ミュージシャンである以上、いろんな動画が残っているもので、そんな中から最近見つけては紹介しています。今まで2つの動画をfacebookで紹介したところです。
【懐かしの動画シリーズ】その3
その2と同様、ネットで探した僕の一番古い動画が1994年夏の日野皓正さんのツアーでの野外フェスの動画。まだYouTubeどころか一般のネットもない時代の貴重なもので画質も音質も良くないけど、ナントここではマリンバを弾いているからなお貴重!
その2にリンクは貼っていたのだけど見つけられないという声が多かったので改めて超・短期間限定。
その2の時にコメントをくれた越智美保代はその当日このジャズフェスのMCを担当していた。と、後で聞いてびっくり @@;;
しかも同郷(愛媛・松山)と聞いてまたびっくり。。。。
いろんなことを思い出してきました
この時の日野さんのバンドは事前に一度だけ麻布の「つづきスタジオ」でリハーサルがあり、数週間前に資料が送られてきたのだけど音源と初日の朝の名古屋までの新幹線の切符、ツアー日程等の入った封筒には・・・あれ?? 譜面がない!?
と、言うことは!
売り出し中の若造は「これは“試されてるんだ”」と勝手に思い込んで音源を全て覚えて簡単なコード譜をつくり、それも暗譜してリハに出かけた。
そうそう、この頃僕はマリンバを持っていなくて、実家に帰って触る時間もないので近所の知り合いのところで一度だけマリンバを弾かせてもらったんだった(笑) 何年振りだっただろうか、マリンバ弾いたの。
昔取った杵柄ではないけれど、ちょっと触ると感触を思い出せて一安心。それで乗り込んだのがこのツアー初日のステージ。ステージに上がるとヴァイブがなくてマリンバだけ!? 時間がなくて組めなかったとかで、9人編成で和音が出るのは僕だけ、しかもマリンバ!? 火事場の馬鹿力というのでしょうか、こーなったらやるしかない、とばかりでやればできるものです。
野外で3万人の聴衆。何よりも名古屋から明宝までのメンバーの乗った移動のバスが大渋滞に巻き込まれて本番の時間に間に合わず、後ろのスカパラダイスオーケストラと順番を入れ替えたとか。まだ高速道がなくて一般道だった。
サウンドチェックもそこそこに(そもそもフェスはいつでもそうなる)始めた本番のモニター環境はお世辞にも良いとは言えなかった。テレビも入っていたのでもう大混乱。ここには書けないような事件も勃発するほど。そんな中で野外ステージなのにマリンバがちゃんと聞こえるのにびっくり。トランポのサンフォニックスのスタッフがマリンバの内側にミニサイズのマイクスタンド5組を仕込んで万全の体制が出来上がっていた。リハの時にスタッフから相談されて色々検討した結果だった。これはこのツアー中全ての場所で絶大な効果を発揮したのを今でも忘れない。拍手!
動画は音質も画像も悪いけど、30年近く前の音としても、ちゃんと野外のステージにマリンバが響き渡るのも、こういったステージスタッフのおかげです。改めて拍手!
この時ほどマリンバに集中したことはなかった。学校の実技試験の時よりも数段頭を使い、それでもっていろんなアイデアが浮かんできた。ずっと嫌いだったマリンバのトレモロがこういうやり方なら大好きだ、と思えたし、そこで僕が得たノウハウを今日使い切っているマリンビストがそんなにいるとは思えないと自負させてもらっている。(マリンビストでもないのにごめんなさい!)
ツアーが進むにつれてマリンバのトレモロの使い方のコツが掴めてきた。この初日のトレモロよりももっとゆったりしたトレモロに変えて行ったのを覚えている。どのタイミングで切るとか、その瞬間に反応するいろんなノウハウを見つけた。
日野さんにも「もっとこれ(マリンバ)を使うべきだよ」と言われてそうだ、と思ったのだけど、現実的にはコレを持ち運んで入る箱の無さに苛まれて気がついたらもうすぐ30年。
でも、僕じゃなくても僕が教えた弟子達でマリンバも弾く人にはちゃんとそのDNAが伝わっていると思うので、そのうちにどこかからマリンバと共に登場してくるだろう。
ともあれ、今、これが聞けるだけでありがたい、です。
何よりも小学生の時のアイドルだった日野さんのバンドで、しかも日野さんのバラード"alone alone & alone"が大好きだった小学生が大人になって日野さんのバラードを演奏できるなんて、こんなチャンスを与えてくれた日野皓正さんと、故・日野元彦さん、事務所スタッフの皆さんに心から感謝。
その2の記事と動画はこちら(facebook)
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“路面電車のある風景 - 1”
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