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赤松敏弘Vibraphone Connection・談話室

作曲における、真夜中のラブレター症候群

作曲やアレンジで徹夜したりすると必ず起きる現象に「真夜中のラブレター」というのがあります。作曲家の大政さんが使っていて、それ、的を得てるなー、と思ってからこの現象のことをそう呼ぶようになりました。
 
真夜中は誰にも邪魔されず、集中して作業が行われるのでそういうことには打って付けの時間なんですが、どんどんハマって行くと、時々自分の書いたものの中に困ったものが現れたりします。多分熱中するあまりに全体の眺めを忘れて、苦労した部分ばかりに全神経を集中させるあまりに全体の流れのバランスを欠いてしまう結果に至ること。しかし、その夜は何度も何度もそこを行き来したものだから自分の中では揺るぎのない答えが出来上がったと思っているのです。
 
「ひょっとして俺は世界でも稀に見る作曲家なのかもしれない」、とか(笑)、本気で思っていたりするものです。
 
さぁ、今夜もいい仕事をした・・・・と風呂にでも入って翌日スッキリした頭で昨夜書いた譜面を眺めながら・・・・・
うん? なんだ? コレ?? と首を傾げてしまうもの・・・・・。
 
すっかり寝て冷静になった頭で最初からロールすると、その妙に入れ込んだ形跡のある部分が異様に突起しているのに気づくのです。真夜中に想い余って熱くラブレターなんて書いたらどんどん妄想が広がってしまい、翌朝読むと自分でも笑ってしまうようなラブレターの経験、ありませんか?
ホント、どうしようもないですが、でもだからと言って最初からクールなものなんて書けませんって。失敗をたくさん経験して自分なりのスタイルが出来上がって行くものなのです。失敗を受け入れる気持ちが大切。
 
1982年の6月に書いた曲を引っ張り出してみました。
 
 
もう40年も前の自分がそこにあります。その時に音源に残したものもありますが、この曲のように僕の頭の中だけに残しているものもあります。
 
音源を残してない完成曲(このファイルブックに閉じたものはのちに残すと決めた曲ばかり)を自分の中でロールすると、その時の光景が一瞬で蘇ります。写真よりも、動画よりも、それは鮮明に。
それが40年後の自分にもピンとくるものがあれば、このファイルから出してデータ化して日の目を見る時を待ちます。
 
 
さぁ、出番だぞ。と、手書きの(ホント、汚い)譜面をパソコンで蘇らせます。
もちろん真夜中に。
 
 
どれどれ、と、一番心がウキウキするのがデータ化した譜面をプリントアウトしてプリンターから出てきた瞬間。
 
 
まるで、新しい生命が生まれた時のよう。
 
おー、40年の時の彼方から、「よーこそ!」。
 
朝になってから、そのプリントアウトした譜面を見ながら初音出し。コレがまたワクワク。
 
 
ヴィブラフォンだとメロディーの弾き方も色々あって、もうすっかりそんな事は忘れているはずなのに、何となく身体が覚えてる。そこは左から、とか、右でダブルとか、ね。
 
そうやってテーマを弾いてソロまでやってみる。もちろんまだウォームアップ状態。何周かするうちに、パソコンを立ち上げて譜面ソフトを起動する。
なぜかって?
 
実はデータ化するときに、ちょっとだけメロディーのニアンスを弄っっていた。そう、小さな「真夜中のラブレター」症候群。
 
40年もキャリアを積んできた「俺様」が、ここは付点取ろうよ、こっちにしようよ、と打ち直していた。
実際に音を出しながら頭の中で全体の流れを掴んでいると。。。
 
やっぱり40年前で正解! だ。
 
 
どうだい、ちょっと「俺様」、謙虚な姿勢を忘れるな、だね。
なんでもオリジナルに勝るものは無し!
 
自分の中に演奏家と作曲家がいてよかった。
 
 
 
 
 
2000年発売のアルバム「Next Door - birth of the “Swift Jazz”」から
2020年発売の「Next Door - New Life」まで、
VEGAレーベルで発売した10枚のアルバムから人気曲を
高音質でお届けしています。
 
 
色んな意味で生活の中で占める音楽の比率がコロナ以降高まりつつあります。
「聴いて」楽しむ音楽!
好きな時間に、お気に入りの場所で、くつろぎながら
そこでは無限の想像力が、あなたをお待ちしています。
 
 
是非どうぞ!
 
 
【期間限定公開/無料動画】
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最新の動画です。2022年11月に栃木県足利市のartspace&cafeで行われた彫刻家藤岡孝一氏の個展BLUEの中の「JAZZ in BLUE」での演奏からダイジェスト。
約27分間の動画です。
写真をクリックするとartspace&cafeのページに飛びます。最初にコマーシャルが入る場合がありますのでご注意ください。
➡︎
演奏:Toshihiro Akamatsu(vibraphone) Hakuei Kim(piano)
 
・Straight, No Chaser......Monk
・Violet Rays.....Toshihiro Akamatsu
・Synonym......Toshihiro Akamatsu
・White Forest......Hakuei Kim
・Beyond the Dream......Toshihiro Akamatsu
・Lake Sagami......Hakuei Kim
・The Gleaner......Toshihuro Akamatsu
enc
・Blue in Green......Miles
 
Nov/13/2022 artspace&cafe @ Ashikaga, Tochigi.
 
Coming Soon!
━━━━━━━━━━━━━━
2023年3月30日(木)湘南・茅ヶ崎「Storyville
18:30開場/19:00開演
ハクエイ・キム(p) 赤松敏弘(vib)
MC: 3.850円+od

〒253-0056 神奈川県茅ヶ崎市共恵1丁目8−19 中島ビル 1F
☎️0467-91-9604
━━━━━━━━━━━━━━
2023年4月4日(火)千葉・柏「Nardis
19:30開場/20:00開演
ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)


MC 3630円 + od
問い・予約 04-7164-9469

━━━━━━━━━━━━━━

【プロデュース情報】
 
2023年1月25日発売!
現在の東京のジャズシーンで既にライブでは人を振り向かせる存在となりつつある新人実力派ヴァイビスト・吉野智子。今回そんな彼女のデビュー作のプロデュースを担当しました。
スタンダードもオリジナルも一つ一つ吟味して揃えた瑞々しさに溢れた作品に仕上がっています。試聴された方からはとても新人とは思えない堂々としたプレイに驚きも寄せられています。
メンバーは現在の東京のジャズシーンの若手を代表する精鋭揃い。
是非是非応援宜しくお願い致します。
 
KALEIDOSCOPE / カレイドスコープ
Tomoko Yoshino / 吉野智子
3000円+税
2023年1月25日発売 (WISE RECORD/WR-202301)
 
全国のCDショップ及びネットショップからお手元に。
 
■演奏
Vibraphone : 吉野智子 Tomoko Yoshino
Piano : 雨宮彩葉 Ayaha Amamiya
Bass : 鉄井孝司 Koji Tetsui
Drums : 小田桐和寛 Kazuhiro Odagiri
 
他。
 
■吉野智子WEB
今回は新たな試みとしてCD発売と同時にサブスクでの配信もスタートしました。
 
詳しくはこちらのページから
■Tomoko Yoshino's subscription link
 
皆様、応援宜しくお願い致します!
 
━━━━━━━━━━━━━━

■赤松敏弘 official site VIBRAPHONE CONNECTION
発売中のCD、ライブ情報、電子書籍やインタビュー掲載誌等、ジャズ、ヴィブラフォン、演奏法、ジャズセオリーと、ジャズやビブラフォンの周りにある様々な疑問も解決するお役立ち情報も満載。
1997年開設以来のユーザーからの様々な質問や情報交換もアーカイブとして保存中。是非一度お立ち寄りください。
( http://www.vibstation.net )



■赤松敏弘 FaceBook ( https://www.facebook.com/akamatsu.toshihiro/ )




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それでは今日も楽しい一日を!

 


【放送 / ラジオ、テレビ

今週のオンエア (3月24日~3月31日) 
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【テレビ】
東京MX2 (地デジ9ch + ▲up)

番組名『ヒーリングタイム&ヘッドライン・ニュース』

癒しの映像+最新のニュース+最良の音楽。

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■平日(月〜金) 12:10〜12:29 ■金曜 25:35 都知事定例会見終了後 〜27:00
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“路面電車のある風景 - 1”

『NEXT DOOR - NEW LIFE/赤松敏弘』(2020年作)


演奏:赤松敏弘(vib)ハクエイ・キム(p)市原ひかり(tp,flh)酒井麻生代(fl)須川崇志(b)小山太郎(ds)佐々木優樹(g)


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■土曜 17:30〜18:00 ■日曜 17:30〜17:38
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“ねこの足跡”

21年6月、7月、8月、10月ヴィブラフォン部門【Amazon's Choice】選出作品『NEXT DOOR - birth of the swift jazz/赤松敏弘』(2000年作)


演奏:赤松敏弘(vib)ユキ・アリマサ(p)養父貴(g)新澤健一郎(kb)平石カツミ(b)斉藤純(ds)相内勝雪(mnp)他。

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■土曜 5:00〜6:00 ■日曜 5:00〜6:00
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“東京点描 城南1”

『SPARKLING EYES/YUKARI』(2021年プロデュース作)


演奏:YUKARI(vib,mar)飯島瑠衣(p)中林董平(b)森永哲則(ds)guest:赤松敏弘(vib)

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■平日(月〜金) 27:00〜28:00 ■土曜 18:00〜19:00 / 28:00〜29:00 ■日曜 18:30〜19:00
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散歩の風景 夏から秋NEW!

『KALEIDOSCOPE/吉野智子』(2023年プロデュース作)


演奏:吉野智子(vib)雨宮彩葉(p)鉄井孝司(b)小田桐和寛(ds)



首都圏以外の方はこちらの「エムキャス」で全国からスマホやパソコンでリアルタイムにお楽しみいただけます。
★エムキャス→https://mcas.jp/c/mx2.html
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