何の知識も無い人がゼロからお米を育てたお話 その④ 防獣篇

ここまで長々とお話させていただきましたが、いよいよ田んぼをいじっていく工程に入ります。肝心のお米に直接関係ある工程はもーちょっと先になりますスンマセン(汗)

まず一番初めに行ったのが、害獣対策のために防獣柵の設置です。（メッチャ重要）

今まで山登りや動物園で見るシカなどの動物、可愛いらしいなと思ってましたが、畑やり始めてからは皆さんが想像する100000000倍憎くて嫌いになりました…。もうね、あんな事やこんな事してこねくり回してポーーーイ！！ってしたいです！！(ノ｀Д´)ノ彡

一晩で我が愛しい野菜達を見事に荒らしていく畑のテロリスト。本当に厄介です…。

そういうわけで！嫌な気持ちにならないよう、心と田んぼに柵をします！！　(ん？

しかしこの防獣柵、結構お金かかるんですよね(泣)

しかも、中途半端なやり方をすると効果が無いんです。なので、多少お金を掛けてでもしっかりとしたものを設置しなければなりません。【めちゃ重要】

防獣柵は大まかに2パターンありまして、1つは電気柵、2つめにネットです。

どちらを使うかはその田んぼや畑の立地条件と自分の気分で選びましょう。

　

今回ワタシが選んだのはネット方式(ロールメッシュ+ネット)です。

見ていただいたほうがわかりやすいですね。こんな感じです。

見にくくて申し訳ないんですが、下部は網目が細かめのワイヤーの網(緑色の部分)に、上部はネット(黒色)です。支柱は口径19㍉のアルミ製。ネットの高さは約200cmとってます。

うちの地区は、シカがめっちゃ出ます。夜に道を歩いているとコッチを見ながら(. ❛ ᴗ ❛.)ノ　ヨッ！ってな感じて普通に横切っていきます。

それに他の地区に比べれば少ない方ですが、イノシシも出ます。

そして、川がすぐ隣にあるのでヌートリアも出ます。

なので、この3点(シカ、イノシシ、ヌートリア)が今回の田んぼに関して対策がいると考えました。

まず、シカ対策です。シカの特徴としてはなんと言ってもジャンプ力があり、ちょっとやそっとの高さでは飛び越えてくるところです。成人男性の胸の高さほどでは軽々と飛び越えられます。

ですので、ネットを高めに貼り、だいたい200cmほどにしました。(ほんとは180cmほどでもいいと思います。)

次にイノシシ対策です。イノシシの特徴としては、シカほどジャンプ力は無いので高さは気にしなくて良いのですが、なんと言っても強靭な顎で網を噛みちぎり侵入してきます。

これの対策としては、低い位置の網は金属製にする事です。これなら噛みちぎられません。

実際に使った商品の写真ありましたので載せておきます。

これだとロール状になっているので、クルクル～っと広げて使えるので非常に使いやすかったです。

次にヌートリア対策です。あまり聞き馴染み無いかもしれませんが、カピバラみたいな形や大きさをした泳ぎが得意な外来種の害獣です。

こいつも厄介です。言うなれば大きいネズミサイズなので、下部の網目が大きいと侵入を許してしまいます。

これに対して、下部の金網の網目を細かいのにする事で対応しました。(↑の写真のやつです)

そして支柱に関して、上からハンマーで叩くだけでは土に深く入らないこともあるので、インパクトドライバーに園芸用ドリルを着けて、土に穴を開けてから打ち込むように(50cm以上)しました。

ここまでやった結果、収穫まで一度も侵入を許さずにいけました。

ちなみに、デメリットもありまして、ヌートリアの侵入を防ぐために金網を地面に密着させているので、草刈りの時にめっちゃ邪魔です(汗)

あと、時間が掛かります＼(^o^)／

コストに関しては、約3反の田んぼを囲むのに約15万円ほどかかりました…。まぁでも仕方ない出費なんです(泣)　時間かかるし出費凄いし、もう大変なんです…。

そんなこんなで無事、防獣柵の設置が終わりまして、次の段階は畦（畦作り）へと入って行くのです。

さて、終わり間際に余談でも。

補助金についてです。

うちの行政は害獣対策に対してあまり積極的ではありません。防獣柵の設置に関して、補助金制度はあるにはあるんですが【隣接する3つ以上の田畑で、持ち主もそれぞれ違う場合に補助金が出る】というものです。

ワタシみたいな新参者にはそんなパイプはありませんし、あったとしても隣の田畑は既に柵が設置してあります。

結局補助金はアテに出来ませんでした。

(購入金額の半額ほど出るのでバカにならないんですけどね)

ちなみに地域によっては防獣対策に積極的なところもあって、山自体に柵を設置して田畑に動物が降りて来れなくする、というような大規模に行っているところもあるそうです。新規就農活性化の為にうちでも積極的に害獣対策に力入れて欲しいな…(ぼそ

新たに就農する方は、損をしてはいけないので自分の地域がどんな支援や対策を行っているか、必ず確認しましょう。

ちなみに、害獣の狩猟に関してもあまり盛んでないため、うちの地域のシカさんイノシシさんは増え続け、今猛威をふるってます(´；ω；｀)ｶﾞｸｶﾞｸ

つづく

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何の知識も無い人がゼロからお米を育てたお話 その③ 始動

前回のお話は田んぼを借りないかというお誘いのお話。さて、今回お話させていただくのは手続きのお話です。

2月某日、田んぼ借用のお誘いを受け、お米を作ることを決意した私です。早速貸主の自宅に挨拶をしにいきました。

貸主「君が新しく借りてくれる方だね。」

私「はい。よろしくお願いします！」

貸主「お米は自分で作ったことあるの？」

私「いえ、ありません。」

貸主「あー。誰かに教えてもらっていたとか？」

私「…いえ、ありません。知識全くないです…。」

貸主「…農業機械はあるの？」

私「何も持ってないです……。(脇汗びしゃー)」

貸主「えーっと…。出来るのかな？？汗」

私「稲作の方法については、今からネットや知り合いの農家さんに助言を貰いながら猛勉強します。機械についてはこれから何とか揃えていくつもりです。」

貸主「そうですか。まぁ周りの稲作してる農家さんに、いろいろ教えてあげて下さいと言っとくから、頑張ってみる？」

私「ありがとうございます！」

こんな感じのやり取りがありました。

途中、不穏な空気も流れましたし、いやほんと今考えてもよく貸して頂けたなと思います（笑）。

そしてその場で農地賃貸借契約書というもの交わしました。

この農地賃貸借契約書というものについて、軽く説明しますと。

農地の貸し借りをする際に必要となる書類の一つで、まぁ名前の通り契約書です。どんな目的で、何を作るのか、どんな農業機械を持っているのか、そして年間の賃料は幾らか。などを記載し、それを地域の農業委員会に提出しなければなりません。

意外とこの契約書を交わしていないパターンが見受けられたりしますが、基本的にやらなければならないものなのです。トラブルを防ぐためにもね(•‿•)

ちなみに賃料ってどの位が相場か気になりません？

おそらく地域によって多少差異はあるかと思いますが、うちの地域では一反(1000㎡)あたりで年間1万円ほどが多いと思われます。

ちなみに私のとこの田んぼに関しては一反あたりお米30kgという契約になってます。

なんだかんだで契約は終了。安堵とともに何としてでもやり遂げなければという気持ちが込み上げてきました。

とにかく稲作開始まで時間がない事だけはわかっています。テキパキと動かなければ！！

次に行ったのは防獣柵の設置でした。これもまーーーーー大変でした（笑）

つづく

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何の知識も無い人がゼロからお米を育てたお話 その② はじまり

時は遡り2021年2月のこと。

それは突然やってきました。

知り合いの農家の方から、こうお声を掛けていただきました。

「べ～さん、べ～さんのお家の近くの田んぼが今年何枚か空くんやけど、お米やりたい言うてたやん？よかったら借りへん？？持ち主さんに掛け合ったげるよ。」

まさかの事態。

というのも、能勢町に引っ越してきて、まだ3年ほど。本業の仕事をしながら超小規模とはいえゼロから野菜作りを試行錯誤しながら、将来もっと大きな畑を持つその日のために着々と準備していました。

いつかお米は作りたいと思っていた。ただ、そこそこ野菜作りが波に乗ってきただけで稲作の知識はゼロ。

しかもトラクターすら持っていない、機械ゼロ。

おまけに、聞けば合計面積は3反(約3000㎡)らしい…。

そして家のローンがあり資金も無いし、それに【圧倒的準備不足】！しかも、もう2月やで…

でも…でも…でーーーも！！家のこんなに直ぐそばで田んぼを借りれるなんて、このチャンスを逃したらもうホントに無いかもしれない！！！

うわああああああああ(ﾉ*0*)ﾉ　どうすればいいんだああああ！！！(ﾉﾟ0ﾟ)ﾉ~(ﾉﾟ0ﾟ)ﾉ~

「借ります。」(キリッ)

しまった、いつもの悪いクセが…。

興味のあることは何でもすぐ挑戦したくなり行動してしまいがち…。

あー。嫁さんに言わなければ。

以前から稲作がしたいとは伝えていたものの、まさかこんな状態でやると言い出すとは思ってなかったみたいで(まぁそうですよね)、しかもまだ2歳の子供もいまして、本業の仕事もありますし、やはり素直にどうぞとは言ってくれなかったです。

ただ、①資金の面は家計に迷惑掛けず自分で何とかすること　②子供の世話があるので、手伝いはあまり出来ない　③無理はしないこと

という話し合いを経て、了解をいただけました。

いつも何事も、何だかんだやりたい事を挑戦させてくれる嫁ちゃん。ほんといつもありがとう(´；ω；｀)

こうして米作りに携わるキッカケが突然やってきました。

このときはまだ、お米は苗植えたら水入れて放っておくだけで出来るじゃん？機械も仲のいい農家さんに借りればいけるじゃん？忙しくても育てれるでしょ！なんとかなるべやーーー

(・∀・)

っと…。本気で思ってました…。

今思えば、もう既にこれから藻掻きまくる底無し沼に足が浸かっていたのです…。

つづく

次回は田んぼを借りた際の手続きなんぞについてお話します。

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何の知識も無い人がゼロからお米を育てたお話 その① イントロダクション

はじめまして♪おおさかのてっぺん！能勢町で野菜や米を作ってます「べ〜ふぁーむ」よりお届けします。

稲作なんて、お米作るなんて、夢のまた夢。新規で誰の指導も受けず、何の知識もなく、何も機械が揃っておらず、いうてお金もない。そんな状態で出来るわけないと思いませんか？？

出来ました！！

というより何とかなりました（笑）

農薬不使用、化学肥料不使用、そして憧れの天日干し。自分で言うのもなんですが、今まで食べたお米の中で一番美味いお米が出来ました。

これから稲作をしてみたい！という夢のある方の参考になればと思い、ここに自分の備忘録も兼ねて奮闘した記録を記して行くことにします。

まずは前置きを書かせて下さい。

米農家さんって凄く減ってるんです。もう社会問題ですね。

背景には、ご高齢の方々が増えて、更に離農されていき、そして新規で米農家をする人が【絶望的】に少ない。

今、自分の周りで、野菜作りを始める若手農家さんは意外と多い印象です。有機野菜、自然農野菜、流行ってますもんね。おいしいですし。

でも米を新たに作ってみようとしている方はほとんど見かけません。

……何故か？？

お米って、野菜を育てるより遥かに遥かに遥かに敷居が高いんです‥。

理由としては

①必要な機械が多すぎる

もうね、新規で米農家する人が少ないのはこの理由が　ダントツ　だと思います。細かいのは除き一般的に必要なのは［軽トラ、トラクター、田植機、コンバイン、刈払い機、米乾燥機、籾摺機、選別機］てとこでしょうか。しかもほとんど大型の機械で、新品で全て揃えればウン百万円以上はかかります。

そして普通の人はそれらを【保管する場所がない】でしょう‥。

この時点で既に敷居が高いですよね…。

②行う工程が多い

凄い多いんです…。しかも私は籾種から育てたので、苗を購入する人に比べてさらに工程が多かったです。

工程については後々詳しくお伝えします。

③栽培期間が長く、自然の影響を受けやすい

死活問題に直結するところです。実は種籾から考えると、4月にはお米作りが始まっていて、収穫は9月〜10月になります。その間、日々水田の水の管理に追われ、さらに日照問題や害虫、台風の恐怖にさらされます。

以上の理由ではないでしょうか。まぁでも先にも書きましたがダントツで理由は①でしょうね

このへんもふまえて、私が様々な失敗をしながら何とか解決した模様を紹介して行きたいと思います。

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