[写真] 延長10回、代打加賀山選手のバットが突破口を開いた。
2009年07月18日(土) 09:57‐12:21 あきる野市民球場
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
創価 0 1 0 0 0 0 2 0 0 3 = 6
明大中野八王子 0 0 0 0 2 0 0 1 0 0 = 3
[ 投 手 ] 川村
[ 本塁打 ]
[ 三塁打 ]
[ 二塁打 ] 加賀山(10回).中島(10回)
1番(左)菅沼③、2番(二)臼井②→(10表/打)加賀山③→(10表/走)田中③→
(10裏/二)五反②、3番(中)川上③、4番(右)大島③、5番(遊)下山田③、
6番(一)横内③、7番(捕)中島③、8番(投)川村②、9番(三)加藤③
14日に東京の梅雨は明けたはずだが、昨日から天候がハッキリとしない。
昼からは、陽射しがあるとはいうものの
今朝のあきる野市民球場は、時折パラパラと小雨が降ってくる。
観てる側には少々煩わしい雨だが、
選手達にとってはイレギュラーがなく絶好のグラウンドコンディションだ。
ランニング、キャッチボール、トスバッティング、シートノックと
一連のウォーミングアップとミーティングが終わった9時57分
ほぼ定刻にプレーボールの右手が上がった。
[写真] チャンスメーカーの2番打者、臼井選手
今日の創価は先攻、トップの菅沼、2番臼井と二人倒れた後
3番川上が痛烈にセンター前に弾き返すが、
期待の4番大島は初球を打ち上げ大きなレフトフライ
その裏、マウンドに上がるのは、初戦で好リリーフした2年生右腕の川村
1球1球指の感触を確認しながら丁寧なウォーミングアップだ。
伸びのあるストレートでトップバッターをサードゴロに打ち取るが
2番には一転してボールが先行し四球で出すと、
落ち着くまもなく走られて一死2塁
3番はセカンドゴロに打ち取るも二死3塁のピンチ
ここで慎重になりすぎたか、4番と5番に連続四球で二死満塁
心配するな! ボールは来ている。 あとは気持ちだけだ。
たぶん、そう言ったのではないか?
タイムをかけ、ベンチから山崎が伝令に走った。
落ち着きを取り戻せばなんてことはない。
続く6番には、ポンポンとストライクを先攻させサードゴロ
加藤が大事に取ってベースタッチ、なんとかピンチを守りきった。
[写真] 強力打線が誇る右のハードパンチャー、3番川上選手
そして直後の2回表、ピンチの後にチャンスあり試合は直ぐに動く。
5番下山田が強いライナーでライト前に打ち返すと、横内が送って一死2塁
7番中島は変化球に巧く合わせてライト線へ落とし一死13塁
8番川村は完璧に打ち取られたボテボテのサードゴロだったが
これが幸いした。
下山田の好走塁もあって1点を先制した。
試合は創価の1点リードで序盤を終えると、
互いに一進一退を繰り返しながら中盤5回の裏、明八の攻撃
8番をショートゴロ、9番を三振に取り二死となってから試合が動き出した。
1番にセンター前に運ばれると、
2番には初球を痛烈に叩かれライトオーバーの二塁打
スタートの良かった1塁走者が一気に戻り、あっさり同点とされる。
動揺で落ち着かないなか、
今度は3番にライトフェンス直撃の二塁打を浴び、あっという間に逆転
あと30センチぐらいでホームランだったのでは?というような当りだった。
結果的には、この30センチが後ほど明暗をわけるのだから
野球とは本当に恐ろしい・・・。
[写真] 君がいるから打線がつながる。打って送って大活躍の6番横内選手
1点を追いかける創価の反撃は7回表、先頭の6番横内の打球は三遊間へ飛ぶ。
気迫で1塁へのヘッドスライディングを試みセーフをもぎ取る。
続く7番中島は、バントの構えからバスター
ゲッツーポジションのショートの左を抜いてレフト前
8番川村が大事に送って一死23塁、さぁ一気に逆転だ。
1点もやれない、前進守備を取った明八の守備陣に向かうは9番の加藤
打ち損ねた緩いバウンドはセカンドゴロ
3塁走者横内は突っ込む、タイミングは微妙
本塁上のクロスプレーに場内が固唾をのみ判定を待つ。
ブロックした相手捕手のミットからボールがこぼれた。
セーフ、主審の手が大きく横に開いた。
ヨシッ、同点だ。
さらに一死13塁から、1番菅沼はレフトへ高々と打ち上げ犠牲フライ
3塁から中島が戻って逆転、ヨシッ!これで再びリードだ。
[写真] 内野の要で打線のキーマン 5番ショート下山田選手
ところが相手も強豪校、そう簡単には勝たせてはくれない。
8回裏、先頭打者がセンター前ヒットで出ると堅実に送り一死2塁
次打者の時、川村の変化球がワンバウンドとなり僅かに左にボールが逸れると
これを見逃さず3塁へ走る。
そつがない攻撃、さすがだ。
動揺した川村は指にボールが掛かりすぎたか?
スパイクを直撃する死球を与えピンチを広げると
ヒヤッとする大きなフライをライトに打たれ、あっさり同点とされてしまった。
さらにここで、1塁走者もタッチアップして二死2塁
全くそつがない、さすがこれが鍛え抜かれた強豪校たるところだろう。
しかし、川村も踏ん張る次打者を得意のスライダーで見逃しの三振
あの高さ・・・ 今日は厳しい判定が多かったのだが
川村の気迫が、主審の右手を上げさせたのかも
むろん、文句なしのストライクなんだけど
[写真] 長打から渋い当りまで今日も大活躍、7番中島選手
そして試合は9回表裏の攻防
創価は二死から加藤が四球で歩くが、菅沼はレフトフライで無得点
明八はレフト・ライト・ライトへ、3本の大きなフライを打ち上げるが
菅沼、大島が上手く捌いて無得点
9回を終えて創価のヒットは8本、一方の明八は6本
ヒット数では上回ってるものの相手には2本の長打が出ている。
そして10回の攻防は、ともに2番から
決め手は双方が誇るクリーンナップの空中戦か?
[写真] 投げるだけじゃない。先制もトドメも8番川村選手のバットから
10回表、創価は2番臼井に代え加賀山を送ってきた。
中盤から攻守交替の際、毎回ベンチ横でバットを振っていた。
スタンドは、皆それを知っている。
満を持しての加賀山、必ず結果を出してくれるはずだ。
皆がそう思って加賀山を見つめる。
1球目、2球目と変化球で誘ってくるが自信を持って見送る。
そして3球目、待ってたストレートを一閃
低いライナーが左中間を割った。
ここでベンチは、代走に俊足の田中を送る。
仕事を終えた加賀山がクシャクシャの顔で戻ってくる。
手荒い祝福を受けるが、これからが勝負どころだ。
続く川上が大事に送って一死3塁、期待の大島にスタンドは湧き上がるが
相手は敬遠、あえて無謀な勝負はしない。
まぁ、当然といえば当然だろう。
さぁ下山田だ。
「お前に任せた。お前が決めろ。」と、熱い熱い声援が飛び交う。
ツーストライクツーボールから難しい低めの変化球だったと思う。
けっして、打ちやすいボールじゃなかった。
が、しかし・・・
カッキーンと心地よい金属音とともに、打球はセンター前で弾んだ。
小躍りして3塁から田中が戻ってくる。
ナイスだ、巧いバッティングだ。
迷ったらセンター返し、基本を絵に描いたようなバッティングだった。
続く横内はセカンドゴロ、必死に走り辛うじて併殺を免れると
二死13塁から、7番中島が右中間へ渋い二塁打を放ちもう1点
さらに8番川村、完全にバッティングフォームが崩されていた。
けっして綺麗なスイングではなかった。
だけど・・・ バットに当たったボールは、渋く三遊間を抜けていく。
貴重な貴重な3点目が入った。
そして10回の裏、明八も打順は良い。
5回に連続二塁打を放った2番3番からの打順だ。
川村はボールに魂を込めて気持で投げる。
先頭の2番へは強気の内角ストレートで詰まらせ、
ファースト横内へのハーフライナー、まずワンアウト
続く3番には変化球を振らせて
センター川上へのフライ、これでツーアウト
スタンドからは、あと一人コールがかかるが川村は疲労困憊
相手4番にストライクが入らず、ストレートで歩かすと
マウンドで軽く屈伸、足が攣ったか?
ヒヤッとしたベンチは、小松をブルペンに走らす。
さらに5番にも粘られ、フルカウントから歩かす。
キャッチャー中島が、ボールを持ってマウンドに向かう。
川村が大きく深呼吸する。
大丈夫だ。強い気持ちがビンビンと伝わってくる。
呼吸を整えて、最後の打者へ渾身のスレートを投げる。
相手も見事にこれをはじき返す。
センター前に抜けたか?と思ったが
この回から守備についたセカンド五反が逆シングルでグラブに入れた。
振り向くと、慎重に慎重に
2塁ベースカバーに入ったショート下山田にトス
そして2塁の塁審が、ゆっくりとゆっくりと右手を上げる。
試合終了
2時間と20分少々、内容の濃い試合だった。
勝ちも見事だったが、負けもあっ晴れと称賛したい。
ナイスゲームをありがとう。
ゲームセットの挨拶を終えた川村の頬を涙が伝う。
目を腫らしながらクールダウンに入る横を
トンボを持ってグラウンド整備に向かう加賀山が走り抜けた。
夏という名の宝物
宝探しは、2歩だけだが前に進んだ。
君たちの夏が、もっともっと長く
そして、甲子園という宝物に辿り着くことを祈念してやまない。
頑張れ、創価!
1 表/創価 三直、三ゴ、中安、左直
裏/明八 三ゴ、四球、盗塁、二ゴ、四球、四球、三ゴ
2 表/創価 右安、犠打、右安、三ゴ1点、遊ゴ
裏/明八 三振、遊ゴ、遊ゴ
3 表/創価 二ゴ、捕邪飛、三振
裏/明八 遊直、遊安、一ゴ、盗塁、遊ゴ
4 表/創価 三邪飛、遊飛、右安、守備妨害(キャッチャーのスローイングを妨害)
裏/明八 二ゴ、左飛、中飛
5 表/創価 三ゴ、三振、左安、盗塁死
裏/明八 遊ゴ、三振、中安、右二1点、右二1点、四球、中飛
6 表/創価 三ゴ、三ゴ失、中飛、中飛
裏/明八 遊直、三ゴ、投ゴ
7 表/創価 遊安、左安、犠打、二ゴ野選1点、左犠飛1点、右安、三振
裏/明八 右安、犠打、牽制死(2-6)、一ゴ
8 表/創価 一邪飛、三邪飛、三振
裏/明八 中安、犠打、暴投、死球、右犠飛1点、三振
9 表/創価 二ゴ、投ゴ、四球、左飛
裏/明八 左飛、右飛、右飛
10表/創価 左中二、犠打、四球、中安1点、二ゴ、右中二1点、左安1点、二ゴ
裏/明八 一直、中飛、四球、四球、二ゴ、試合終了
コメントありがとうございます。
今年は甲子園経験のある三年生にとってラストイヤー、
その三年生が、ぐいぐいとチームを引っ張ってるようですね。
この夏は大規模な関西交流となることを願ってます。
ちょっと気が早いですが、
私は8月7日に大阪入りするスケジュールを立てました。