんですね。
だけど、あそこで登場してほしかったよ!お父さんになったのに!!神挙なら、あの会話聞いていたら絶対に蘭陵王をかくまってくれたはず、、、
あと少しで話が終わりますね、。さみしいです。45話までみて、46話はずーっとみないでいたいです。そうしたらお話しはつづく、、のままですよね。?
私も蘭陵王が姿を見せないのは宇文ヨウの子どもと思ってなのかと考えてましたがそうではないようですね。
ホントいつ知ったんでしょう!?
平安を見て笑った宇文神挙。
Berryさん、私もこの人笑うんだぁって思いました。
素敵な笑顔でしたね(*´―`*)
そして蘭陵王と宇文ヨウ、この二人、女性の気持ち分かってる~?とこの前から思いつつ見てました(^^;)
蘭陵王、逃げ出すための策だったのかも知れないけどあんな期待させるような嘘ついちゃったから、鄭児の恨みを大きくしてしまって(TT)
そして宇文ヨウも雪舞のことしか心に無いのでしょうが阿史那皇后にもう少し配慮があってもよかったような・・・
もちろん雪舞も気遣いが足りない部分もあったと思うし、阿史那皇后もやり過ぎたとも思いますが・・・難しいですね(TT)
蘭陵王と雪舞の再会はいつでしょう?
今後のドラマの終わり方とともに楽しみです(*^^*)
とうとう、雪舞に手を下してしまい、
小馬ちゃんともズタズタに。
宇文護と長年戦ってきた小馬ちゃんが
皇后の考えを見抜けないとは思わなかったのでしょうか。。。
いずれにしても皇后の思いと小馬ちゃんの思いの違いが
引き起こした結果なので、皇后だけが悪いわけではありませんが、、、
ある意味、被害者に思える、雪舞ですが、
小馬ちゃんに話していた小馬ちゃん夫婦を
うまく取り持つには
盂蘭盆会の時は、皇后を立てた言い方をすべきでしたよね。
ある意味、真面目過ぎるところが四爺と似ている・・・
と思いつつ、複雑に思ってしまいました。
この回は、無事に平安ちゃんが生まれて良かったです。
神挙さんの手を握るのが可愛くて、
神挙さんのある意味ぎこちない感じが
平安ちゃんと対比的で可愛かったですw
"蘭陵王はいつ雪舞の妊娠を知ったのかな?"の疑問について、少し説明しようと思って、お邪魔させていただきました。
蘭陵王が雪舞が周にいることを知って、以前もあったけど、また禁衛軍の仮装をして影で雪舞を見守っていて、その時雪舞の妊娠を知ったのです。実はドラマ小説に書いてますが、雪舞が玉仏寺にいる時、少し禁衛軍の仮装をしている蘭陵王と会話したことがあります(元々ドラマもこのシーンがありましたが、正式な放送に入れなかったそうです。とても残念でした)。だから蘭陵王は平安が生まれるまで、雪舞の"そば"にいてあげたかったですね。
またお邪魔させていただきます。いつもありがとうございます。
皆さんのコメントがすっきりと明解で、そうそう、とうなづきながら読ませていただきました。
vickyさんは、このドラマの原作小説(あるのですね)をご存知なんですね。教えていただいて嬉しいです。納得しました。安徳王から聞いたのでも、鄭児からでもなかったので。しかも、撮影もして二人が会話するシーンがあるなら是非観たい!です。NG集とかもあるぐらいですし、カットされたシーン特集とかないのでしょうか。
その時に、雪舞の言葉か様子で自分の子と知ったのですね。どんな表情だったんでしょうね、蘭陵王は、、涙でうるうる…とか想像してしまいます。カットされたのは本当に惜しいですね。
蘭陵王がいつ雪舞の妊娠を知ったか、について
教えて下さってありがとうございました!!
すっきりしました~(*´ω`*)
蘭陵王は突然現れたのではなく
周に行ったのを知ってから見守っていたんですねー♪
玉仏事にいる時の会話、私も見たかったです。
どんなお話をしたんだろう?と気になります(*´艸`*)
いろいろ教えてくださったのに、お返事が遅くなって
ごめんなさい(;△;)
こちらこそ、いつも有り難うございます♪
こちらこそ、有り難うございました。
玉佛寺のことについて、少し時間をください~またもう一度小説を読んで、概略を書きます(?入力のはずですね^ ^)ね。日本語は下手ですが(笑)。