罪を重ねてきたゆえ、どこで何をしているか知られるわけにはいかないの、と鄭児は馮小燐に言う。居所を知られては、このまま帰す事などできないと。「私たち親友でしょう。それなのにどうして」と怯えながら訴える馮小燐。鄭児は共に皇后様にお仕えし顔見知りはわずか、気づかれる心配もないから選んだと言う。そして、この後、馮小燐として生きていくつもりだと話す鄭児。鄭児は無理やり馮小燐に毒を飲ませ殺してしまう。
死んでしまった馮小燐を泣きながら抱き締め「小燐、間違いない。あなたは誠に私の役に立ってくれたわ。来世でも必ずや親友になりましょうね。約束よ」と鄭児は言う。
高緯は高湛を殺した時の夢を見て、うなされながら目を覚ます。体を起こした高緯は、側で焚かれていた香炉を目にすると、すぐに投げつけてしまう。「誰が香を焚けと言った」と怒鳴る高緯。「侍医より申し付けられたのです」と鄭児が答えると「ならばその侍医を斬れ」と高緯は言う。そこまで言って、ようやく高緯は香を焚いていた者が鄭児だと気づく。
陛下のご気分を和らげたいのです、言う鄭児。高緯は「この香は、父上の寝所にて焚かれていた香でな。あの日、父上の衣から同じ香りが。どうしても忘れることができぬ」と目を伏せる。
鄭児は名を馮小燐に改めたと話す。"鄭児"は蘭陵王に遠くに追いやられ、そこで首をくくり死んだと。それを聞いた高緯は、馮小燐を淑妃に封じることを決める。
朝廷で斛律光は国堺の警備にあてる臨時費用を認めてほしいと高緯に話す。しかし停戦中で軍備より、金は農地の改良など困窮する民のために使うべきだと返す高緯。
蘭陵王は地方の長たちが民に重税を課し、それで私腹を肥やしているとの訴えがある、取り調べのご下命を賜りたいと上奏する。それにも蘇綽が周の始祖である宇文泰に「他人を従わせるためには、金を渡し利を与えよ。渡す金がないのなら権利を与えよ」と献じた話をし、民から搾取することは役人たちの特権だと言う。
「それを許す陛下に何か利益はありましょうか」と聞く蘭陵王。役人の搾取を可能にするのは皇帝が授けた権力、搾取する役人が己の利益を守るため皇帝を守ろうとすれば、自ずと皇帝の支配力も増すと高緯は答える。いずれ粛清をすれば民の心もつかめ、皇帝の権威の高まると。
朝廷が散会となり、高延宗は兄上を援護してほしかったと段韶に言う。しかし段韶は幼少より書に親しんできた高緯は、良識より知識に従って政をしている、それに理にかなう点もあり、しばらくと見守るとしようと話す。蘭陵王も段韶の言葉に納得する。そこに礼部の侍女たちが来る。侍女たちは高緯に淑妃を迎える支度のために揃えられた品々を持っていた。蘭陵王たちは宮女が高緯の妃・馮妃になることを知る。
宮廷より、近く馮淑妃になる妃を参内して診てほしいという書状が雪舞に届く。優しく明るい雪舞は誰からも愛される、馮妃も気に入るに違いないと蘭陵王は言う。
雪舞が馮妃に会いに行くが、一緒に来た小翠は倚霞殿の中へ入れてもらえない。
寝台で寝ている馮妃は、人見知りだと言い御簾で顔が見えなかった。そんな馮妃の脈を診る雪舞。雪舞は、痛みを感じておられず、脈も安定しているが肝臓、脾臓、肺が少し弱っている「もしやお妃様はお心に、怒り、思い、憂いを秘めておられるのでは?」と言う。どうすれば病が治るか馮妃に聞かれ、雪舞は「悲しみで怒りを制し、怒りで思いを制し、喜びで憂いを制すのです」と答える。そして、お気持ちを吐き出したいとお望みならお聞きします、と雪舞は言う。
外で雪舞を待っていた小翠に、鄭児の侍女・紅萼がぶつかってくる。紅萼は謝りながら、小翠の袖に腕輪を入れる。
馮妃は「怒り、思い、憂い、この三つは確かに私の心のしこり」と話し、陛下から寵愛を受ける前にある若君を慕っていたが、応えてくれるどころか私の恋心を踏みにじった、今や皇帝の妃となり、私を傷つけた若君にようやく報復できると雪舞に言う。馮妃の手を握り、心の傷を何より癒すのは許しだと話す雪舞。しかし馮妃は蘭陵王に深く愛されている雪舞には、私の心を理解できるはずがないと言う。その時、紅萼が陛下より賜った腕輪がなくなったと言いに来る。
お目にかけようとお持ちしたが、気づいた時にはどこにもなかった、先ほど王妃様(雪舞)の侍女とぶつかった以外、誰とも会っていないと話す紅萼。その証言で小翠が連れてこられる。「決して盗んでません」と訴える小翠。雪舞は小翠の言葉を信じるが「妙よね。私の侍女が嘘をつくとは考えられない。ぶつかったと言うのならぶつかったに違いないわ。私は一体どうするべきかしら」と馮妃が言う。雪舞は小翠を調べるしかなくなる。
小翠の袂から腕輪が見つかる。盗んでいないとひざまずく小翠。宮中で盗みを働けば、棒打ち50回と指の爪を剥がす刑となる。証拠もあり、疑いの余地もないと言う馮妃。雪舞は小翠を心の底から信じているが、証拠が出て来たからには私の責任、私が責任をとり罰を受けるとひざまずく。馮妃は御簾を開き、雪舞と小翠に顔を見せる。鄭児が馮妃だったと知り、驚く雪舞と小翠。「誰かを罰する気などないのよ。たちの悪い侍女をつかっているといずれ災いを招くと教えてあげたくて」と馮妃は言う。
かつて慕っていた若君への報復をほのめかしていた鄭児が気になる雪舞。蘭陵王に危険が迫っていると感じた雪舞は、蘭陵王府に戻ると、蘭陵王と高延宗に馮妃が鄭児だったことを話す。
鄭児は強い毒を持っている、淑妃には相応しくない、と思った蘭陵王は、明日、高緯を説得しようと考える。雪舞は高緯が反発するほど意見を強く押し付けたりしないように言う。
翌日。蘭陵王は馮小燐すなわち鄭児は妃に相応しくないと高緯に話す。馬賊討伐の際も鄭児は私欲にとらわれ賊どもと共謀した、あれほど心根が汚れ、野心が大きくては危険だと。高緯はすぐに淑妃册封を撤回する。忠告に感謝する高緯に、蘭陵王はご英断だと頭を下げる。
淑妃を迎える沙汰において、蘭陵王より進言を受け、その意に従う事にしたと高緯は朝廷で話す。そして高緯は淑妃ではなく、馮小燐を皇后に封ずると告げる。蘭陵王が苦言を呈するが、聞き入れてはもらえない。
朝廷が散会となった後「何ゆえ復職したのだ。道を謝った」と蘭陵王を心配する高延宗。「今さら遅い」と蘭陵王は言う。
屋敷に帰った蘭陵王は、顔を曇らせながら雪舞に高緯が鄭児を皇后に迎えると話す。
笑い合う高緯と鄭児。「分不相応な進言が功を奏してくれた。おかげで蘭陵王の鼻をあかせましたわ」と鄭児は言う。「あやつめ何にでも口を出しよって、妃選びまで干渉するとは。朕は即位したばかりだ。異を唱えねば、どこまでも皇帝の権限に踏み込んでくるのだ」と言う高緯。
鄭児は皇后を立てるとなれば一大事のはずなのに、何の意義も出なかったことが気になると言う。高緯は"皇后を迎えるは蘭陵王の推挙があったゆえ"と皆に申したと話す。「ならばつまり、百官が恐れをなしているのは蘭陵王」と言う鄭児。高緯が睨みつけ、鄭児は「お許しください」とすぐにひざまずく。
「あやつめ忠義を装いやがって。周との停戦がなかったら罷免してくれるところだぞ。思い上がりは到底受け入れられぬ」と怒る高緯。鄭児は注視すべきはあの者が人々の心をつかんでいること、誰かに担がれ蘭陵王が謀反に動こうものなら、段韶と斛律光も蘭陵王の側に立ち、陛下と敵対することになると言う。そして蘭陵王を自滅への道へ追い込む一計があると、高緯に耳打ちをする鄭児。
"誰もが皇后を夢みるのは、何でも手に入るから。なれど高長恭(蘭陵王)だけは私のものにならない。ならば誰にもあの人を渡さないわ"と鄭児は思う。
ーつづくー
親友まで殺してしまうなんて。
自分を殺した人と来世で親友なんてならないよね( ̄▼ ̄|||)
また同じ事しそう。
いやいや、それより鄭児に来世なんてないない(*`ω´*)
本当に鄭児がますます恐くなっていく…最後にも何か企んでいるし。
好きな人を苦しめても平気だなんて(o´д`o)=3
そしてその言葉を信じてしまう高緯。
鄭児を皇后にするなんて信じられないっ!!ヾ(`Д´*)ノ
あれ、そういえば三人組の一人、祖珽がいなかったような?
雪舞のまた心配が増えてしまって…。
蘭陵王もだけど、小翠や韓曉冬にもまた何かしないか私も心配。
小翠も恐い思いをしたよね(;△;)
↓ポチッと押していただけると嬉しいな。
よろしくお願いします
にほんブログ村
と思わず、心の中で呟きたくなりました。
小燐も身代わりに。。。
四爺への思いは曲がりに曲がり・・・
鄭兒の悪行はどこに行きつくのでしょう???
でも、こちらの詳しいあらすじで、助かりました。
ありがとうございます!
鄭児が恐すぎる~あそこまでするとは…もう止められない感じ!
小翠が助かって良かった~ほんとにどうなるのかドキドキでした~良かった。
うささん、いつもありがとうございます。
殺しておいて親友は無いよね(;;)
そして高緯、前回は悪いのは取り巻きのせい!?とも思ったけど撤回!!本人もやっぱりダメダメだわ~(;;)
鄭児が妃になって権力を手にしたいのは蘭陵王のため?
最後の言葉の感じだと復讐というよりは捻じ曲がった愛情ゆえ!?(;△;)
どんどん怖くなる鄭児から雪舞は蘭陵王を守れるのかな?
続きを見たいような見たくないような。複雑です(;;)
まだ蘭陵王のことを忘れられないみたいです
(これこそ真のストーカー???)w|;゜ロ゜|w
鄭児は、蘭陵王の運命の女性=鄭妃にはなれなかったのですが
変な意味で(?)悪い意味で(?)
蘭陵王の運命の女性に引き続きなっているような感じがします(゜ロ゜屮)屮
高緯の皇后になることで
蘭陵王に対して公に益々干渉できる立場になってしまいました。
このまま、蘭陵王と雪舞の幸せな生活を見逃してはくれないような
雰囲気出まくりです。。。
今後も蘭陵王と雪舞の心配な状況が続きそうです
皇帝も、蘭陵王の助言をわかったと答えておいて大臣たち大勢の前で、皇后だなんて!
真逆でしょ。
段しょう大師は、皇帝に甘すぎます。鄭児の事も知らないのかなあ。
最悪の皇帝カップルに、雪舞と蘭陵王負けないでほしい!頑張って!
次はどうなるかドキドキします