9月6日の昼間はは偶然丹波篠山市だけ雨雲がかからず、市内にあるチルドレンズミュージアムで孫達と遊ぶことが出来ました。
ミュージアム入口付近にあるシャボン玉コーナーが孫達のお気に入りのようでした。
小説「Obralmの風」
岳は急に、今日告げられた過酷な宣告を自身の中で受け止める時間が欲しくなった。
このまま目的もなく駅に立っていても仕方がない、急にどこか生活の場から離れた静かな所へ行ってみたい衝動が湧いてきた。
とりあえず職場に電話をして休暇届けをすると岳は神戸行きの電車に乗り込んだ。
昼間の車内は空いており、座っていても目のやり場に困ることはない。
岳は向かいに座る人々と対面するのが苦手だった。
夙川、芦屋川の堰堤には満開の桜が咲きこぼれ春到来を彩っているが、その旺盛な生命力がたまらなく恨めしく思える。
(季節は春でもオレの人生は晩秋か・・・)
最近世間で多発している猟奇的な衝動殺人の犯人もこのような疎外感を自ら作り出し突発的に犯行に及んで行くのだろうか。
でも岳にはそのような衝動の回路は持ち合わせていない。
どちらかといえば人知れず自らを消し去ってしまいたい思考の方が自然かも知れない。
同じ車内に乗り合わせている人々にはどのような人生があるのだろう。
それぞれ人には言えない重荷を背負っているのだろうか。
車内を見渡し一人ずつに想像を巡らせてもいいが、今の自分より不幸が肉迫している人は居ないだろうと思う。
(不幸自慢か・・・)
岳は三宮からJRに乗り換えて、関西の喧騒から離れてみたくなった。
岡山までの乗車券を買った岳は宛てのない旅が始まった。
岡山から伯備線へ乗り継いで米子へ向かう列車が高梁川沿いに備中山系へ進んでゆくに従って春の晴天も光を失い、山影には夕闇が迫っている。
この分だと終着駅の伯耆大山に着く頃にはとっぷり陽が落ちているだろう。
ミュージアム入口付近にあるシャボン玉コーナーが孫達のお気に入りのようでした。
小説「Obralmの風」
岳は急に、今日告げられた過酷な宣告を自身の中で受け止める時間が欲しくなった。
このまま目的もなく駅に立っていても仕方がない、急にどこか生活の場から離れた静かな所へ行ってみたい衝動が湧いてきた。
とりあえず職場に電話をして休暇届けをすると岳は神戸行きの電車に乗り込んだ。
昼間の車内は空いており、座っていても目のやり場に困ることはない。
岳は向かいに座る人々と対面するのが苦手だった。
夙川、芦屋川の堰堤には満開の桜が咲きこぼれ春到来を彩っているが、その旺盛な生命力がたまらなく恨めしく思える。
(季節は春でもオレの人生は晩秋か・・・)
最近世間で多発している猟奇的な衝動殺人の犯人もこのような疎外感を自ら作り出し突発的に犯行に及んで行くのだろうか。
でも岳にはそのような衝動の回路は持ち合わせていない。
どちらかといえば人知れず自らを消し去ってしまいたい思考の方が自然かも知れない。
同じ車内に乗り合わせている人々にはどのような人生があるのだろう。
それぞれ人には言えない重荷を背負っているのだろうか。
車内を見渡し一人ずつに想像を巡らせてもいいが、今の自分より不幸が肉迫している人は居ないだろうと思う。
(不幸自慢か・・・)
岳は三宮からJRに乗り換えて、関西の喧騒から離れてみたくなった。
岡山までの乗車券を買った岳は宛てのない旅が始まった。
岡山から伯備線へ乗り継いで米子へ向かう列車が高梁川沿いに備中山系へ進んでゆくに従って春の晴天も光を失い、山影には夕闇が迫っている。
この分だと終着駅の伯耆大山に着く頃にはとっぷり陽が落ちているだろう。