久々登場します。忘れられたら悲しいから。 悲しいと言えばまたもや僕にとって青春の一ページが消え去りました。 作家の立松さんが今月の上旬に突如他界されました。 僕にとっては頭が真っ白になるほどの出来事でした。実は立松さんと僕は遠い昔に沖縄のはるか西の離島、与那国島というところで出会いました。僕が大学4年、彼が32歳の時です。その頃僕はロマンを求めて南の島を放浪していました。そして行き着いた島が与那国で露営する場所がなく途方に暮れてさ迷っていたところをある農家に雇われて、サトウキビ畑で働いていたのです。その時別の農家に住み込んで隣の畑でキビを刈っていたのが立松さんでした。聞くところ彼の作品がある大きな賞を取り連日取材やら電話で落ち着いて次の作品のことを考えれないから南の島へ逃げてきた。との事。当然僕は彼の事を全く知らずホラ吹きの変なオッサンといぶかっていたのです。ところが氏は汚名を晴らすためか娯楽が何もないからか連日酒を持って僕の泊まっている小屋に来ては自分の事を話したり僕の放浪のエピソードなどを聞いては楽しそうに笑い転げていたのが今も目に浮かびます。 ようやく長い収穫期が終わり過酷な労働から解放された僕と氏と友人三人はしばし一緒に旅に出たのでした。その後再会を約束して石垣島で別れた後、年々立松さんは全国的に有名になりテレビにも出るほどの活躍振り。そのときは僕はプー太郎。どの面下げて会いにいけるものかといきがっていたのです。 その後もテレビや週刊誌などで元気な姿を見かけてはそろそろもう一度会ってあの時の話をしながら酒のみたいなぁ、と最近強く思っていた矢先の出来事でした。立松和平 享年62歳 余りにも早過ぎるよ。ごめんね。一度会わないかと電話くれたのに断って・・・。この世では果たせなかった再会をいつかあの世では必ずね。 出来れば同じ与那国島で・・・。 今僕が手にしているのは少しセピア色に褪せた写真。
長く過酷な労働から解き放れ開放感満ち溢れた男が二人、肩を組み合い褐色の野生の笑みを浮かべてレンズを覗き込んでいます。 我が旅の師 安らかに・・・・。 合掌
長く過酷な労働から解き放れ開放感満ち溢れた男が二人、肩を組み合い褐色の野生の笑みを浮かべてレンズを覗き込んでいます。 我が旅の師 安らかに・・・・。 合掌