多花性はロサ・ムルティフロラ譲りか?
ポリアンサ系統は、モダン・ローズ第1号のバラで名高い「ラ・フランス」を作り出したギョーは、さらに、日本原産のロサ・ムルティフロラ(ノイバラ)(Rosa multiflora)と中国原産のロサキネンシス(コウシンバラ)の矮性種から1875年に”パケレット“という多くの小輪の花を房咲きさせる四季咲きバラを作り出しました。このバラの系統が“ポリアンサ系統”と呼ばれます。ポリアンサ系統は耐寒性に優れた系統です。日本のノイバラの性質を引き継ぎ小花を連続的に房咲きさせる多花性はノイバラ譲りです。
◉パケレット OLD ポリアンサ第1号 1875年 浜寺公園バラ園
・四季咲き ・木立性
ポリアンサの系統名は?
江戸時代、シーボルトがノイバラをポリアンサと名付けましたが、既にノイバラにはロサ・ムルティフロラの名前が付いていたので、ノイバラを片親とする改良バラ品種群をポリアンサと呼び系統名となったとか?
ポリアンサとは「たくさんの花」(花束)を意味し、その系統名通りに大変花付きもよく、房咲き&四季咲き木立性のとなります。
花の形は、一重咲き、半八重咲き、八重咲きと様々です。
◉マリー・パヴィエ OLD ポリアンサ系統 作出: 1888年 浜寺公園バラ園
・四季咲き ・木立性 ・香り: ティー&グリーン
◉セシル・プルンネ OLD 系統 Pol. 作出:1880年以前から 浜寺公園バラ園
・四季咲き ・木立性 ・香り: 中香 ・スプレー咲きとなる
🔶その後、ポリアンサ系統にハイブリッド・ティーを交配させて、ハイブリッド・ポリアンサのバラを作り出した。これが、後のフロリバンダ系統につながっていく。
◉ポリアンサ系統のバラはデンマークの育種家ポールセンによって、ハイブリッド・ティー系の品種と交配され、5〜10cm程度の中輪房咲き四季咲きバラである“フロリバンダ系統”をつくりだしました。フロリバンダとは“花束”を意味し、房咲きする性質から名付けられた系統名です。
フロリバンダ系統の基本的な樹形は、木立性(ブッシュ)ですが、ハイブリッド・ティー系に比べるとよく枝分かれしてこんもり茂みを作る。
現代バラの中では、庭造りや公園では欠かせないバラで品種も多く人気度もたかい。
参考迄 系統図をまとめてみた。錯誤があればご容赦下さい
◉ポリアンサとハイブリッド・ティーの交配でフロリバンダ系統が誕生