先頃、住宅地を走行中、信号機のない交差点内で交通事故にあった。
私は、法定速度内で優先道路を走行していた。相手の車は、一時停止のある路地から出てきて、私の車の左後部に衝突した。
自分が契約している保険会社に連絡したところ、最初、私の過失割合は2~3割と言われた。後日、保険会社と現場検証をした。その際に、私がセンターラインのある優先道路を走行していたことが分かり、過失割合が1割になる可能性があると示唆された。私の過失は、安全運転義務違反と予見義務違反が認められるとのことであった。
後日、相手の保険会社と現場検証をした。現場検証をする前から、1割の過失割合と決めつけていたようだ。過失は予見義務を怠ったというものであった。現場検証なのに写真も撮らず、事故の起きた状況も聞かず、目的は私を説得するためのものであったと思える。
予見義務とは、交差点に進入する際には、何かが飛び出してくることを常に意識して事故を回避する義務があるということだそうだ。よって、交差点内で事故が起きた場合には、相手が目茶苦茶なことをしていない限り、必ず過失割合が発生することになるとの論法だ。
現場検証の際に、予見義務を完全順守した走行をしたら、実際の道路交通事情に不都合が生じ、追突などの事故の発生可能性が確認された。予見義務を完全順守した走行は実際にはできないことが証明された。
優先道路を走行中、側面から体当たりしてきた車を避けることはできない。それにもかかわらず、過失責任が発生するとは、どういうことなのか全く理解が出来ない。
保険会社は、物損事故の場合、基本的に現場検証をしない。保険会社間で判例や一般例により一律に過失割合を決めてしまうという、非常に手抜きで機械的な処理をする。
交通事故の発生した状況は、千差万別なのだから、必ず現場検証をして聞き取り調査をする必要があるものと考える。機械的な処理では事実関係が見えてこない。それで過失責任割合を決めてしまうのはどうかと思う。
判例、事例ありきと考える一刀両断のやり方には疑問を感じざるを得ない。
以下、私の過失責任について書いてみる。
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今回の交通事故における私の過失について
(主張)
今回の交通事故については、私の過失責任は一切ない。
(理由)
私は、昭和52年に原付免許を取得して以来、私に過失責任のある交通事故は一度も起こしていない。また、過去に大手電鉄会社に勤務し、大型路線バスの運転手を数年間していた。この会社から防衛運転について徹底した教育指導を受けた。私は、車を運転するときには、路地から自転車や子供などが飛び出すことを常に想定している。このことは、家族が運転するときにも日頃から口うるさく言っている。
今回の交通事故はどこまでいっても、相手が安全確認を怠ったことに起因している。しかしながら、相手の保険会社担当者から現場検証の際に、私に予見義務を怠った過失が認められると言われた。過失割合は1割とのこと。はたしてそのような大きな過失が、本当にあったのだろうかと甚だ疑問に思う次第である。
相手は、「譲ってくれたと思った」と明言している。ということは、私は法定速度以下で走行し、事故現場の交差点手前で減速していることの証明になる。ちなみに、この交差点の手前には減速と路面に書かれている。何か特別なことがない限り、優先道路を走行している私が譲る義務は全くない。
私が、相手の車を発見したとき、相手の車と交差点までの距離及びその速度からして、私は、通常に交差点を通過しても全く問題なきものと判断した。相手の車の走行には何ら異常は認められず全く問題なきものと判断したのである。クラクションを鳴らす状況もなかった。
相手の車発見時には、相手の走行には何ら問題はなかったのである。だから、私は通常走行で交差点内に進入したのである。この状況判断において、私は予見義務を完璧に果たしている。
今回の状況において、この事故を回避すべきことは私には何もできない。相手の車を発見したときに、急ブレーキを踏む状況では全くなかったし、ハンドル操作で避ける状況でもなかった。見かけ上では、相手の車の走行には何も問題がなかったのである。
仮に急ブレーキを踏んだら後続車に追突されていた可能性がある。後続車がいたか否かは定かではないが。仮に急ブレーキを踏んだとしても、今回の事故は起きていたと思われる。
私が、相手の車の状況を上記判断のもと交差点内に進入したところ、相手の車が私の車の後部左側面にノーブレーキで体当たりしてきた。ブレーキをかけた音は聞こえなかった。ブレーキ痕も残っていなかった。私も同乗者の家族も相手の車の走行状況を確認していたので、いったいなにが起きたのか非常に驚いた次第である。側面からの体当たりでは、私にはなすすべはない。
相手の運転手は、交差点進入時の左右安全確認を怠っただけではない。前方も見ていなかったと考えられる。何故ならば、ノーブレーキで体当たりしたことによる。
これが事実である。
このように、事故の起きた状況を整理してみると、私に対する過失責任は当然なきものと考えるのが妥当であり常識というものである。予見義務を怠った過失責任も当然ない。道路交通法違反もしていない。
何故、私に一割という大きな過失割合があるというのか到底理解できない。
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私の車は車両構造的に全損並に大破した。この車はあと15年乗る予定で購入した。今回の事故で、買い換えなくてもよい車を購入せざるを得なくなった。その金銭的損失の責任は、誰がとってくれるのだろうか。
迷惑以外の何ものでもない。
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(結末)
事実関係及び私の主張が変則的に認められた。相手の保険会社は、私の過失割合を1割として譲らなかった。しかし、保険の仕組みを利用したのか、私の車の修理代相当額の全額を支払ってくれることになった。私は相手の車の修理代(1割過失相当分)を支払わないでよいことになった。
よって、私は自分の車を修理するための車両保険及び相手の車を修理するための対物保険を使わずに済むことになった。結果的に無過失と同じになった。
金銭面からすると無過失になるのだが、何故、相手の保険会社が私の過失責任を1割として譲らなかったのか甚だ疑問が残る。事実のとおり無過失にすればよいだけのことと思う。信号機のない交差点内の事故で無過失とはできない損保会社の内部事情でもあるのだろうか。
当たり前のことが当たり前の結末になっただけのことだ。