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シャンプーの歴史②

2010-10-19 | シャンプー
ヨーロッパでは、石けんが泡立たない為に、その代役として参上したラウリル硫酸Naでしたが、脱脂力や浸透性が強く肌トラブルが絶えませんでした。

そこに参上したのがラウレス硫酸Naです。確かに、ラウレス硫酸Naは肌トラブルは激減しましたが、それでも、肌が乾燥して、痒みを訴える声が上がっていました。
そこで、配合されたのが両性界面活性剤です。

この両性界面活性剤は、「両性」というだけあって、アニオン界面活性剤(ラウレス硫酸Naや石けん)同様に洗浄力を持っています。また、その反面、カチオン界面活性剤のようなリンス効果も持っていました。何よりラウレス硫酸Naとの相性がよかったのです。

通常、ラウレス硫酸Na単体の水溶液なら、石けんの水溶液のようにシャバシャバの水の様な感触です。そこに、ラウリルベタインのような両性界面活性剤を適当な比率で配合して、食塩をちょっと加えると、グリセリン状の粘りが生じます。

現在、ドラッグストアで購入できるシャンプーの殆どは、この原理を使って、あのトロミを出しています。このドロッとした感触が好印象で、今も活用されています。
その証拠に、全成分表示を見たら「ラウリル硫酸Na(または、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩)」、「ラウリルベタイン(または、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)」、「塩化Na」の3つが載っているはずです。

更に、ラウリルベタインは、髪や肌に吸着して、軽いリンス効果を持たせ、そのことが肌の乾燥感を和らげました。その結果、ラウレス硫酸Naを単体で使うよりも、遥かに乾燥による痒みを抑えることが出来たのです。また、洗髪後のすすぎ時の髪のきしみも激減されました。

こうして、「ラウリル硫酸Na(または、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩)」、「ラウリルベタイン(または、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)」、「塩化Na」の三大組合せが誕生したのです。

そして、この組合せは海を越えて日本に上陸します。

しかし、その頃、日本は石けんから合成のシャンプーに変わりつつある途上でした。海外からの情報も(まぁ、どんな話でもそうですが)悪い情報だけが極端に早く流れます。当時、ラウリル硫酸Naは、肌に悪い!と言う情報が飛び交っていました。

しかし、日本に入って来たのは、ラウレス硫酸Naとラウリルベタインと塩化Naの組合せ処方。ラウレス硫酸Naとラウリル硫酸Naの区別をつけられる訳もなく、「合成系界面活性剤=悪」となり、折角のラウリルベタインも「ついでに悪」となってしまいました。イメージ恐るべしです。

そして、その後に、アミノ酸系界面活性剤が出てきます。初めての採用理由は意外なものでした・・・。

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