叔父が亡くなった。
母方の中では一番ユニークな人で、子供の頃から面白い人だと思っていた。89歳だった。
元気な頃はよく自転車で街の中を徘徊していて、たまに帰省して歩いているとバッタリ、なんてことが多かった。
街の真ん中の実家をさっさと飲食ビルにして、歓楽街の真ん中にあるビルの壁面には「消費は美徳」と書いてあった。たぶん松山の人なら知らない人はいないだろう。
ビルの横には●●地蔵という自分の名前を冠したものを作り商売繁盛の守り神として親しまれていた。
とにかく変わり者として親戚でも一目置かれていた。
昔から街の中をくまなく歩き回る人で、地元の大学を出てしばらく会社勤めをした後に独立して経営コンサルタントを開業した。
その頃できたばかりの街の中の大型スーパーの一階入口横に、プリント格安のカメラ店を入居させて大当たり。小学生の僕に、「あそこに目をつけたんは正解やった」と仕切りに説明してくれるのだ。
僕も、この人が街の中を歩き回っているのはそういう仕事の一部分なんだな、とその時から理解した。
時々街の中のアーケードで会うと、「敏弘くん、コーヒーでの飲もうや」と行きつけの喫茶店に連れて行ってくれた。
昔からある近所の事務所や若旦那が使う風の喫茶店で、店内にいる誰とでも知り合いのようだった。
あちこちのテーブルには契約書や計算書が所狭しと置かれ、商談の真っ最中。おじさんが一番馴染んでいた景色だった。
叔父さんの息子と娘とは小さい頃から親戚の家(飲食ビルになる前のおじさんの実家)で遊んだりしていたのだけど、一つ不思議だったのが、彼らがどこに住んでいるのかを全く知らなかった。あのあたりらしい、という話は聞くものの、今までに一度も伺ったことがなかった。
叔父さんは叔父さんで、自分で実家跡に建てた飲食ビルの最上階に住んでいた頃もあったけど、歓楽街でもあったのでそんなに行き来した記憶はない。
僕がプロの音楽家としてスタートした頃は、うちのビルの●●てお店で貸切でやってみないか、とか、誘ってくれた。ありがたいことだった。
昼間に前を通りがかると叔父さんがビルの前の道路の掃除をしているのによく出会った。
何かの時に用事があって、そのビルの最上階へ叔父さんを訪ねた時にはもうそこには住んでおらず、再び謎のままとなった。
自分が決めたことがあるとトコトンやり尽くす人で、妥協がないものだから世間付き合いはあまり上手ではなかったようだ。
そのくせ、海運組合から政治家まで、不思議な繋がりを持つ人で、ある時は知事に文句を言っていた事もある。
湯築城という道後温泉近くにある史跡との関連があるということで長年かけて史実を調べ上げていた。
小さい頃は「おっかなかった」けど、大きくなると、この人は自分に正直に生きてるのがわかり、むしろ親近感さえ湧いてきた。
自分のために自分は生きる。
それを生涯貫き通した人だった。
いろんな不思議な思い出があるのだけど、10年くらい前に自転車から転げ落ちて骨折をしたところから行動範囲が狭まり、きっとストレスがたまっていたのだろうな。
何度目かの骨折(人の言うことを聞かないからいつもそうなる)の時に入院していると聞きつけてお見舞いに伺った。
すこぶる元気で口も達者、これなら問題ないだろう、と思って安心していた。
その後は退院してどこかの施設に入ったらしい、と言う話は聞いていたが、これまた親族に聞いても場所がわからない。施設の名前もわからない。困ったものだ・・・・
まぁ、そう言う弱った自分を見せたくないプライドがそうさせたのだと思う。
叔父さんの妹(叔母)が同じ施設に入ったと言う話を聞いて、叔母に電話をするのだけど、これが出ない。叔父さんとそう言うところは瓜二つだ。
どうやらそういう謎が好きな家系なのかもしれない。
従兄弟によると、最後は誤嚥性肺炎だったとか。
皆が言うには、きっと周りがだめだと言うのに、食べたくなったものを何か食べたんじゃないか、と。
叔父さんらしいな。
お疲れ様でした。
社会人の先輩として初めて興味を持った人でした。
自分のために自分は生きる。
僕もそうしているような気がしてきたよ。
叔父さん、ありがとう。
今朝の一番の特急でトンボ帰り。
途中の富士山が綺麗だった。
喪中につき、新年のご挨拶は失礼させていただきます。
♪♪♪ THE MEDIA
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毎週土曜日午後7時から、好評放送中!
次回・12/28(土)19:00- 第39回「過ぎし日に思う2024」をお届けします。お楽しみに。
【放送 / テレビ】
今週のオンエア (12月23日〜12月30日)
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【テレビ】
東京MX2 (地デジ9ch + ▲up)
番組名『ヒーリングタイム&ヘッドライン・ニュース』
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■平日(月〜金) 25:00〜26:00 ※金曜 25:30 ■土曜 13:55〜14:00 / 22:00〜23:00 ■日曜 13:50〜14:00 / 22:00〜23:00
🆕 “工場夜景クルーズ”
『MY REAL BOOK - Season 1 & 2 / 赤松敏弘』(2023年作)
演奏:赤松敏弘(vib)ハクエイ・キム(p)市原ひかり(tp,flh,vo)酒井麻生代(fl,alt-fl)須川崇志(b,cello)小山太郎(ds)望月慎一郎(p)平石カツミ(b)岡部洋一(perc)
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■金曜 25:35 都知事定例会見終了後 〜27:00
“路面電車のある風景 - 1”
『NEXT DOOR - NEW LIFE/赤松敏弘』(2020年作)
演奏:赤松敏弘(vib)ハクエイ・キム(p)市原ひかり(tp,flh)酒井麻生代(fl)須川崇志(b)小山太郎(ds)佐々木優樹(g)
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新レーベル、AMS RECORD(アムズ・レコード)
MY REAL BOOK - Season 1 & 2 / 赤松敏弘
(AMS-23001)定価3.000円(税抜)
通算17枚目となる赤松敏弘のvibraphoneに、レギュラーメンバーのハクエイ キム(p)市原ひかり(tp,flh,vo)須川崇志(b,cello)小山太郎(ds)によるグループ・インターアクションが6曲(含む赤松&ハクエイDUO1曲)と、話題の望月慎一郎(p)を迎えて酒井麻生代(fl,alt-fl)平石カツミ(b)岡部洋一(perc)と繰り広げた絵画を眺めるようなジャズ。ライナーノーツ:高井信成。
動と静、夜と昼、都会と自然、二つの異なる世界を一つのアルバムとして作り上げました。
今回は下のサブスク・サイトでも世界同時配信。ストリーミング、ダウンロード。そして今回はハイレゾ配信も行っていますのでどうぞご利用ください
━━━ Magazine Interviews, CD Reviews ━━━
■ジャズ批評 24年1月号 No.237 (23年12月24日発売)
【インタビュー】P106~109. 赤松敏弘 音と沈黙は背中合わせ『MY REAL BOOK - Season 1&2』リリース
4本マレットを駆使し、美しい音色を奏でる日本を代表するヴィブラフォン奏者の赤松敏弘が自身のレーベルAMS RECORD(アムズ・レコード)を立ち上げ、通算17枚目をリリース。完成度の高いアルバムに仕上がった。タイトルに込めた思い、レーベルを立ち上げのわけなど詳しく語ってくれた / 取材:編集部
【新譜紹介】P160. 驚くべき成熟がここにある。熟成しかつ濃密な音楽。これが現在の赤松敏弘の驚異的とも言える到達点だ / 文:小針俊郎
出版社:ジャズ批評社 発行間隔:隔月刊 発売日:毎隔月24日 サイズ:A5判 参考価格:1.320円
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■Jaz.in 24年1月号(23年11月27日発売)
【巻頭】P16~19. 赤松敏弘 世界的ヴィブラフォン奏者が紡ぐインプロヴィゼーションの奇跡。その音楽的原点にあるもの / 取材: 高井信成
【Jazz Record Guide】
P28.『MY REAL BOOK - Season 1&2/赤松敏弘』「2つの異なる世界を1つのアルバムとして作り上げた」、見事にその意図がしっかりと具現化された充実した作品 / 文:小島良太
出版社:シンコーミュージック 発行間隔:月刊 発売日:毎月24日 サイズ:A4判 参考価格:1.177円
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■JAZZ LIFE 12月号(23年11月14日発売)
【新作インタヴュー】P14~15. 赤松敏弘「通算17枚目のリーダー・アルバムを発表」対局に存在しているふたつのバンドの演奏を収めた僕流のリアルブック / 取材:長門竜也
【Disc Review】P37.『MY REAL BOOK - Season 1&2/赤松敏弘』人生を2シーズンに分け、独自の“リアルブック”を著した作品 / 文:長門竜也
出版社:ジャズライフ 発行間隔:月刊 発売日:毎月14日 サイズ:A4判 参考価格:970円
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サブスク配信(NexTone)サイト
どうぞご利用ください。
■AMS RECORDの第二弾『SOMETHING'S COMING / MIKI』(AMS-23002)
世界初!432hzサヌカイ陶琴アルバム【Something's Coming(何か起こりそう!)/MIKI】
マリンバ奏者でもあるMIKIがこの楽器と出会って得たインスピレーションから全ては始まっています。
インストによる即興演奏であることは現代ジャズのフォームと何ら変わらないものの、もう一つの「あちら側」の即興演奏の要素も取り入れて、AMS RECORDのレーベルポリシー「音と沈黙は背中合わせ」の一翼を担うものです。
SOMETHING'S COMING / MIKI
(AMS-23002)定価2.273円(税抜)2024年3月13日発売
演奏 : MIKI (サヌカイ陶琴) サポート : 赤松敏弘 (シンセ、サヌカイ陶琴 on tr M4, 7 & 9 )
━━━ Magazine Interviews, CD Reviews ━━━
■Jaz.in 24年4月号(24年2月26日発売)
【Jaz.in Portrait (インタビュー)】P72~73. MIKI ハンドメイドな楽器だから、次に何が起こるかわからない、その時にしかできないことを作品に閉じ込めた / 取材: 島田奈央子
【Jazz Record Guide】
P31.『Something's Coming (なにか起こりそう)/MIKI』「本作には、大変驚いた。マリンバの名手MIKIが全曲で、「サヌカイ陶琴」を弾いて・・・」/ 文:高木信哉
出版社:シンコーミュージック 発行間隔:月刊 発売日:毎月24日 サイズ:A4判 参考価格:1.177円
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■愛媛新聞2024年2月26日(月)刊
【芸能】サヌカイ陶琴 詩情豊か
『マリンバ奏者MIKI(松島美紀、松山市出身)が3月13日、インストゥルメンタルアルバム「SOMETHING'S COMING(なにか起こりそう)」をリリース。今作では香川県産の石サヌカイトを使った陶琴を鳴らし、詩情あふれる癒しの音楽を届ける。ジャズビブラフォン奏者の・・・』 / 文:山口淑子
発行所 : 愛媛新聞社 発行間隔 : 日刊
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CDのお求めは→■ディスクユニオン ■タワーレコード ■HMV ■Amazon 他
サブスク直リンクはこちら
どうぞよろしくお願いします
【期間限定公開/無料動画】
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最新の動画です。2022年11月に栃木県足利市のartspace&cafeで行われた彫刻家藤岡孝一氏の個展BLUEの中の「JAZZ in BLUE」での演奏からダイジェスト
約27分間の動画です
演奏:Toshihiro Akamatsu(vibraphone) Hakuei Kim(piano)
Nov/13/2022 artspace&cafe @ Ashikaga, Tochigi.