道東を発見する旅 第3の人生

メタモルフォーゼの縁側 ボーイズラブ 女性のエロスのとらえ方 ジェンダー非対称性 女の子は誰でも

メタモルフォーゼの縁側

有料放送のWoWでは、今、もっとも見てほしい映画を月に4本くらい紹介している。

これまで、あまり日本映画を見なかったが、最近は ポツリポツリと見るようになった。

この映画は、タイトルの奇抜さ、有名な子役が主演なので、どんな演技をするのかな、と予備知識なしで観たのだった。

予告編に出てるけどBL(ボーイズラブ)を題材にした映画で原作の漫画がいくつもの賞を受賞しているレベルの高い作品だそうだ。一般人からの評価も高く、ほっこりさせるような内容で楽しく観ることができた。

映画『メタモルフォーゼの縁側』予告

ボーイズラブ

ただ、自分には映画のテーマである「ボーイズラブ」がよく分からない。

映画の中でも芦田愛菜さんが「ファミレスでテーブルの上に置いたBLの漫画を、店員が来たので必死になって隠すシーンがあったり、BLという言葉を発した途端、周りにいた数人の女子がチラッと視線を向けるシーンが何度も出てきた。

なぜ女性が年齢関係なしにボーイズラブ(BL)に惹かれるのだろう。BLの漫画は沢山出版されているようだが、女子の間では、「秘め隠す」ような趣味になるようで愛好家の人を腐女子と呼ぶそうだ。

ちょっと前に朝日新聞で読んだ人生相談に掲載されていた「女性のエロスのとらえ方」についての考え方が根底にあるのかな、と思ったのです。

女性のエロスのとらえかた

AV見て女性に関心をもつ私

朝日新聞 人生相談欄 「悩みのるつぼ」

質問者 40代 女性 既婚 3人の子あり

昔から疑問に思っている事

大学生の頃、女子数人で温泉旅行に行きAVを見ることになりゲラゲラ笑ってみた。皆、目を輝かせて見ていたので「自分だけじゃなく女子も結構こういうのが好きなんだ」と思った。その後、ふと気がついたのが、AVで自分が関心を持つのは女性のほうで男優ではない、女性の裸体が美しかったら男優はどうでもいい、しかし、私は体も心も女性として一致しているし、恋愛対象は絶対に男性だ。

男性に同一化し、男性目線から女性を見て究極の受け身になって性的に感じているような気がしてならない。これは異常なのか。

上野千鶴子先生なら長年の疑問に答えてくれるような気がして投稿しました。

この質問に対してどう思いますか?

回答者 社会学者 上野千鶴子

だいじょうぶ、あなたは普通の女性です。

全く異常ではありません。

アダルトビデオでは男性視聴者は男性の立場に、女性も男性の立場に同一化します。その証拠に、ほとんどのAVでは男優の顔が出ず、カメラ目線が男優の側にあります。映像そのものが男性目線から視聴者を誘導しているのです。

あなたはすばらしく自己省察の鋭い人ですね。

男性に同一化し、男性目線から女性を見て究極の受け身になって性的に感じているような気がしてならない、はその通り。

男は性的主体に同一化し女は性的客体に主体的に同一化する・・これをジェンダー非対称性と言います。

だから、男性も女性も、AV映像の中の女性を見て興奮するのです。男の裸を見たって別に興奮なんてしません。

中略

男が女に性的に興奮したら異性愛だが、女が女に興奮したら同性愛だ、なんてことはありません。

あなたが洞察したとおり、エロスというものは男目線に支配されているので、女もそれを学習して内面化してしまっているということでしょう。

一部だけ引用しています

「悩みのるつぼ」

回答者の上野先生は、「おひとり様」で有名になったベストセラー作家だが、最近のメディアによると、実は過去に入籍していたお相手がいたそうで毎週末、軽井沢に通っていたそうだ。

その方はすでにお亡くなりになっているそうだが、お独り様の大家は、やっぱり男女の世界を究めた方で聡明な方のようで人生相談にはうってつけの人だ。

自分は2年前から朝日新聞を購読しているので、初めて知ったのだが10年くらい朝日新聞 土曜別刷beの好評連載「悩みのるつぼ」という人生相談コーナーをを担当しておられ、その回答集が3冊も文庫本化されている。

「身の下」で悩んでおられる方は一度、「身の下相談」 上野千鶴子でグーグル検索されたら、普通の困りごとならネットでひっかかってくると思う。誰でも持っていそうなこの手の悩みには、3冊まとめて購入して答えを探すことを勧めます。3冊でも2000円から3000円までだと思う。

主体、客体

さて、上記で引用しなかった回答の一部が重要だ。

女性も性的主体になれますし、女性の興奮のツボが男性と違うことも分かってきました。そのうち、女の女による女のためのAVがどのくらい男向けのAVと違うのか誰か比較研究してくれるといいですね。もしかしたらすでに登場しているかもしれませんが」との記載がある。

先生は、40代主婦の質問者に対して、この質問者の洞察力を高く評価している。そうならば、成熟した女性でもジェンダー非対称性に気がついている女性はそれほど多くはないのだろうと推察できる。そのうえで、女性のエロスに対する考え方がまだまだ開拓されていないことがうかがわれる。

普通に考えられる一般原則は、男性は主体で客体は女性である。これを男性の愛は、愛する形であり女性の愛は受け身の愛、すなわち愛される愛であると言い切る方もいるようだ。

ざっくりと考えると、男性に比べて女性のエロスは主体あり客体ありでバリエーションの多様性があり、さらに個人差が大きいという気がする。まとめると、ボーイズラブの世界は「女の女によるAVの入門書」なのかなと思う。宝塚や韓流ドラマの世界もその流れなのかなと思うのだが、突っ込みすぎとボロが出るので、ここで辞めておきます。

さて、自分には計り知れない摩訶不思議な女の子の世界を、歌で代弁している方、「椎名林檎」さんが独特の世界観で女性を賛美している歌をあげておきます。

椎名林檎さんの動画のコメントで、ご本人は「殿方のことは知ったこっちゃない」と言い放ち、頑張って生きてる女子の応援歌を作ってる、と言っておられるそうです。この動画で女の子は誰でも変身(メタモフフォーゼ)出来る素敵な世界に導かれてください。

東京事変 - 女の子は誰でも

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