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坊主誕生記録

2019-06-26 21:39:00 | インポート

こんばんは。

 

今から4年前の話です。

 

息子が生まれた時の話をします

 

予定日前日、23時半ごろに前駆陣痛が始まります。それまでにも、嫁が何度か「あ、、きたかも?!」と言うことがあり、おかげでちょっと慣れていました。しかし、今回は緊迫感が違う。今度は本当かもしれない。

 

。緊張感が高まります。


あらかじめ、こうなった時のために病院の専用回線の番号をメモしていました。

 

この時、嫁はまだ話せたので、嫁が自ら病院に電話をして状況を詳しく質問されます。

 

一通り確認を終えると、さっそく「病院に来てください」と言われます。

 

病院まで嫁を乗せて運転。

 

そろそろだろうと思ってはいたけれど、運転中は少し緊張します。

 

嫁に負担をかけないよう、緊張していないように振る舞います。いつも通りの口調で後部座席の妻に話しかけます。

 


絶対に、事故だけは起こさないように。

 

急がないといけないけれど、スピードは出さないように。車が揺れないように。

 

複雑な運転です。

 

 

下見をしていたおかげで産婦人科には、嫁と一緒に何度か来ていましたが、出産当日は初めて来るみたいに感じます。

 

夜間に来たことがなかったのです。ここまでの道のりも病院の外観も、いつもと雰囲気が違うのです。

 

 

出産当日に入る入り口や、専用駐車場の場所も事前に下見しておいて良かったなとつくづく思います。夜間に陣痛が始まった妊婦さんのために、専用の駐車場があるのです。(初めて知った)

 


車を停めると、担当の助産師さんが入り口で待っていてくれていました。そのまま通用口に案内されます。

 

 

嫁に付き添い、狭い診察室へ通されると、まず子宮口を確認されます。

 

やや年配の、初めて会う助産師さんでした。

 

とても丁寧な方で、この人が担当になってくれたことは今でも幸運だったなと思います。

 


診察中、オラは病院の廊下で待っています。(そりゃそうだ)

 

 

助産師さんの確認が終わり、子宮口はまだ2センチ程度しか開いていないことが告げられます。

 

本格的な陣痛、出産まで、まだまだ時間がかかるということ。

 


まだちょっと早いから、自宅で待機していてもいいし、病院の個室で待っていてもいいと言われます。

 


結局、助産師さんの勧めで病院で待機することになります。モニターを付け、準備万全な状況で待ちます。

 

 

助産師さんが嫁に付き添ってくれましたが、妻の顔に、少し不安が浮かびます。

 

 

不思議なことに、ここまでずっと嫁の側にいて、長時間一緒に呼吸法をしたり、声を掛けたりしていると、一緒に頑張っている気持ちになります。

 


「男に出産の痛みなんて分かるか」と言われればそれまでですが、少なくともこの時は、必死で嫁の痛みに寄り添おうとしました。

 

ここで夫がパニックになったり焦ったりすると、やはり迷惑だろうなという気がします。

 

でも、パニックになってしまう人がいても全然不思議ではありませんし、気持ちは分かります。

 


こんなにも人が苦しむ様子を間近で見る機会は、普段はありません。気分が悪くなったり、その場に居たくないという人が居ても、気持ちは理解できます。

 

 

ただ、付き添っている間に夫が不安になったり焦ったりしたら、嫁もさらに不安になるかもしれません。気持ちをしっかり持って、自分は妻の支えにならなければと思います。

 

ここでお医者さんが人工的に破水させます。

 

器具?みたいなのを嫁の腟内に入れて破水させます。

 

人工破水から、事態はなかか進みません。  

 

しばらく陣痛に耐えていると、子宮口から赤ちゃんの頭が見え始めます。

 

嫁「まだなの?!(まだ分娩台に行けないの?)」

 

助産師「そろそろ分娩台にいこう!」

 


嫁の顔に、一瞬だけ安堵の表情が浮かびます。

 

時刻は8時半ごろ。

 

ちなみに事前に有給は取っております

 

当初は、こんなに時間がかかるとは看護師さんも思っていなかったそうです。


最初は助産師さん一人が付きっ切りで対応していたのですが、この頃には看護師さんも来て、分娩室の準備が始まります。

 

ちなみに分娩室はなぜか少し薄暗くて、分娩台の上だけ煌々とライトが照らされています。

 

その周りに看護師さんと助産師さん、合わせて4〜5名が取り囲んでおり、相変わらず嫁が苦しそうなうめき声をあげています。

 

がんばってがんばってうーん!

 

看護師さんが、嫁の顔の真横の位置に案内してくれます。

 

ちょうど、赤ちゃんが産まれる場所(お察しください)は見えない位置です。

 

これは看護師さんの配慮だと思われます。この後、会陰切開する可能性もあります。

 

ここでメモ。

 

赤ちゃんの頭が大きかったり、なかなか出てこない時は腟口と肛門の間の会陰部を切開して通りやすくすることがあります。

 

そのためあえて見えない位置に案内してくれたのだと思います。


嫁からもその位置は見えません。

 

嫁「まだ?!(まだ赤ちゃんは出てこないのかと言いたい)」

 

助産師さん「今このくらいだよ!」

 

オラ達「ひっひっふー、ひっひっふー(ラマーズ法)」

 


分娩台に上がってからの嫁は、勇敢でした。

 

先ほどとは打って変わって、痛みを必死でこらえながら、自ら率先して呼吸をしては、力んでいます。

 

頑張っているのは嫁です。

 

それでも、この場にいる全員が一体になって赤ちゃんを待ちわびている感覚を感じます。

 

つくづく、立ち会ってよかったなと感じます。

 


嫁がここまで苦しんでいる姿は、この先よほどのことが無ければ見ることは無いと思います。

 

この瞬間を見ると見ないとでは、出産に対するイメージは、おそらく180度変わってくると思います。

 

赤ちゃんの頭が見え始めてから、事態はやや硬直します。早朝、看護師さんが医師に電話で状況を伝えていました。

 

看護師「赤ちゃん出て来たよ!」

 

助産師「頑張って」

 

オラ「ほら、もう少し!」

 

嫁「うーーーん!」

 

看護師さん、助産師さんの応援の声が、一段と大きくなります。

 

嫁が、これまでにないくらい必死で力んでいるのが分かります。

 


助産師「その調子!」

 

看護師「お母さんいいよ!」

 

これまでにないくらいの大きな声で、励ましが聞こえてきます。

 

この時の嫁の顔は、たぶん一生忘れないと思います。

 

凄まじい痛みが襲ってきているはずなのに、突然、満遍の笑顔に変わったのです。

 

赤ちゃんが産まれることを知った途端、辛い表情が一瞬にして消えてしまいました。

 

だからだろうかおらまで涙が出ました


「良い笑顔!」看護師長さんも、その場にいたみんなも、その表情を見て笑いました。嫁の顔には、赤ちゃんが今この世に降りてくる喜びがみなぎっていました。

 

 

この笑顔は、今でも強烈な記憶として焼きついています。

 

この時の嫁は、それまでにないくらい偉大な存在に映りました。「この人、こんなに強い人だったのかぁ」という、畏敬の念が湧いてしまいます。

 


嫁にとって、我が子がこの世に降りてくる瞬間は、強烈な痛みを全てチャラにするほど、幸福な瞬間だったということです。

 

 

思わず涙が出そうになりましたが、堪えます。

 

まだ産まれてはいません。

 

 

嫁の笑顔で、分娩室全体が活気付きます。みんなで一緒にする呼吸法も、力が入ります。

 

嫁「ひっひっふー!」

 

ズルン

 

看護師長「出たよ!」

 

赤さん「おぎゃー!おぎゃー!」

 

我が子が生まれ出る瞬間嫁は、びっくりするほどの笑顔。その笑顔から、感動の涙が溢れ出ます。当然、オラも涙がこぼれます。


産まれてきた子供は、分娩台のライトに照らされて、光り輝いていました。

 

 

驚いたことに、看護師長さんも、他の看護師さんも泣いていました。

 

感動のあまり、看護師長さんが妻と抱き合って喜んでいます。

 

まだ目も開いていない我が子に、この場の雰囲気を見せてあげたいな、と思いました。

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産まれたばかりの赤ちゃんです。

 

急所はモザイクかけてます(^^;

 

 

今回はここまで。