立場上の事はさて置き、矢野康治財務次官の一人10万円(約12兆円)の定額給付金の殆どが死蔵になっているという指摘に同感です。0/13のテレ朝の番組報道で、消費に回ったのは多くても12%だと裏付けられた格好で、国民総金融資産が発表されるたびに、景気に関係なく現金及び預金額が増えているのは紛れもない事実です。トリクルダウン作戦が功を奏し、満遍なく下の方まで貯蓄出来ているならともかく、現実は推して知るべしではないでしょうか……。
またこの雑誌寄稿文は、岸田総理及び麻生前財務相の許可を得ていると言われ、安倍、管ラインの新自由主義に対する牽制なのか、安倍総理がリフレ派にシフトした結果としてMMT理論及び通貨発行益理論の実験場と化し、日本経済は危険水域に入っているという危機意識の表れと考えることも出来ます。安倍氏も通貨発行益の副作用はインフレと円安懸念と言っております。但し安倍政権内で指したる影響が有りましたかとも言っております。これは無欠の真理ではなく単なる現象を言ったにすぎず、格付け会社の扱い次第で爆弾的円安・インフレに潮目が変わる可能性だってある筈です。つまりMMT理論及び通貨発行益理論は麻薬だとするのが正論のような気がします。
世界の財政規律の常識がGDP比60%以内としているのに、我が国は国内債務で日銀が買い支えているのでデフォルトは無いと抗議抗弁をしても、ハイビジョンのアナログ・デジタル戦争、或いは一世を風靡した日本の携帯電話性能も結局世界基準に勝てなかったことを考えれば、やはり多寡を括るのは早計ではないでしょうか。自国の食を含めた経済自己完結率を慮るべし。政府がもしプライマリーバランスを蔑ろにして通貨発行益理論に走れば、再びムーディーズに日本国債の格付けを下げられかねません。ここから先が安倍氏も認めた副作用が顕著になるのかも……。
コロナ禍で傷んだ経済を立て直すための赤字国債は是としても、プライマリーバランスは無視出来ないと思います。
そして、ばら撒き合戦という例えは、
特に野党の財源策は凡そなるほどと言えるようなものは無く、穿った見方をすれば最終的にこの通貨発行益という麻薬に頼ろうとしているように見えてしまうのです。
政権を手にした旧民主党は税の再分配で社会はもっと豊かになると言いながら、最終的に消費増税論に転じた過去があり、現実論としての沖縄のほぼ纏まっていた基地問題を引っ搔き回し今回はIAEAも先進諸外国も安全としている福島の原発処理水を引っ掻き回すつもりでしょうか。また責任を果たさずただ先延ばしするだけが透けて見えてしまいます。
一方岸田総理は中間層を分厚くする方法として、給料を上げた企業に優遇税制措置を講じると言いましたが私には納得できません。分厚と言うなら中間層を増やす初めの一歩として、安倍政権時代に行った法人税減税(23%→28%・大企業に対し=想定以上の内部留保を根拠とします)を一旦戻し、非正規社員の正規雇用化率及び給与引き上げ率に対して改めて優遇税制措置を講じるのが筋だと思います。
ここから先は前回投降の内容と重複します……。
福祉や社会保障を恒久的に維持するには安定財源の確保が一般的で、高福祉を望むならそれなりの負担が必要となり、大学・基本(公的)医療の無償化を含めば欧州の消費税が20%前後というのも納得できる話です。(※税には所得税や法人税もあり、その累進率も含め消費税の負担との兼ね合いで、実際に実現している欧州と比較するのが妥当だと思います)。
低所得者対策としてマイナンバー・クレジットカード上の購入明細・銀行口座の紐付で増税分の還付を行い、景気対策としては子育て世代の助成金の増額と希望的に…低所得者へのべイシックインカム導入が確実に消費マインドを上げるカギではないかと思います。
安倍氏だって消費税10%に引き上げの際、一旦プライマリーバランスを据え置きにして、子育て世代へお金を回すという井出教授理論のパクリを大義にしたじゃないですか。
仮に基礎年金を消費税で賄い(ザックリ5%分の増税)積み立て分を2階建てにすれば、下流老人は救われ世代間格差問題解決の糸口になるし、手当て・給付に対する消費意欲は富裕層より高くなると考えられます。
トリクルダウン作戦を反省してボトムアップ型(子育て世代や低所得者などにターゲットを絞り)、下層のグラスを満たすことから始めた方が確実な地域・国内消費に繋がるような気がしてなりません。1億総中流時代の消費を牽引したのは貯蓄が薄くても、今日より明日という確信でローンを組んで家電や車そして家も買った時代であり、現在その潜在性を低所得層にあてることから始まるように思います。
大企業そして富裕層が累進性を許容され子育て中を除く中間層の一時的我慢が、消費というエンジンをローギア(下層)から噴きあがらせ、トップギア(全体)の安定走行に至らせることで、1億総中流時代の様な活力を引き出し延いては社会全体の好景気好循環に繋がると期待するものです。またメジャーではない私見の欲を言わせてもらえば、景気を支えつつ消費税20%の高福祉高負担の社会制度実現の可能性を秘めているし、世代間格差のない年金制度、大学、基本的医療の無償化が社会の歪をなくす鍵に見えるのです。タイミングが今でなくても、この方が日本人向きの社会制度の様な気がします……。
※消費減税5%は2020年度で年間約30兆円です。財源を短絡的に求めて満額実行できず想定を下回る税収になれば、先々の社会保障や年金のカットリスクが高まりそうですね。やはり政策も財源も真正面から考えたほうがよさそうな気がしてなりません。これは効率と社会全体の話です。
最後に……。
以前GoToキャンペーンの業務委託中抜問題(パソナ疑惑)も、とどのつまりモリカケも、族議員・高級官僚にしてみればトリクルダウン作戦の一環であり、この政官財の常識は世間の非常識と言えなくもありません。仮に、高福祉高負担の社会を想像するなら為政者側の高いモラルが必要で、例えば元経済再生相のA氏(UR口利き金銭授受で本人は不起訴)や旧民主党幹事長O氏(西松建設問題で結果的にグレーな不起訴)が如何に有能でも、泣いて馬謖を斬るくらいの厳しさを有権者が持たないといけないのかも知れません。
大阪維新が舵を切り八百万的新自由・民主社会主義、つまり高福祉高負担に力を注いでくれるなら、クリーン力と改革の実績から大いに期待したいのですが………。
帯に短し襷に長しとしても。これは、下流老人・七人に一人の子供の貧困・不安定な非正規による若者の窮状をなくす正夢を観たい、私の夢の話です。
2021.10.23(以下追記)
アメブロのブロ友さんの中に食料自給率を心配している方がおられ私も同感です。
経済自己完結率もそうで、例えば高市さん推奨のエネルギー政策。小型の原子力発電(原潜で使われているようなもので電源喪失の際は専用プールにそのまま沈めてしまえばメルトダウンは起こらない)と、アンモニア・水素、それに太陽光発電を含めた脱炭素発電で自給率を上げるのがベストの様な気がします。
農業はコメもフルーツも我が国の品質は最高レベルだと言うし、跡継ぎ不足の折将来的には小麦をぐ含めた穀物の大規模生産化(普通米の株式会社経営とブランド米農家の共存)を図り、世界に品質と兼ね合わせた価格で勝負できる形にして、余剰分を世界の食糧援助(政府買取と政策的補助金制度を設ける)政策とすれば、常に自給率を100%以上を保てます。後は家畜肥料と大豆の大規模生産化すればどうにかなりそうな気がするのですが………。